どこ⁉︎
芽依は、どこへ行ってしまったのか…
とにかく今日は、定時で帰ることにした。
定時の時間になる前に、オレはすでに帰る準備万端で、とにかく一分一秒でも早く帰りたかった。
芽依、芽依、芽依‼︎
めちゃくちゃ頭の中で、ひたすら芽依を呼んだ。
携帯も何度か確認しているのだが、やっぱりなんにも連絡がない。
…
おかしいな…
定時になると、一目散にお疲れ様でしたといい、とにかく走った。
オレは学生のころ、よくリレーの選手に選ばれていた。
正直…あまり嬉しくなかった。
早く走れてもね…なんか得ありますか?って思っていた。
なんなら、選ばれたっていうプレッシャーの方がね…
でもですよ‼︎
今なら思う。
早く走れてよかったって‼︎
だってオレは今、一分でも一秒でも早く帰りたいのだから。
でもです…
帰ったところで、まだ芽依が家に帰っていなかったら…
そしたら、どうすればいい⁇って不安は、ものすごくあった。
どうか家に帰っていてくださいと、願った。
帰り道も、走りながら電話してみた。
でも、やっぱり繋がらない。
芽依ー‼︎
アパートまでもう少し…
もう…少しで…
「あれ?さとる⁇」
‼︎
この声はっ‼︎
慌てて呼ばれた方を振り向くと…
「芽依‼︎」
オレは芽依を見つけるなり思いっきり芽依を抱きしめた。
「えっ、ちょっ…」
「芽依、大丈夫か?」
オレは芽依を抱きしめながら芽依に聞いた。
そしたら、
「いや、さとるの方が大丈夫⁈息切らしてるみたいだし…」
なんて心配されてしまった。
「オレは、大丈夫!なんだけど、芽依…携帯繋がらなかったみたいだけど、どうした?」
「えっとー…充電がないっていうかね…てか、電話くれたりした?ごめんなさい。何か急用だったりしたかな?」
と、申し訳無さそうに聞いてきた。
「急用っていうか…今朝、朝ごはんも食べなかったからさ…心配で」
なんていうオレに芽依は、
「嫌だなぁ。そんな心配しなくても大丈夫だよ〜。診断終わった時用にミニスナック持参してたからさ」
なんて笑いながら、ポケットから余ったミニお菓子をみせてくれた。
診断…?
あれ?
今日病院だったんだ⁇
この前も有給取って病院に行ったような…
もしかして、これからは頻繁に行かなきゃダメなのかもしれない。
そんなに重症なのだろうか…
芽依は、一人で病院に行って辛くないのだろうか…
あ、そういう時って家族とかも話聞くんじゃなかったかな?
てことは…
芽依のお母さんも知ってるのか?
「芽依ってさ、最近お母さんと連絡とったりしてる?」
「あー、最近とってないかも」
…
じゃあ、やっぱり芽依は一人で病気に向き合っているに違いない。
「あのさ、芽依」
「なぁに?」
…
「病院…今度一緒に行ってもいいかな?」
オレの質問に、芽依はキョトンとしていた。
なぜ?
みたいな表情も添えて。
…
やっぱりイヤかな…
そうだよね。
イヤだよね…
続く。




