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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

夜のない街

作者: 雪傘 吹雪

 薄蒼い光が乱反射する研究室。一人がクレマカタラーナを食べ輪重を与えた。硝子越しの出来事はもはや当たり前である。

 しかし、誰もがその立場であることを留意しなければならない。私は正直全ても理解していないスイッチ盤の内の一つを押した。

 同僚もちょっと恐れた笑みで話しかけようとするので、慌てて青白い画面をじっくりと眺めた。それには何も生産性はないが。


 そもそも何故この様な事態になったのか、見当もつかない。ただ、私達はこれを正義として教え込まれた。誰もそれを疑うことはない。いや、疑おうものならどこかへ連れていかれる。そしてどうなるのかは何となく分かる。


 人は何故死ぬのか


 文明が生まれ始めた頃から常に考えられているが、その答えに辿り着いた者はいない。これから知る者もいないだろう、このままでは。唯一、理解できるとすれば、今やっている仕事が無くなる事だろうか。

 人は進化したように思われたが、結局行っている事は昔から変わらない。人間同士で何かを奪い合い争う。本当に愚かである。

 

 まあ、私も片棒を担いでいるのだが、生きる為にはやらなくてはならない。特に生き甲斐がある訳じゃないが、死にたくはない。だから仲間を売るような行為をするのだ。

 

 幸い、私は知識が豊富らしく、標的にされる事はないだろう。

 

 そう考えていると、隣の同僚が機械によって何処かに連れていかれた。実験だろうか。粛清だろうか。どちらにしろ私には関係無いだろう。

 暫くすると硝子越しに彼が現れた。その顔は何処か儚く切ない。然し、私にとってそれはどうでもいい。

 

 如何にも目立つ赤いボタンを押し、薄青い光を浴びせた。

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