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菊池祭り

菊池とジャック。二人が乗った宇宙船。

作者: コロン


いつも有難う御座います。

よろしくお願いします。


初めての「宇宙」ジャンルになります。

よろしくお願いします。


 ピィイィィー!!   ピィイィィー!!



 船内にけたたましく鳴り響く警報音。


『酸素生成機器にトラブル発生。酸素生成機器にトラブル発生。船内の酸素は残り8時間です。速やかに脱出して下さい。酸素生成機器にトラブル発生。酸素生成機器にトラブル発生。船内の酸素は残り8時間です。速やかに脱出して下さい。』


 脱出を促す音声が、船内の酸素の残りをカウントし始めた。

 船内は、俺と菊池だけ。


「菊池!早くしろ!脱出ポッドに!?…菊池?」


 脱出ポッドへの乗り込みを急かし振り向くと、菊池が俺にスタンガンを向けていた。


「ジャック悪いな、この脱出ポッドは二人乗りだが…救助船がこっちに着くまでどれだけ時間がかかるかわからない。食料は長く持つ方がいいだろう?お前はここに残ってもらう」


「菊池…お前!何のつもりだ!それに…」

「どうして持ち込み不可のスタンガンがここにあるのか?って?俺たちはエンジニアだぜ?知識と工夫があればこんなのすぐに作れるさ」


 そう言って菊池はスタンガンを光らせながらこちらに向かって来た。

 咄嗟に側にあったモップでスタンガンを叩き落とす。

 スタンガンは跳ね返り菊池に当たって菊池はその場に倒れた。


「ゔゔ…この野郎…」菊池は動けないようだった。

 その隙に俺は脱出ポッドに乗り込む「待て!…ジャック…待ってくれ…」


 弱々しく叫ぶ菊池を無視して…脱出ポッドの扉を閉めた。





 脱出ポッドで宇宙を漂う日々。俺は不安と孤独に苛まれた。

「くそっ!なんでこんな事に!菊池さえ居なければ俺は…」こんな状況に追い込んだ菊池を強く恨んだ。

 いつまでこの孤独に耐えなきゃならないのか。すでに食料は多くない。生きて戻る事は出来るのか…考えれば考えるほど気が狂いそうだった。


 ピピピピ…「前方に流星群発見。一分後に衝突の可能性有り。直ちに進路変更してください。」


 何っ!まずい。

 小さな破片でもポッドに当たれば大変な事になる。

 急いで進路変更の座標を打ち込む。こんなところに流星群なんてあったのか?俺は何処を彷徨っているんだ!くそ!!


 ドオン!ガリガリガリ…

 大きな音と同時に船体が大きく揺れた。

 その拍子に…俺は壁に頭を打ち付けた。


 遠のく意識…



「頼む…全て夢であってくれ…」



 俺は、次に目覚めた時、これらの全てが夢である事を祈り…意識を手放した。




 。。。



「菊池…ジャックの状態はどう?」

「…まだ眠ったままだ…」

「そう自分を追い詰めないで。こうして二人助かったんだから…」


 エリーが俺の肩を軽く撫でる。

「エリー…ありがとう」


 あの日…




 。。。


 ピィイィィー!!   ピィイィィー!!



 船内にけたたましく鳴り響く警報音。


『酸素生成機器にトラブル発生。酸素生成機器にトラブル発生。船内の酸素は残り8時間です。速やかに脱出して下さい。酸素生成機器にトラブル発生。酸素生成機器にトラブル発生。船内の酸素は残り8時間です。速やかに脱出して下さい。』


 脱出を促す音声が、船内の酸素の残りをカウントし始めた。

 船内は、俺とジャックだけ。


「ジャック!早くしろ!脱出ポッドに!?…ジャック?」


 脱出ポッドへの乗り込みを急かし振り向くと、ジャックが俺にスタンガンを向けていた。


「菊池、悪いな、この脱出ポッドは二人乗りだが…救助船がこっちに着くまでどれだけ時間がかかるかわからない。食料は長く持つ方がいいだろう?お前はここに残ってもらう」


「ジャック!お前!何のつもりだ!それに…」

「どうして持ち込み不可のスタンガンがここにあるのか?って?俺たちはエンジニアだぜ?知識と工夫があればこんなのすぐに作れるさ」


 ジャックは迷う事なく私にスタンガンを当てた。

「グッ…」

 私はその場に倒れた。

「ジャック……」


 ジャックは脱出ポッドに乗り込み、私を置いて一人脱出してしまった。


 スタンガンのダメージは10分ほどですっかり回復した。

 船内にはまだ緊急アナウンスが流れている。

 酸素の残り8時間。

 どうすれば…


「俺たちはエンジニアだぜ」


 ジャックが最後に言っていた言葉を思い出す。

 そうだ。私はエンジニアだ。何もしないで死を待つより、エンジニアらしく出来る限りの事をやってみよう!


 アラームのせいで途絶えていた宇宙ステーションとの交信を始める。


「菊池!大丈夫?!ジャックは何てことを!」


 音声は途絶えていたが、あちこちに設置されているカメラで事の成り行きはステーションのみんなも知っている。


「それよりこれから酸素生成機器類の修理を行うから、サポートしてくれ!」


「菊池…。ええ!わかったわ!みんな全力でサポートする!必ず戻って来られるわ!」



 …



 …船内の酸素は残り……です…



「これで…全ての電源を落として…もう一度立ち上げてみる…。その間は通信も出来なくなるだろう。みんな、サポートしてくれてありがとう。…もし…このまま…」



「菊池!大丈夫。信じましょう!」

「ああ、ありがとう!そっちに戻ったらリーダーが隠している高級ワインで乾杯しよう!」


「good luck!」



 …



 …



「船内異常なし。船内通常モードに切り替えます」


 ステーションと船内に同時にアナウンスが流れた。


「やったぞ!」

「菊池!good job!」

「おめでとう!」

「ありがとう!みんな!」



 ステーションに戻る前、私はジャックの脱出ポッドを回収する事にした。

 ジャックはずっとステーションとの通信をOFFにしていたそうだ。


 ポッドから発信される位置情報を頼りにジャックを探す。

 すると、ボロボロになったポッドが真っ暗な空間に漂っているのを見つけた。


 アームを伸ばしてポッドを回収する。


「ジャック…」



 。。。



 ステーションに戻った私とジャック。

 あれから半年経つが、ジャックは昏睡状態から目覚めない。




 どうであれ…ジャックの一言が私を救ってくれた。





「ジャック…君は今どんな夢を見ているんだい?」









リーダーが隠している高級ワインのとこ!一瞬フラグが立ったよね!笑





拙い文章、最後までお読みくださりありがとうございました。

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[良い点] トラブルを起こした宇宙船に留まった菊池と、脱出ポッドに乗ったジャック。 同じ宇宙飛行士のエンジニアですが、その後の運命は大きく分かれましたね。 同じ課題を与えられた時にどのように対応するか…
[気になる点] 脱出ポッドの酸素の量はどれほどだったのか気になりました。 脱出ポッドの酸素が有限なら食料より酸素量の方が気になると思うので。
[良い点] どこまでが現実で、どこからが夢なのか。 そして菊池とジャック、どちらの見ている夢、または記憶なのか。 主役の入れ替わり。 ショートショートで見られるような不思議なストリー仕立ての話でした。…
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