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『吸血狐っ娘』の嫁と世界を巡る冒険譚  作者: 四葉のアミア
一章
23/42

23話

 


「そういえば、レオってその人が扱える魔法位の定義って知ってる?」


 墓夜の森で依頼を達成し、王都アルフィリアへの帰り道、ミルアがそう聞いてきた。


「ん?えーと、確か…その位の魔法を使えたら、とかそんな感じじゃなかった?」


「うーん、合ってるけど厳密には違う。その人の魔力の量で扱える魔法位が決まる。でも、適性がなければ意味がない。他にも適性があってもコントロール出来なければ意味がない。例えば、聖級魔法並みの魔力を持っていたら聖級魔法を使えるというわけではない」


「難しいね。ようは、魔力も適性もどちらも必要ってこと?」


「そう。適性はあくまで何も努力をしてない事を言うからね?その魔法ばかり使い続けてれば扱える魔法も多くなる。上級魔法を使い続けてた人は超級魔法を扱えるようになる」


「続ければね〜、大変そうだ」


「うん」


「ミルアは水魔法、練習して聖級までいけたの?」


「元から、これは適正」


 …それってかなり凄くないか?


「ふふん」


 僕の思ってた事を感じ取ったのか少し自慢気だ。


「凄いね、ミルアは」


 子供に褒めるように優しく言いながら頭を撫でる。


「…嬉しいけどなんか嬉しくない」


 そんな矛盾を言われても…どうしろと?


「……あっ!レオから血貰ってない!」


「………気づいたか」


「レオ…?多めに貰うからね?それと、多めに媚薬効果のあれ注入する」


「それって調節できるものなの!?初めて知ったんだけど」


「昨日知った」


「だから昨日いつもより頭がふわふわしたのか!?」


 昨日、ミルアに吸血されていたらミルアがいつもより可愛く見え心臓がドキドキしたのもそれのせいか。…これってやばいな。いつか本当に吸血後にミルアを襲ってしまうことになりそうだ。


「血ー!」


「わー!分かったから、分かったからここではやめてくれ!向こうで、向こうでな?な?」


「早くー」


 これでもかというほど催促してくるミルアを落ち着かせながら、たまたま近くにあった岩場に連れて行った。


 岩の一つに腰を下ろすと同時にドスッと――少し痛かった――乗っかってきてた。

 んー、ミルアさん?その荒い息遣いなんとかなりませんかね?


「…そんなに僕の血が?」


「うん、蕩けるような味わい。ドロってしてなくてサラサラ。健康的な血、他にも微かに混ざってる魔力が美味しい。舌触りも心地よく幾らでも飲めそう」


 早口!?


「そ、その辺で終わろうか。僕がどういう気持ちで聞いてれば良いのか分からなくなってきた」


「むぅ」


「ほーら、お飲み」


「わーい」


 僕の首に手を回して首元にカプッと噛みつき、コクコクとミルアが僕の血を飲む。


「…あれ、頭が」


「……言ったように媚薬効果増やした」


「へ〜」


 …思考が纏まらないな。


「…増やしすぎたかな?」


 ミルアが何かを言っているようだけど僕の意識はミルアの姿に集中していた。


「どうしよ……麻酔効果増やして無理矢理寝さすか…でも、それをしたら危ないし……あっ、回復魔法を使えばいいか。ならもっと飲も」


 ミルアのゆっくりと振られている尻尾にも目が行ってしまう。

 僕は特に何も考えず、ミルアの小さな背中へと手を回した。


「わっ…レ、レオ?」


「ん?どうしたの」


「それはこっちのセリフ…まさか、やばい?」


「やばいって…?僕は大丈夫だよ、少しミルアが愛おしく思ってるだけで」


「あ、まずいっ…」


 ミルアが僕の額に手を当てた。すると、何やら光が溢れ、ぼやけてた思考が綺麗に晴れた感じがした。


「…あれ?僕は……ミルア、何かした?」


「うん。少し予想外な結果だったから残念ながらキュアした」


「予想外な結果?」


「…うん、意外と効果が強いという事が分かった」


「…?」


「気にしなくていい」


「これは二人きりの時で部屋でやらないと」


「何なのかあんまり覚えてないけど嫌な予感がするなぁ」


「き、気のせい」


「…信用してるよ?」


「う…ん」


「それより、もう良かったの?」


 首元をさすると傷穴がなかった。いつの間にか治療していたようだ。


「うん」


「話は変わるけど…ミルアって吸血族特有の能力って使わないの?」


「使わない、ここぞという時、もしくは魔力が無くなった時だけ使う」


「なるほどね…まっ、僕としてあの能力を使うたびに毎ミルアが傷付かないといけないのは心が痛む」


「本当はあんなに傷付けなくてもいい。ほんの少し傷を付けたらいい」


「そうなの?」


「うん、あれは相手を驚かせる為の過剰演出」


 恐らくミルアの言う過剰演出は人間相手…知性がある相手のみに通用するものだろう。いきなり自分を傷つけて血を流すのだ。少なからず動揺はして隙が生まれる、それをミルアは狙ってるのだろう。


「じゃあ、次からは出来るだけ傷を少なめに…」


「うん、心配させてごめん」


 ミルアが申し訳なさそうにする。僕は優しくミルアの頭を撫でて「謝らなくていいよ」と言う。


「レオ……っ!?………レオぉぉ」


「…ごめん。我慢できなかった」


 ついミルアの狐耳に触れて弄ってしまった。擬音…では僕の知識的に表現できないがとてもフサフサで柔らかいので癖なのだ。


「…でも、弄られるのは気持ちいい。マッサージ、みたいな感覚だからもっとやって」


「え、いいの?この前セクハラって言われたけど」


「言って欲しい?」


 そんな趣味はないので大丈夫です。


「ふふ、冗談。はい、いっぱい触っていいよ」


 ミルアが僕の膝の上に座ってきて頭を預けてきた。


「言い方…でも、遠慮なく」


 右手でミルアの狐耳を好きなように弄る。


「や……ぁっ、んん……」


 ミルアの口から小さな喘ぎ声が聞こえてくる。そして、触れるたびにビクビクッと体が震える。


 少し官能的な気分を誘いそうだが…流石にね。こんな外、しかも真っ昼間で盛る僕ではない。



「…にゃ、ぁぁぁ……それ、以上は…っ」


 猫…狐なのに猫。厳密には吸血族で狐だけど。


「…だめ…レオぉ……ほ、ほんとうに…」


 本当にやばそうなので手を離す。すると、ふにゃふにゃと崩れ落ちた。


「…お、おかしくなっちゃう」


「大丈夫…じゃなさそうだな」


「…ぐるるる、レオは意地悪。罰を受けるべき」


「ば、罰?」


「デコピン。……10」


「10!?…ま、まぁ…それならいいよ?」


 多分、ミルアの力ならそんなに痛くないでしょ。


「…じゃあ行くよ?せーのっ!!」


「っ!!!!!」



 その後の事は思い出したくない。


 ただ一つ言うとするのなら…物凄く痛かった事だ。



 …ミルア許すまじ。







次は9月11日です

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