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プロローグ
ある晴れた日のこと。
紅く、美しい花が咲き乱れる花畑で喚き散らしている男がいた。
じゃらじゃらと黄金の装飾品を大量に身に着けたその男は両腕を切り落とされ、抜き身の長剣を携えた青年の足元に跪かされている。
「あんたは俺を……いや、理想を実現させるために集まった同志たち全員を裏切った」
「許してくれアダン!!金が必要だった!!この国を動かすために!!」
「おのれの私腹を肥やしたかっただけだろう?それにこんな醜い花で罪の無い人間まで穢した。多くの人間があんたのお陰で死んだ」
自然と剣を握る手に力がこもる。
「じゃあな、総統。地獄で俺を待っててくれ」
「やめろ!!」
振り上げられた剣が跪く男の首を一閃。
噴き出した鮮血が辺りの花に飛び散った。
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