第47話 けっせん
――魔王城――
「ハッ……!」死神が驚いている……
「ま、まさかこの感覚は……」死神は走り回る……
「タティーさん!」
「リーパーも感じた様だな……」
「タティーさんもですか……」
「あぁ、デビルの奴……。死んだな」
「うぅ……! どうしましょう! どうしましょう! ヤバイですヤバイです!」
「落ち着け! まだデビルが殺られただけだろ? 四天王が殺されるのは初めてじゃない! それにデビルも新人だったからな。油断したんだろう」
「……そうですが! 落ち着いてはらんないんですよ! もう魔王様も余裕が無いんですから!」
「お前の方が余裕無さそうだがな……」
(……それにしてもデビルが殺られるとはな……。あいつは相当な強さを持っていた筈だ……。だが、今までの傾向だと四天王を倒すと人間は撤退するからな……。だけど何だろうな……この胸騒ぎは……)
――悪魔城付近――
メアは見張りをしていた……。最後の見張り番であり、3時から起きるとそこからはもう寝ずに行動する……。
しかし、様子がおかしい……睡魔による影響では無さそうだ……。
「………………」メアは黙りながらナイフを見つめる……。
「………………ふっ!」メアは立ち上がり、投げナイフを木に打ち込む。
「やった! 遂に成功だ!」メアは投げナイフを木から抜き取ると歩き出す……。
「3時間だったか……。良いだろう! それまでにヴァンパイアとか言う奴を倒しといてやるぜ!」メアは1人で悪魔城まで走り出す……。
走って行くとものの数分で着き、悪魔城の扉を蹴り開ける。
ドン!
中には無数の魔物が潜んでおり、メアに飛び掛かって来るが……
「遅い……遅いぞ!」メアは全てを避け切り、確実に切り刻む。1人でどんどん突き進んで行く……。
「ここか?」またドアを開けるとまだまだ魔物が出てくる。
「おいおい、本当に居んのか?」魔物を切り刻みながら物凄い勢いで悪魔城を駆け上がる……。
「…………一番上に来ちまった……。ここに居なかったらどうすりゃ良いんだ?」ドアを蹴り開けると大きな広間があり、奥の玉座に1体の魔物が座って居る……。ヴァンパイアだ……。
「……もう来たのか? それに1人でここまで来たと言うのか?」
「あぁ、登り辛い階段だったぜ?」
「招かれざる客人は帰って貰おうか……」ヴァンパイアが立ち上がる……
「こんな真夜中に挑んで来るとは……。哀れだな……」
「こんな真夜中にだだっ広い所で1人ぼっちとは、哀しいな?」
「いざ! 参る!」




