第26話 忘却
ラフェンの宿で休んでいる一行。
「あ! そういうばサーチって何なんだよ?」メアがメイトに聞く。
「サーチは魔力探知の魔法ですよ。周囲の魔力を感じ取れる様になります。まぁ、メアさんの様な魔力の無い方は感知出来ないのが欠点ですけど」と、メイトは皮肉を言って来る。
「……ケッ、嫌な奴だ」と売り言葉に買い言葉で言い返す。
「あんま喧嘩するな、仲間何だから相手の事をもっと尊重しろ」とレグレットが仲裁に入る。
「ふん!」2人はそっぽを向く。
外は暗くなり、綺麗な月を眺めながらメアは考えていた。
(あの時、ナイフが投げれなかった……何で突然投げれなくなった? ……あれ? というか俺は何時から投げナイフなんか持ってて、使える様に?)メアは突然の疑問にすら疑問を覚えてしまう……
(これは……良く調べた方が良さそうだな)
メアは他の3人が寝ている事を確認し、右内ポケットからナイフを取り出す。今頃気付いたがポケットの中にはシースが固定されていた……
投げナイフの数は全部で5本……。そして、左ポケットにもナイフが1本入っていた。どうやら、左に入っていたナイフは投げる用ではなく近接用のナイフの様だ。
(……? 何でこんなのがあったのに気付かなかったんだ……?)
更に詳しく調べるとこれらのナイフは銀製の様だ……。
(このナイフ達はあの夢……と関係ありそうだな)メアは夢について思い出す。
(最初に見たのはポイズンスライムに右腕を焼かれた日だ。確かあの時は……どうなったんだっけ?)
(次に見た時は……ミザリーを助けた日……どうやって助けた? 確かあの時……)とメアが考えていると……
「どうしたんですか? そのナイフ達は?」メイトがベッドから起きて声をかけた。
「――――っ!!」滅茶苦茶ビビった。




