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詩集 駒鳥  作者: 蘭木堂
7/7

あたう限りの優しさを君に

 16. 誰か来て



 誰か来て 私の側に誰か来て

 そのまま小さな声で呟いて

 消えそうになる私に

 小さな声で 大きく揺がして下さい


 惨めな気持ちで

 何もかも失った私を

 愛しい言葉で あの懐かしい声で

 どうか 凍てつく心を溶かして下さい


 いっそのこと 破いてしまいたい

 こんなの無かったことにして

 痛みも 悲しみも

 全部放り出してしまいたい


 誰か私のもとへ会いに来て

 私の手を取って 歩かせてくれませんか




 17. とある夏



 夢の中では 本当にありがとう

 貴方のくれた幸いは

 こんなに沢山 私になっていたのだね


 ……あれはきっと衝撃だ

   美しいアノニマスと

   生めく日射しに怯え

   透明へと変容してゆく……


 郷愁の青に 風立ちて

 (解ける君の結び紐)

 刻まれた時に 雨が降り

 若さに匂う 僕らの過ち

 

 


 18. 追憶



 冷たい彼女の指先に絡ませ、

 なべて君が愛おしいものだった。


 蒸し暑い部屋のなか、

 シーツを一緒に被ったままで。

 いとけない姿を見せ乍ら、

 熱の篭った瞳で見詰めてくるのか。


 (あゝお前以上にあえかなものは、

  もう金輪際目にしない。耳にもしない)


 やおら首元に顔を沈め、

 全てを任せる君の身体は。

 こんなにも弱々しいものであったか。

 ……こんなにも美しくあったのか。


 凛としていた君の姿は、

 一体どこへ消えたのやら。


 よもすがら私を求めて、

 ほのめく鎖骨に指をはわせて。

 

 やめてくれ

 もはやお前とは、

 あの冷たいなかで一つになったのに……

ポイントとか、ブックマークとか……欲しいなぁ。

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