第1話 出発
青年は振り返り、別れの言葉を告げる。
「俺はもうこの村を発つよ、今までありがとう皆」
「……本当に行くのか? 魔王を倒すだなんて危険な事、お前にはして欲しくない」と言う白髭を生やした老人は村長だ。
「もう決めたんだ、今更何を言っても辞めないよ」
「あぁ……、分かっておる。」
「安心しなよ、必ず帰って来るからさ?」
「帰りたくなったら何時まで帰って来なさい?」
「……あぁ、いつか戻って来るよ」
村長は言う
「……この旅は過酷な旅になるであろう、そなたの行く先に幸運を……メア」
―メアは村を背にし歩き出す、今旅は始まる―
ここ、故郷の村は辺境の地であり、魔王の住む城、魔王城からは最も離れた位置にある。従って、ここに住む魔物はとても弱い。
メアは地図を見ながら予定を確認した。
「ふぅ、今日も良い天気だ。やっぱり晴れてた方が気分も明るくなるよな〜」
最初に向かう場所は隣街、セリアである。これといった特徴の無い街だが、取り敢えず寄る事にした。街まではそう遠くなく、青年の足であれば3時間程で着く距離だ。
「お、見えてきた」メアはこの街には何度か来た事があり、見覚えのある円柱の壁を見て呟く。
街に入り、まず第一にするべき事は宿を取ることだ。メアは宿屋に入り「1日泊まりたい」と店主に話す。「はい、一人部屋1泊ね〜」と、一先ずは宿が取れた。
「宿も取れた事だし飯食いに行こっかな、酒場行こ〜」宿を出て、近くの酒場に向かう。オレンジ色の綺麗な夕日が街を覗いている。
初作品です。小説を作るのは始めてなので、まだまだ荒削りですが、宜しくお願いします。