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〜猫と神隠し〜プロローグ

猫である私は、自らの分身を一歩前に踏み立たせた。そして、複数ある尻尾の内の一つに炎をまとわせる。


尻尾を大きく振り回す勢いに合わせて、尻尾にまとわせた炎を男に飛ばした。


「ガキン」


金属がぶつかり合うような音が響きわたる。私の分身が放った炎は、男の前に立つ人の形をした存在に打ち消されていた。


その人の形をした物も、私と同じく両腕に炎をまとっている。


その炎が、私の炎を打ち消したかはわからないが、金属音がするのは、不自然だと感じた。


「ハアー!」


男は、気合を入れるように声を出した。それに合わせて、人の形をしたものが戦闘態勢に入ったのがわかった。


私は、自らの分身をさらに前に出させる。その、ゆうに大人の人間をこえる程の大きさをする分身は、猫の姿をしている。


いや、見た目でいうなら巨大なヒョウのような姿である。


私と同じく、右前脚を除いて全身が黒い。また、長い尻尾が複数ある。


「邪魔をするなら、容赦はしないぞ!!」


私は、猫の鳴き声にしか聞こえていないであろうが、あえて声を出してみた。


「オマエ、喋れるのか?」


目の前の男が、目をまわるくして私を見ていた。


この時、数百年ぶりに私の言葉を理解できる人間に巡り会ったのである。


そして、その男は、私と同じく分身を持ち私に戦いを挑んできたのだ。


そう、この戦いは、私がまだ源之助と呼ばれる前におきた事である。


この戦いが、私の運命を大きく変えるという事を、この時の私は理解していなかった。







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