第4話 魔力
メアは宿で何とか食事を摂り、1泊した。目覚めは意外にも良く、体調もバッチリだ。
「さてと、行きますかね〜」と、呑気に宿を後にし、セリアの出入り口まで来た。
すると、門の前であの男が立っていた。
「よお、見送りに来たぜ!」
「早いじゃないか? じゃ、早速行ってくるよ」「おう! あんたの帰りを何時までも待ってるぜ!」
メアは早速次の街アヴァロンへと、足を進める。
アヴァロンとは、大きな商業都市であり、多くの商人が行き交う。そして、立地の都合上旅人が訪れる事も多い観光名所でもある。
「今日も良い天気だ、青空を見るとやっぱり気分も明るくなるよな〜」と、順調に進む。
何事もなく道を進み、メアは野宿の準備をしていた。
「ここなら近くに川もあるし、丁度良いな」キャンプ地を決め小さなテントを張り、釣りをしていた。今は、丁度夕方だ。
すると、背後の草むらから音が聞こえた。
「ん、何だ?」と警戒すると、ウサギ型の小さな魔物が出て来た。
「ふ〜、何だ〜。お前か」と、安心する様子のメア。というのも、この魔物はメアの故郷の村にも現れる、人畜無害な魔物なのだ。
この世界には魔力が存在し、魔力を持った動物などを魔物と呼ぶ。なので、魔物だからといって必ずしも、危険な存在という訳ではない。余談だが、魔力が存在すると言う事は、魔法も存在するのだが、メアは魔法を使えない体質である。
川で魚を釣り上げたメアは、さっと調理をして、食べていた。
「そうだな、これで朝方から出発すれば。昼前には着きそうだな」と、軽く予定を見直す。
商業都市アヴァロンでは、一体何が起こるのか。メアは予想をしながら明日に備える。