理性とのたたかい
芽依は、なぜ寝たくないのだろうか…。
「あのさ、芽依…」
「ん?」
「最近不眠症だったりする?」
「え?ううん。」
…
じゃあ、もっと遊びたい的な感じなのかな?
「あ、ゲーム‼︎そうだよ!ゲーム機お互い持ってきてるんだもんな!やる?」
ギロッ
…
芽依がなんだか、オレを睨んでいる…?気がするのは、気のせいなのだろうか?
もしかして…ゲームじゃない⁇
…
「あの…芽依…さん?」
芽依は、オレをにらんでいたかと思うと…今度はとっても寂しそうに
「わたしって…やっぱり魅力ない?」
なんて寂しい顔をしたんです。
「え、魅力ならめっちゃあるだろ!頑張り屋さんだし。芽依は、とっても魅力的だよ」
と、恥ずかしながらもきちんと意見した。
「じゃあ、なんで…」
「ん?なに?」
芽依は、どうしたのだろうか…
「だから![#「!」は縦中横]なんでいっつもわたしを…その…恋愛感情っていうか…わたしのこと触れたいとか…そういうふうに思ったり、しないのかなって…」
⁉︎
これは予想外でした。
そりゃ、オレも男だし…あんなことやこんなことって思うけど…
でも、こんなからだで芽依にそんな…そんなこと要求できるわけないよね…。
しかも今更…告白とかできないし、芽依だって…こんな時に好きって言われても…だよね。
なんでオレは…
…
オレがもっと早くに…
こんなことになるんだったら、もっと早くにきちんとおもいを伝えておけばよかったですーー‼︎‼︎
芽依には、もう時間がない…
でも、オレは諦めないんだ‼︎
「芽依…それは…やっぱりある程度落ち着いたらっていうか…ちゃんとした結果が出ないと…やっぱり負担がすごいと思うんだ。その時までオレ待つよ。オレは、芽依のからだを大切に守りたいんだ。だから…だからさ」
と、オレは芽依の手を握った。
ほんとは、そんなこと言われたら普通…理性ぶっ飛んで抱きしめちゃうかもだけどさ…
でも、オレは芽依のからだが大事なんだ。
こんなオレのいっときの感情で、芽依の病気が悪化したら、大変だ。
「…うん。ケジメってやつ?さとるは、いがいと真面目くんなんだね!まぁ、そういうの守り抜くのってある意味すごいと思うよ」
なんていい、芽依も納得してくれたみたいだ。
ケジメというか…
オレはとにかく芽依の病状が心配で…
「でもね、芽依がオレと同じ気持ちなんだってわかって嬉しいよ。そういうことはできないけど、キスしたり一緒に寝たりなら…ね?どうだろう?」
と提案したけどさー…
…やっぱりオレの理性がぶっ飛んだらどうしよう…って不安が半端ない。
芽依は、病気なんだから我慢しなきゃだけど…
正直…キスしたり一緒に寝たりしたら…
そんなことしたら、オレ暴走しちゃわないかな⁉︎
大丈夫かな⁉︎ってめっちゃ不安だった。
不安なオレとは正反対な芽依は、
「え?いいの⁉︎てか、同じ気持ちって…ほんと⁉︎」
と、さっきの表情とはまるで違いとっても嬉しそうな顔の芽依。
「うん、ほんとだよ。オレはずっと芽依が好きでした。」
真っ直ぐ芽依をみてきちんと伝えた。
「よかった〜。さとるは、ずっとわたしのこと心配してくれたり、かまってくれてるけど…これは幼馴染だし、家族愛てきなもんなの?ってずっと不安だったんだからね‼︎」
って、怒っていた。
プンプン顔の芽依も、またかわいい。
「ごめんね。芽依」
以前よりも、だいぶ痩せた芽依を優しく包み込んだ。
「ううん。わたしこそ、こんなことに巻き込んでごめん」
「巻き込むだなんて…そんなことないよ。これからも一緒に頑張ろう。」
「うん。」
それからオレたちは、ベッドが二つあるにも関わらず、一つのベッドで抱き合いながら眠ることにした。
「芽依、大好きだよ。」
チュ♡
オレは芽依のオデコにそっとキスをした。
そしたら、芽依も
「わたしも大好き♡」
っていい、オレのほっぺにチューをしてくれたのでありました。
そしてそのまま口にもキスいたしました。
布団でキスとかさ…
もう、このまま…
イヤイヤ‼︎我慢だ‼︎我慢するんだ‼︎オレ‼︎
芽依は、病気とたたかっているんだから‼︎
と、オレは一人違うものとたたかっていたのでありました。
頑張って理性を保ちつつ、芽依を抱きしめて、夜を過ごした。
まぁ、芽依はすぐにスヤスヤ眠ったんだよね。
さとるに守られている感じがして、落ち着くよって言ってさ。
でもさ、オレは…オレは‼︎
ほっとんど寝れませんでしたーー‼︎
好きな人目の前にして、ハグしてキスして…
寸止めくらって…
しかも…こんなにかわいい寝顔見せられて…
なんで芽依がこんな目にあわないといけないんだよって…正直泣いたよね…
かなり情緒不安定なオレ。
しかし‼︎
これからは、たくさんハグをしまくって芽依を優しさで包み込んで病気なんか吹っ飛ばしてやるんだ‼︎って決心するのでありました。
続く。