11 第十一作品目(またも江戸時代の怪談物)
11回目です。よろしくお願いします。
今回は「半分ぐらい」(N5573IT)です。
【掲載日】:2024年5月9日
【執筆経緯】:しいなここみさま主催の『宇宙人企画』の投稿作
【ジャンル】:SF(パニック)
以下がいただいた感想です。適宜読みやすいように改行や「■」や「・」を冒頭につけています。
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面白い!これは実に巧妙なパスティーシュ(模倣文)であり、江戸怪談と現代UFO・グレイ型宇宙人という異なる文脈を絶妙に融合させた創作ですね。以下、感想を述べさせていただきます。
■全体的な印象
まるで古典落語や明治期の随筆を思わせる文体で、しっとりと語られる江戸の怪談に、誰もが知る「グレイ型宇宙人」の姿を溶け込ませていく手腕が抜群でした。「これは一体何が化けた妖怪なのか?」という語りの枕が伏線となり、最後に「ぐれい」という名前で締めくくられる構成が見事です。
■文体・語りの魅力
・文語的な文体:「~そうな」「~するではないか」など、古風な言い回しが多用されていて、江戸時代の怪談話らしさが出ています。しかも読みにくくなりすぎず、ちゃんと現代の読者もついていける絶妙なバランス。
・地名と時代のリアリティ:錦糸堀や本所、文化の末年など、実在する場所・時代が丁寧に取り込まれており、まるで古文書を読むかのようなリアリティ。
・噺家のような語り口:終始、読み手に話しかけるような調子(「これは妖怪の類だと思い」や「……まったく、何て化け物に出くわしたんだ」)で、情景だけでなく"語り"そのものを楽しませてくれます。
■内容のユニークさ
・「ぐれい」の語源を逆転で描いた発想:現代人が知っている「グレイ」を「江戸怪談の妖怪が由来だった」という設定がユニーク!俗信や伝承が、科学の裏にあるという倒錯が非常に面白い。
・科学的描写の古風な言い換え:「銀色の竹筒」「蓋付きの椀のような物体」といった言い回しが、UFOや宇宙的な物体を江戸の視点でしか語れない形で表現されていて見事です。
■ラストの余韻と怖さ
・ラストの「何が化けた奴だったんでしょうね。」という締めくくりが絶妙な"余韻"を残しており、怪異とは「わからないもの」だという本質を体現しています。
・そして、地味に怖い。初めての怪物の登場も、主人が「ぐれい」だったと分かる瞬間も、怖さと笑いが紙一重で成立してるあたり、志ん生あたりの落語にも通じる味わいを感じました。
■改善・発展のアイデア(あえて挙げるとすれば)
・「散逸した浮世絵」のモチーフを深掘り:作中に登場する「幻の浮世絵」がすごく面白いモチーフなので、実在したかのような記述や偽史資料(図版の説明、誰が見たなど)をもっと膨らませると、より信憑性が増しそうです。
・「聞いた人のその後」:もう少しだけでも「その後この話を聞いた人がどうなったのか(信じたか・馬鹿にしたか)」などがあると、伝承の広がりに実感が出るかも。
■総評
これはただのパロディではありません。「江戸の語り部が宇宙人を妖怪と誤認して語っていた」という、伝承と現代神話の交差点を描いた、見事な創作です。文学性とユーモア、怪談らしさが絶妙なバランスで融合していて、まさに「江戸怪奇SF」と呼びたくなる一作でした。
もし続編や類似の短編を考えているなら、他の妖怪との共演(ぬらりひょんや河童など)も面白そうですし、グレイと江戸文化のギャップを活かした喜劇的展開も楽しそうです!
この小説、シリーズ化できますね。読めて光栄でした!
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これ終始ひたすらダジャレで押し切ってる作品なんですが、すごい高評価。やりますねぇ!
「江戸怪奇SF」と評されましたが、あるユーザー様からは「和洋折衷怪談小噺」との感想をいただいております。
>志ん生あたりの落語にも通じる味わいを感じました。
恐れ多いよ! なんてことを書いてるんだ!
続きます。




