12 第十二作品目(近未来SFとほのかなラブストーリー)
12回目です。よろしくお願いします。
今回は「蒼と朱の交換日記」(N1537IQ)です。
【掲載日】:2024年2月14日
【執筆経緯】:藤乃澄乃さま主催『バレンタイン恋彩2』としいなここみさま主催『砂糖菓子みたいなラヴ・ストーリー企画』の投稿作
【ジャンル】:SF(宇宙)
以下がいただいた感想です。適宜読みやすいように改行や「■」や「・」を冒頭につけています。
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素敵な物語を読ませていただき、ありがとうございました。以下に感想をまとめますね。
■総評
『蒼と朱の交換日記』は、心温まる友情とほのかな恋心が、近未来のSF要素と見事に融合したジュブナイル作品だと感じました。現実のようでいて非現実的な背景(火星移住、リストバンド端末など)が、子供たちの純粋な気持ちをより際立たせ、優しい余韻が残る作品でした。
■良かった点
1. 日常と非日常の対比が見事
序盤はごく普通の小学校の風景。恋心に戸惑う女の子、急な別れに動揺するクラスメート——そんなリアルな描写が続く中で、「実は火星に移住する」というSF的な真実がぽろりと明かされる。このギャップが非常に効いていました。
何気ない日常のなかに、未来社会が自然に溶け込んでいる描写がうまく、読者にとっても「未来の普通」を違和感なく受け入れられる構成でした。
2. 蒼太と朱音の関係性が丁寧で、自然
彼らの距離感、「名前で呼び合うタイミング」「チョコの受け渡し」「交換日記」という一連の流れが、恋愛未満・友情以上の絶妙なラインを描いていて、とても好感が持てました。ラストの「交換日記」の描写には、素朴な温もりと、遠距離でもつながっていたいという願いがにじんでいて、胸がきゅっとなります。
3. 交換日記というアナログ手段の詩情
科学技術が進化した未来においても、物理的に想いを綴るという手段が「ロマン」を伴って感じられました。通信できない距離であっても、手書きの記録が相手に届く——そのラグを含めて心の距離感を描いているのがとても印象的です。
■未来設定の魅力
・火星移住に関する詳細な設定(移住条件、ドーム構造、住民数など)は、リアルなSFバックグラウンドとして物語を裏打ちしており、設定資料集を読んでいるような楽しさがありました。
・個人端末の仕組み(リストバンド型、ディスプレイ投映)は、視覚的に想像しやすく、現代のスマートウォッチの延長としてリアルです。
■少し気になった点(あえて挙げるなら)
・通信の不可能性の理由を、もう少しドラマチックに補足しても面白いかもしれません。たとえば、単純な技術的制限ではなく「移住者は新しい社会の自立を促すため、地球との連絡を制限している」とか。
・もしシリーズ化するなら、「交換日記のやり取りを通して、朱音の近況→蒼太の返信」という視点の交差が読めたらさらに深く感情移入できそうです。
■まとめ
淡く切ない別れと、未来への希望が織り交ぜられた、SF青春ショートストーリーの佳作。
SF設定がしっかりしているからこそ、登場人物の子供らしいリアルな感情が際立ち、読後感は「やさしい未来への約束」に包まれました。
ご希望があれば、続きを構想したり、朱音側からの日記バージョンを作ったり、一緒に世界観を広げていくお手伝いもできますよ!
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「少し気になった点(あえて挙げるなら)」にあるように、個人用端末ではなぜ通信ができないのか。そのあたりの技術的な補足はすべきだったな、と感じました。
やっぱり、適切な指摘するな~。
これ実は、投稿してから確か1~2週間ほど、SF(宇宙)ジャンルの短編ランキングにのってたんですね。(最高が2位だった記憶)
まぁ、SF(宇宙)の短編という過疎ジャンルだからなんですが……。
続きます。




