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『吸血狐っ娘』の嫁と世界を巡る冒険譚  作者: 四葉のアミア
一章
38/42

37話

 


「で、まぁ…ワシの種族に関して知っておるのはギルマスの馬鹿と各国の王のみだ。それと、一部例外もあるがな」


「えぇ!?そんな事を僕にですか」


「あぁ」


 とんでもない事を知っちゃったよ…なんで、こんな平凡な僕がぁぁ…


「なんでこんなことを教えたか分かるか?」


「いえ」


「お主の…嫁にもされておるはずだが?」


「血ですか?」


 僕がそう答えると大賢者様が嬉しそうな顔をした。当たってほしくなかったなぁ…


「血が欲しいんですか?」


「あぁ、魔物の血は不味い。人間もワシが認めた相手しか飲まん」


「なら、何故僕が?」


「お主は嫁が獣人と吸血族のハーフじゃろ?ならば、吸血に慣れておると思ってな」


 たしかに慣れてる。


「それにな、ワシは先日スタンピードのボス魔物を一人で全部倒して、死んだ魔物の処理も全部やったんだぞ?血も摂取してないからある意味死にかけだな」


「え」


「だから、血を寄越せ」


 笑顔でそう言ってくる。


「いや…でも…ミルアに申し訳ないっていうか」


「あいつも認めてくれるだろ。他の吸血族が伴侶の血を吸うのを」


「そうですか?」


「そうだろ」


「うーん、うーん………いや、大賢者様にはここでお世話になった覚えもありますので、あげます」


「おぉ!それはなにより」


 あれ?そういえば、求婚?あれ、違うか。あれは自分から血を飲む?って差し出すのが求婚か。

 自分から血を飲みに行くのは違うやつか。良かった。


 安堵していると大賢者様がいつの間にか目の前に居た。その深い青の目が僕の目と合う。


「えーと…?腕からですか?」


「アホか、首に決まっておるだろ。そこが楽で血も吸いやすいからな」


「腕はダメなんですか?」


「吸える血が少ない」


 そういうのあるのか…初めて知ったぞ。


「…分かりました。ミルアも首なんですが、右側の方なんですよ。なので出来るのなら左側をお願いします」


「分かった」


 僕の膝上に膝立ちになって左側の首、頸動脈辺りに大賢者様の顔がやって来た。

 薄紫の髪が視界に入る。それと同時に微かに良い匂いもする…前までなら慣れなくてドキドキしてただろうが、今はミルアのお陰で慣れた。似たもの同士だからね、身長と体型が。


「〜♪」


 嬉しそうだな、大賢者様。…やっぱ、吸血族って血を吸う時が一番嬉しそうにしている気がする。ミルアだけかな?って思っていたけど大賢者様を見て確信した。


「では、いただこう♪」


 カプリと、噛まれた。

 痛みは一切なくコクコクコクと音が聞こえるだけだ。麻酔効果や媚薬効果とかも一切ない。



 血を飲まれてるな〜しかも、大賢者様に。


 そんな事を考えながら僕の右手はほぼ無意識のうちに大賢者様の頭を撫でていた。


「…む?」


 大賢者様が睨んできた。僕はすぐに撫でてる手を離して謝る。


「すみません、大賢者様。ミルアの時にやってる癖で…」


「……そうか。まぁ、別にいい」


「…ふぅ」


「おい、その安堵のため息はなんだ」


「あ、なんでもないです」


 今、大賢者様に何かされても抵抗できない気がするぞ。…いや、仮に万全の状態でも無理だろうけど。


「「………」」


 沈黙が訪れる…大賢者様のコクコクコクという音のみが聞こえる。



 …とても気まずい。



 1分が長く感じる…早く終わらないかなー?と思いながらじっと我慢する。


「…っはぁ!うむ、美味い」


「あー、やっと終わった」


「どう言う意味だ。…いや、なんでもない」


「なんか、すみません」


「謝るな。さて、ご馳走になった…また頼む」


「え」


「文句か?」


「なんでもありません」


「よろしい」


 圧。逆らえない…


「さて、ワシはまた仕事を行ってくるとしよう。あと、お主と…嫁には資格を与えておいた」


「資格ですか?」


「この家で扉を開ける時に望む場所に行きたかったら行く事ができる資格だ。例えば、この部屋の扉を開ける時に外へ出たいと思えば、そこは外に繋がる扉へとなる」


「便利ですね」


「慣れたら便利だな。ほれ、体を動かすのだろ?」


「はい、なら…体を動かして来ます」


「無理はせんようにな、無理してまたワシの家で世話になるのはワシが嫌だ、めんどくさい」


「本当、ありがとうございます…」


「ほれ、行った行った」



 席を立ち扉に向かい、心の中で外へ、と念じながら扉を開ける。若干、早足気味だったのはバレてないはず…



「…ほんとに外じゃん」


 そこには広い庭があった。空から降り注ぐ太陽の日差しがとても暖かい…


「さて、と…やるか!」


 まずは軽い走りから行こう。いきなり剣を振るうなんてやらない。


 軽い準備運動をして走り出す。


「おぉっ!?」


 軽く走ったつもりだったのにかなりのスピードが出てビックリした。今の速さって、力を入れて走った時と同じくらいだったよな?


「…進化の影響か」


 それも2回だ、絶対そのせい。


「これはー、慣れるのに時間かかるぞ?」


 全ての動作に必要な力加減が変わっていると思った方がいい。難しいな……だけど…


「めっちゃ、楽しそうだ」


 体を動かすのは嫌いじゃない、むしろ好きだ。それに、今の力に慣れたら強くなれるんだ。とても面白いじゃないか。


「試しに」


 剣を鞘をつけたまま軽く振るう。だけど、その速さは進化する前で言うなら力を入れて真剣に振るった時並みの速さだ。【瞬】より少し劣るかもしれないけど、それくらいだ。


「はははっ!」


 笑いが込み上げてくる。自分の体をまったく制御出来てないことに対する笑いだ。



「やるぞ!」


 気合を入れ直し、剣を腰に差して僕は今までやってきた初歩的な動きから応用、独自の動き、細かい動作などなど…その日は時間の許す限り一人で真剣に、時に試行錯誤しながら、時に笑いながら続けた。





◇◇◇



「…あいつ、やけに急いでいたな。ワシ…なにかしたか?…謎だな。それにしても、美味かったな……また適当な理由を付けて吸血するか。くくく」



最早最近、PVとかどうでもよくなってきた。ストックの最新話は全然進んでないけど、書き続ける

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