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幸運の神様は振り向いてくれない

男子校であるはずなのに、通学路には女子高生が溢れている光景に非日常を感じる。星凪は急ぎ足で学校へ向かう。女子高生が多い通学路は、どうにも落ち着かない。


学校に到着すると、星凪は人だかりの後ろからクラス分け表を覗き込んだ。自分の名前を見つけ、同じクラスに雷と聖愛がいることに安堵し、他の名前には目を向けずに教室へと向かった。目立たないように静かに引き戸を開けて教室に入ると、教室の隅には男女の人だかりができていた。席に着くと、星凪はその会話に耳を傾ける。


「宮川さんには彼氏がいるの?」


(宮川?そんなことはないだろう。)

星凪の淡い期待は瞬時に裏切られた。


「星乃ちゃんって可愛いよね。」


「ありがとう!」


(どうして、)

言葉にならない感情が胸の内から湧き上がってくる。気がつくと、教室を飛び出し、トイレに駆け込んでいた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「振ってきた。」


星乃は悪びれる様子もなく、淡々と告げる。


「良かったじゃん。まあ、ちょうど良いタイミングだったからね。」


「あいつ、本気だったみたい。何も言わずに立ってたよ、笑。」


「本当にウケる。」


影からその会話を聞いている星凪。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


閉ざされていた記憶が星凪の中で再生される。脳内にこびりついた情景が蘇る。言葉にならない。言葉で表せるような単純な感情ではなかった。


暫くすると始業の予鈴が鳴った。星凪はそれを聞いて重い足取りで教室へ向かった。







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