震える
からだがホクホクで癒されまくりのオレたちは、夕飯を食べに旅館のお食事処へと向かった。
テーブルには、たくさんの小鉢が並べており、食欲をそそるいろどりだ。
オレたちは、早速席についていただきますをして、箸を持った。
どれから食べようかと迷い、たくさんの小鉢を舐めまわすように見たけど、どれも美味しそうなのに、ヘルシーなものばかりだった。
あー、迷うわーって選り好みしているなか、芽依は早速野菜の煮物をパクリと食べ、
「う〜ん。美味なんですけど〜」
と、ほっぺたが落ちんばかりな表情を浮かべた。
おぉ〜、そんなに美味しいのならばとオレも豆腐のゴマだれをパクリといただいた。
‼︎
め、めっちゃゴマ風味〜‼︎と、それはそれは大感動したよね。
なめらかで、口の中であっという間にとろけてしまったので、今度はお隣のお魚をいただくことにした。
‼︎
もうさ、どれをつまんでもめっちゃおいしくてたまらないのでございました。
お米も玄米だったのだけれど、程よい粒のプチプチ感が最高だった。
どれも味は薄口なのに、なぜかとっても大満足するこ豪華飯でした。
しめにデザートもいただきました‼︎
自家製バニラアイスのきな粉かけには、たくさんのフルーツたちが取り囲んでいた。
「「ごちそうさまでしたー」」
ほぼ同時に食べ終わり、仲良くごちそうさまをして、食後の入浴へとそれぞれ向かった。
あー、ヘルシー料理なのに満足感ハンパねーとパンパンの腹をさすり、しっかり湯船へと浸かった。
さっきよりも長めの風呂だったが、やっぱり芽依のほうが遅かった。
部屋に戻る前に、オレは読書部屋へと立ち寄った。
本の無料貸し出しがされているのだ。
すげー‼︎
オレは感動した![#「!」は縦中横]
だってさ、本がどれもいい厚さなんだよね。
ちょうどいいように読み終わる厚さって、最高なんだが?
この部屋に入る前は、本を借りたものの読み終わらなくて、結局本屋に買いにいくパターンだと、覚悟しておいたのに…
なんて細やかなお心遣い。
ありがたく本を読ませていただくことといたしましたよ。
しばらくすると、さっきと同様
「いや〜、あのドライヤーほんと最高なんよね〜」
と、サラサラの髪をパサンとなびかせる芽依。
そして、
「この部屋いい匂いするね?」
と、鼻をくんくんしだした。
オレは入浴して、読書を堪能しながら部屋にいたんだけど、どうやら部屋に自動で、お香の香りが漂うシステムがあるようだ。
スイッチは、入り切り可能なんだって。
そしてまた、
「ほんと、この部屋いい香りする〜。どこから匂いでてるんだ?」
と
犬みたいに鼻をくんスカしていた芽依。
オレも芽依も、お香が嫌じゃなかったためそのままスイッチは、オンにしておくことにした。
匂いのでどころは、入り口だった。
部屋には、いろんなアイテムが揃っていた。
そして、おやすみイルミネーションというスイッチを見つけたので早速スイッチオンにした。
「「うわぁ〜」」
天井や壁一面に海模様が広がった。
「「おぉ〜」」
思わずまた声が被ったよね。
ベッドにそれぞれゴロンと転がって、しばらくその美しさに見惚れた。
「芽依、オレこのまま寝ちゃいそうだわ」
「えっ?」
芽依が慌ててオレをみた。
「ん?芽依まだ眠くない?」
…
「眠くないっていうか…さとる…寝れるんだ?」
「え、うん。芽依、どうかしたの?」
「だって…」
⁇
芽依は、どうしたのだろうか?
⁉︎
まさか⁉︎
オレはガバッと起き上がり芽依のベッドに急いで行った。
「芽依‼︎気分悪くなったんだね⁉︎二回も風呂入って…てか、オレのマッサージがからだに負担になった⁉︎ど、どうしよう…病院‼︎これから夜間の病院行こう‼︎」
急いで近くの病院を携帯で探した。
えっと…ここから一番近い病院…は…
「プッ」
⁉︎
芽依が口からなにか…
「えっ⁉︎芽依‼︎吐きそう?それとも呼吸が苦しい⁉︎」
…
芽依は、口を抑えて震えていた。
「ちょっ…もう救急車だ‼︎待ってろ‼︎大丈夫だからな‼︎」
オレがフロントに電話をかけようとすると芽依が、
「ちょっと‼︎ヤバい…ツボったんだけど…。過保護もすぎるでしょ‼︎」
と、芽依は笑っていた。
⁇
「え、芽依…?もしかして笑って…ただけだったり?」
「そうだよー。さとるってば、心配しすぎだよー」
と、笑い涙を拭った。
あぁ、笑ってただけだったのか。
マジで焦ったわーー‼︎
よかったー‼︎
と、めっちゃホッとしたのですが…芽依はなんで寝れないのですかね?
不眠症なのか⁇
それとも、せっかく泊まりに来たからオールで遊ぼうってことなのかな⁇
…
続く。