プロローグ
眩しいほどの晴天の日、星凪は以外な人物から呼び出された。
「来てくれてありがとう。」
恥じらいを見せる少女は、陽キャで可愛らしいことで知られる星乃さんだった。彼女に呼び出されたことに、思わず思考が停止してしまった。
「僕、何かしたかな?」
疑念と少しの恐怖を抱きながら尋ねる。
「ううん、違うよ。」
ほっと胸を撫で下ろしたのも束の間、衝撃的な言葉が続いた。
「私、星凪くんのことが好きなの。付き合ってくれないかな。」
返事を待たずに、彼女はさらに言葉を続ける。
「私と星凪くんの名前には『星』という漢字が入っているよね。運命かもしれない。」
何も知らない純粋な心は疑念を抱かなかった。僕は「陰キャ」で、彼女は「陽キャ」だ。釣り合うはずがない。浮かれた心は正常な思考を妨げた。
「僕で良ければ、お願いします。」
僕はすぐに告白を受け入れた。後になって冷静に考える。
(陽キャで輝く星乃さんが、陰キャの僕に惹かれる理由は何だろう。)
そう考えながらも、自分を信じたかった。いや、自分を信じるしかなかったのかもしれない。
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嵐が訪れた日から、どれほどの時間が経ったのだろうか。鮮明には思い出せない。
「私達、別れよう。」
星乃さんは冷たい表情でそう告げた。
「なんで、」
僕は恐怖を感じた。その先の言葉を聞きたくなかった。
「え、気づいてなかったの。」