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咎禍  作者: 青空ボーロ
咎禍 第一章 アコンシャスリボルト編
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第11話 「Ⅱ騎士・登場」

第11話 「Ⅱ騎士・登場」


慰安旅行から3ヶ月が過ぎた。


キャリーを倒したおかげか、アコンシャスの動きが止まり、いつもどおりの平和な日々をすごしていた。


俺達はテレビを見ていたそんなとき、凄まじい勢いでアジトがノックされた。


「はい」


だがその先にいた一般人は、包丁を振り下ろしてきた。


「何!?」


譲介はギリギリ半足引いて回避する。


そして譲介は彼のナイフを持つ手をひねり、押さえつけた。


「何やってるんですか!」


だが押さえつけた瞬間…その一般人は魂が抜けたようにガクッと力が抜ける。


「大丈夫か!譲介!」


「死んでる…」


慧悟と田蔵が歩み寄る。


「即死の攻撃はしてない…どうして」


俺は手を折って、押さえつけただけ。そんなことで死ぬわけがない。


「あらあらお人形さんがやられちゃったわ。」


だがそこに怪しい声が響く。


「何者じゃ!」


瞬間、影から声がする


そこにいたのは紫の髪をした長髪の女。


左目にはK、右目にはⅡと刻まれていた。


「騎士の…Ⅱ!?」


「そうよ。私は『ジュリエット』。四騎士で2番目に強いのよ。」


譲介は背中に氷を突っ込まれたかのような悪寒を感じる。


(この空気…今まであったアコンシャスとは桁違い…なんなんだ…これが四騎士!?)


「見てたわ。貴方達がキャリーちゃんをやったのね。」


「報復に来たのか」


「いや私は『報復』や『復讐』に興味はないわ。ただ挨拶しにきたの。」


そう不気味に笑うとジュリエットの空気が変わる。


「さ、始めましょう。」


なんとあの田蔵が冷や汗をかく。


(この空気…ワシが見た中でトップクラスに入る…まずい!)


ジュリエットが技を放つ!


「ソウルバレッド!」


大量の魂が弾丸のように飛ぶ!


それは譲介達が全く反応できぬ速度。


(全く反応できなかった!)


(この速さと威力…殺そうと思えば殺せる…遊んでいるのか…?)


「私の魂攻撃いかがしら?」


ジュリエットが笑みを浮かべながら問うと田蔵が答える。


「中々じゃな…反応するので精一杯…」


「褒めてもらって嬉しいわ。次に行くわよ。ソウルスネア!」


ジュリエットが技を放つと空気が紫色の魂のフィールドで覆われる。


(速い!)


一瞬にしてジュリエットが譲介に距離を詰める。


そしてジュリエットの手が譲介の胸へ触れる。


「フフフ…」


その時、譲介の脳裏に電撃が走る!


脳内に浮かんだ映像…それは膝をつき、必死に訴える母・真由美の姿。


「譲介…助けて…!」


「うっ…!」


譲介は思わず片膝をついた


「譲介に何をした!」


「くっ、貴様!」


田蔵の波動と慧悟の斬撃がジュリエットの肩の肉をさく。


だが1秒にも満たない間にそれは再生する。


(再生した…!?)


再生能力とその再生の早さに田蔵と慧悟は驚く。


「わざと当たってみたけど攻撃に気合があるわね。Wraith Bind!」


ジュリエットの手からでてきた鎖が二人の魂をがっちり固定する。


「!?」


(鎖!)


そして慧悟もあのフラッシュバックを食らってしまう。


脳内に現れたのはアコンシャスに襲われる両親の姿。


「慧悟ごぉぉぉ!」


「ゥゥウウ!」


父が致命傷を負い、母が叫ぶ。


「い、いやぁぁぁ!」


慧悟は思わず膝をつく。


「うっ…!」


しかし田蔵は違う。


「フン!」


震脚の振動で鎖を打ち破る。


「へぇ。経験で耐えたのね。おじいちゃんと思って見くびってたわ。」


それを見たジュリエットは喜びの表情を浮かべる。


「慧悟と譲介に何をした」


田蔵はジュリエットをまっすぐ見て問う。


「見ての通り魂を操作して、幻覚を見せたわ。譲介には母親の記憶、慧悟には両親の記憶。見事に効いてるようで嬉しいわ。」


「貴様…!」


田蔵の怒りの鎖鉄球がジュリエットへ飛ぶ!


ジュリエットはそれを軽々と躱す。


「とはいえおじいちゃん。貴方はこの中では一番面倒ね。」


そして問馬の魂に鎖をつける


「しまっただぜ!」


問馬の脳裏にトラウマが映る


それはある日の小学校での記憶。


「お前名前問馬鹿之助ってw繋げたら『馬鹿』になるぞw」


問馬は名前をよくいじられていた。


「?。なんかよく分からねぇけど面白いぜ!」


だがその度、馬鹿すぎてバカにされていることを理解できずお互い笑っていた。


「えっ、鹿之介って小学校留年してるの!?やばっ!」


「バカすぎるだろw」


留年していることもいじられるも問馬はそれをステータスと勘違いしていた。


「だろだろ〜w?」


と喜んでいたのだ。


そしてある日、問馬は遅刻常習犯だった。


「流石に遅刻し過ぎだ!廊下に立っとれ!」


当然、先生に怒られる。


「いや今日夏休みだと思ってたんだぁ〜ぜぇ〜」


「もう10月だぞ!何言ってるんだ!」


その理由は毎回、バカすぎな理由だった。


現実へ意識が戻るも問馬に変化は全くない。


「?。なんだこれ?こんなことあったけ?まあいいか。」


「あら…?」


(まったく効いてない。まさか馬鹿すぎて効いてないのね。)


だがジュリエットは頭がキレる。


「ならこれを食らいなさい」


戦略を変え、問馬の脳裏に電撃が走る!


「敵だぜ!」


問馬は田蔵へ鉄バットを振るう!


「何!?問馬!」


田蔵はそれを三節棍で受ける。


「貴様…問馬に細工をしたか!」


「お馬鹿にはこういう幻覚が効くのよ。」


その時、剣が飛び出す!


「クソ!こうなったらワイが!」


ジュリエットへ竜骨刀を振るう


だがジュリエットはそれが振り下ろされるよりも早く。すでに剣に触れていた。


「クソッ!離せやで!」


「いい剣ね。」


それはジュリエットの腕を切断するも、ジュリエットは即座に後退する。


そしてまた一瞬で腕が再生する。


(またわざと当たったようやな。エグい舐めプや。)


「フフフ…」


だがここで不敵にジュリエットの口角が上がる。


「貴方。剣だったかしら?面白い魂をしてるわね。『人間とアコンシャスが混ざった魂』。つまりは狭間の国からの生き残りかしら?こんなやつがSRに協力してるなんて。」


「!?」


「だから苗字がないのね。納得したわ。」


「な…」


「今日は挨拶よ。じゃあさようなら。」


ジュリエットが闇に溶けるように消えた。それと同時に幻覚などジュリエットが発動した術が解かれる。


「な、待て!」


田蔵は追いかけようとするもそこにジュリエットの姿はすでにない。


「消えた…」


戦闘が終わった。本来ならホッとするところなのだろう。


だが…そうもいかない。


「剣…さん…」


譲介は静かに立ち上がる。


「アコンシャスと人間のハーフってどういうことですか!?」


直後、凄まじい雄叫び。


「……………」


「譲介…」


(どういうことじゃ…理解が追いつかん…)


田蔵は状況を理解できなかった。


「剣!なんとかいえよ!」


慧悟が剣の胸ぐらを掴みながらそう言い放つ。


……………


しばらく沈黙が続く。その沈黙はまさに修羅場と言っていい緊張感ほどの糸が張られていた。だが剣さんは何も言わない。ただひたすらに時が過ぎる。


その沈黙を鈍い音が引き裂く。


そうついに慧悟の拳が振り下ろされたんだ。


「アコンシャスなら…斬るしかない…!」


慧悟は迷いなく刀を抜く。


「チャリャァッ!」


それが剣の頭上へと落ちる。


だが、それが食らいついたのは肉ではなく金属バッド


「何故アコンシャスを庇う…!」


「………」


「問馬…!」


「俺馬鹿だからよくわかんねぇけどよ!剣はわりぃやつじゃねぇって!落ち着けよ遊馬!」


必死の問馬の訴えも慧悟には通じなかった。


「義鋼!」


「Flash like the storm-Azure Blade, unsheathe!」


「クソが!」


問馬もバットを構える。


譲介も迷いながら立ち尽くす。


「やるしかないのか…!」


そう呟くとカードを取り出す。


「Set!DragonNight!」


「変身!」


「Burn it with dragon fire and tear it apart with sharp claws!」


遊馬と問馬が切り合う中、譲介が援護に向かう。


槍のリーチで隙間を縫い、剣を刺そうとした。


(今の2人に話をしても無理や!)


そう考え、剣はカードを刀に装填する。


「変身!」


「Poison Sword! Turn Change!Supper Rex!」


「そっちがその気なら!」


譲介の刺突を剣が竜骨刀で流す。


毒の液体が譲介の手を溶かす。


(毒の液体が飛んでくる。液体は不規則で避けにくい。槍で遠距離でたたかっても毒、大剣で近距離でも剣術でやられる。覚悟を決めるしかない!)


譲介が槍を大剣へ切り替える!


「切り裂く!」


炎を纏った斬撃が剣を襲う!


(リーチがキツイ。どっかででんとあかんか!)


すると剣がスライディングして譲介の足元へ来る。


「何!?」


(足元を崩す!)


譲介は剣のキックを足に食らい、体勢が崩れた


(しまった!)


「今やぁ!」


そう叫びながら剣は突きを飛ばす。


「ちっ、」


その一撃が譲介の肩を刺した。


(肩に毒か…しかも刺突で入った。まずい…!)


「離れろ!」


譲介の斬撃が剣の胸を横一文字にさく


「ちっ!」


(深手や。しかも焼けるような痛み。譲介。敵になるとここまで厄介なんやな。)


剣がバックステップを踏むが、追い打ちのように譲介の口から炎がはかれる!


「ギャオーン!」


剣は腕で防ぎながら、咆哮で炎を防ぐも、僅かに腕には火傷が残った。


(コイツのリーチに対処せなあかん。なら…!)


刀が譲介の首へ来る!


(当たれば即死!防御!)


だがそれはフェイク!


剣の鋭い恐竜の爪が譲介の腹へささる!


奇しくもそれはキャリーの糸で切り裂かれた場所


「ゴフッ…!」


傷をえぐられ、譲介が吐血した。


譲介は即座に剣の指をはねにいく!


(速い!)


「ちっ、」


俺の斬撃で、剣の指の骨が切れた。


激しい戦闘の中、剣は罪悪感に苛まれていた。


(言えなかったんや…隠してた…ホンマにすまん。譲介…遊馬…田蔵はん…百合香。ほんまに申し訳ないことをしたと思っとる。

ワイはいえなかったんや。ずっと隠しとった。)


剣はわかっていた。彼らは本気でアコンシャスを恨んでいる…。


ある日の夜、剣はよく眠れず、喉が渇いて、水を飲みに行っていた。


そこで聞こえてきたのは田蔵と慧悟の話し声。


なになら夜遅くまで起きて晩酌をしている。


剣は


(なんやなんや…おもろい話かw?)


と思い聞き耳を立ててる。


「田蔵さん。最近、アコンシャスの被害が拡大していますね。」


「うむ…。中々厄介じゃ…」


「俺は…アコンシャスを許せません…やつらは…俺の家族を奪った…!」


その時、慧悟の顔が修羅の顔になる。


「だから俺は必ずアコンシャスをぶっ潰します…」


田蔵もうなずく。


「ワシも同じ思いじゃ。必ず悪しきアコンシャスを殲滅させるぞ。」


それを聞いた剣は悲しい気持ちになり、中々言えなかったんだ。その事実を…


--------------------------------------------------------------------


剣は元々狭間の国で生まれた。


生まれたのは2000年前。


「生まれました!元気な男の子です!」


「生まれた!俺たちの子供だ!」


だが、その直後に人間とアコンシャスによる戦争が勃発した。


剣達、ハーフは人間とアコンシャスどちらにも命を狙われた。


そしてついに狭間の国は1982年前。つまり剣が18歳の時、人間から集中攻撃を受けてしまう。


人間の兵士が指示を出す。


「大砲を撃て!」


「キャーッ!」


ハーフ達の悲鳴が響き、その場は血の海とかす。


「そんな…こんなことありえんやろ…」


唖然とする剣達、そこに剣の両親は言う。


「剣…もうだめやわ…」


「もうワイらしか残っとらん。あとさき短いワイらが生きてもしゃあないわな。」


「えっ、ちょっと何言うとんやおとん、おかん!一緒に逃げよや!」


「無理や…もう包囲されとる。」


「これをやるわ…万が一の時に使いなはれ…」


「ま、まってや!」


俺は岩で隠された、狭いシェルターの中に入れられ、刀と共に、コールドスリープの機械へ入れられる。


「3つあったら一緒に生きられたのになぁ…」


「しゃあない。一つしかないんや。剣には生きてもらうだけや。それが親として最期の務めやな。」


「そうやな…」


「オトン!オカン!」


隙間から両親が殺されるのを黙ってみるしかなく、気づけば剣は眠っていた。


そして今から5年前。剣は目覚めた。


「…………」


剣の肉体は18歳から老化が止まった状態で現代まで来た。両親は戦争が終わるのを待っていた。


かすかに声が聞こえた


「なんだぁ?この機会は?なんで寝てんだコイツは?」


「はっ…!」


その声に反応するように剣は目覚めた。


「おぉ起きたぜぇ!」


そこにいたのはまさに問馬鹿之介。


「オトン!オカン!」


「おぉ。いきなりデケェ声だすなって。」


「!?。お前は!?」


「俺は俺だぁ〜ぜぇ〜」


「人間…!まずい!」


剣は最期に両親託された後の愛刀「ポイズンソード」を抜く。


「おぉ!なんだその剣!カッケェ!!!」


だが問馬は動じない。


「えっ、」


(コイツ…もしや…)


「これどこで買ったんだ!?俺も欲しいぜぇ!」


剣は察した


(馬鹿なのか…?)


問馬は馬鹿ということを。


「?。なんだ?俺の顔になんかいついてるのか?」


「い、いや…これは…オトンとオカンからもらった剣でな…護身用や。狭間の国の神具やから。触らんほうがええ。」


「なんで護身用なんか持ってんだ。物騒だぁ〜ぜぇ〜。」


剣は状況を理解できてない。故に頼れる存在は問馬のみ。


(この時代のことはさっぱりわからない。話してみるか。)


剣は問馬に話した。剣が狭間の国に生まれたこと、両親が剣を庇って死んだこと。


すると問馬はこういった。


「『アコンシャス』ってのが危険なのはよく聞くけどよ。お前はまあ大丈夫だな!仲良くしようぜ!」


「えっ、あっ、ああ」


剣は問馬から今まで会ってきた人間の誰よりも純粋さを感じた。剣はそれから問馬と5年間仲良くやってきた。


剣にとって「アコンシャス」や「人間」という区分で見ず、一人の人間として見てもらえたことは初めてだった。


…もし出会ったのが問馬でなければエパナスタシーに入って、人を殺しえいてもおかしくはなかった。


だが譲介達は違う。アコンシャスに恨みがある。剣を「アコンシャス」。即ち「敵」として見ている。


「問馬のためにも負けるわけにはいかんのや!」


(ここまできたらやるしかないわ…譲介、慧悟…死んでくれ…)


次回 「『正義』とは」

見てくれてありがとうございます。

ついに騎士の一角・ジュリエットが姿を現しました。

そしてジュリエットは剣の正体を暴露してしまいましたね。

この事実を知り、火蓋がきられたたたかい。

仲間割れの末の結末とは…

次回は日曜日公開です。

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