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第3回 みんなで16性格診断をやってみよう

「っていうことでさ、結構面白いんだよ、16性格診断」


 留音はみんなで食事を取りながら、今日の話題に自分が先程遊んでいた心理テストのような性格診断テストの話題を持ち出した。衣玖がお茶をすすってから言う。


「あぁ、なかなか信憑性があるだとかって言う性格診断よね。わたしは興味ないけど」


 そこに西香が「どんな感じのものなんですの?」と質問をすると、留音は自分のスマホを西香に手渡した。どうやら画面には診断画面が表示されているようで、西香はゆっくりとスクロールさせている。


「質問に7段階で答えていくだけだよ。簡単だからちょっとみんなでやってみようぜ。まずは西香からだな」


「えぇー。結果はわかってますわよ?最高のカリスマと人望を持った人類のリーダー、的なことが出るだけですわ。でもまぁ始めてみましょう。裏打ちが欲しいですからね」


 そう言って西香は黙々とスマホに向かう。


「留音さんはどんな結果だったんですかぁ?」


 真凛は興味津々で西香のスマホを覗き込み、1つ目の質問内容を見たあとで項目選択に入る西香が少し動いたので、気を遣って視線を外しながら留音に聞く。だが留音は「あたしのはあとで言うよ、みんなの結果出たらさっ」と日和っていた。真凛はワクワクしながらチラチラと西香の回答を見ている。


「出ましたわ。わたくしは……ほらやっぱり!起業家、ESTP-Aで、人類の4%程度存在するグループリーダー的存在だそうですわ!おほほ、思ったとおりですわ~!」


 それを聞いた留音と衣玖、真凛はあからさまに「え~っ……」という顔をしている。


「ねぇルー、これ本当に当たるの?」衣玖は訝しんでいる。


「当たると思うんだけど……」


 まさか西香がグループリーダーにはなるまいと、留音は少し自信をなくした。だが真凛はこう指摘する。


「でもさっき衣玖さん、ちょっと違う項目を選んでるのが見えましたよ?他人の感情に共感することが難しいと感じるか、という質問に、全くそう思わないって」


 真凛の言葉に、西香はあっけらかんと「そりゃそうですわ」から続ける。


「だってわたくしが考えてることは相手も同じように思うはずでしょう?というか見ないでくださいな!ちょっと恥ずかしいですわ」


「あとあと、メールの返事に関しての質問も変なのでした!返事は返さないーみたいなのとか!」


「それは仕方ないじゃありませんの!メールなんて生涯でほとんど届いたこと無いんですから!何故か友達候補になった方は2通目からデーモンさんという方に繋がってしまうんですの!」


 「なるほど、本当に自分がわかってないやつはこうやって増長していくんだな」と留音と衣玖は静かに納得する。ちなみにデーモンさんというのはメールアドレスが変更された際など、相手がメールを受け取らない設定をした場合に返事を返してくれる人のことである。


「じゃあもういいよ起業家で。隠された17番目の性格に"バカ"とかがあればよかったのに。次は衣玖やってみろよ。正直にだぞ」


「仕方ないわね……まぁ、自己分析は出来てると思うけど……」


 そうしてスマホを受け取った衣玖もその診断をポチポチと答え始めた。


「終わったわよ。論理学者だって。INTP-A……ってちょっと、私も人口の3%とか出てるんだけど」


 衣玖はスマホをひょいと机に置き、みんなでその画面を眺めた。それを留音が読み上げる。


「なになに?平凡であることが何よりも惨めだと思っていて……持ち前の発明力や想像力、力強い知性を誇りにしている……ははぁー、まぁわかるな」


 続いて衣玖も覗き込んだ一文を読み上げた。


「ほら見てよ。頭の中では目覚めた瞬間からアイデアが飛び交ってるって。まさに私よね。天才なんだから。IQ3万億兆もあるとタスクが余っちゃって仕方ないしね」


「あら見てくださいな、たしかに当たってますわ。見知らぬ人々に囲まれるととてつもなく臆病になる、とか、自分の理論が批判されるとたちまち闘争的な態度になる、ですって。衣玖さんですわね」


「ホントですぅ~、興奮すると会話の内容がほとんど支離滅裂になるってありますよぉー!衣玖さん当たってるー!」


「はっ?私がいつ臆病で闘争的で支離滅裂になったってのよ?なにそれそんなの全然思ったこと無いんだけど。やっぱりたった16種類の診断だわ。私の天才性はこんな人類の3%なんて膨大な数に当てはめないでほしいわね。IQ1000超えですら一体何人いるってのよ。私用に唯一性の17番目の性格"真の天才"を用意するべきだわ」


「なってるなってる、闘争的で支離滅裂。まんまじゃねーか」


 ふん、とそっぽを向いた衣玖をよそに、今度は真凛が嬉々としてスマホを取り上げた。


「わぁー!じゃあ次はわたしがやってもいいですかぁっ?」


「おうやってみ。正直一番興味あるかもな、真凛の結果は」


 というわけで、今度は真凛がスマホとにらめっこを始めた。


「真凛さん、答え方がなっちゃいませんわよ。同意する、同意しない、にそれぞれ三項目ずつありますのに、ほとんど全部の質問に二つ目の中くらいの○しか使ってないじゃありませんの。曖昧な答えばっかりですわね」


「うー!だって~!はっきり言えないんですもん~!っていうか見ないでくださいよぉ~!」


「さっきのお返しですわ。でもわたくしはほとんど1つ目の大きな○しか使いませんでしたわよ」


 真凛はぐぬぬとみんなに背中を向けて、しっかりとパーソナルスペースを作って答え始める。


「うーんうーん……難しいですねぇ……あっ、出ました……領事官タイプ……ESFJ-Aですってっ」


 真凛はやっと回答を終わらせ、スマホを置く。再び全員が覗き込んでそれぞれが読み上げる形になる。留音は少しみんなとは違う反応見せたが、それを隠すかのようにスマホを覗き見ている。


「へぇー、人口の12%……私や西香に比べると一般的みたいね」


「みんなが笑顔でいられるように気を配っている、だってよ。そうかもなぁ、怒ると怖いけど」


「あっ、見てくださいよ皆さん!わたしって他人優先の気質で人助けに責任感が強いみたいです!」


「ほんとだ。こうした気質は特に家庭内で現れ、献身的な配偶者や親になります、だって」


「はぇー。掃除も料理も任せちゃってるけど、楽しいって言ってるもんなぁ。すげぇ当たってるじゃん」


「えへへへ……」


 かなり褒めている診断内容をつまんなそうに見ていた西香が一部分を見つけて反論を始める。


「でも見てくださいな。争い事を非常に嫌い、社会秩序を確立するために多大なエネルギーを注ぐってところ。真凛さんが一番エネルギーを注ぐのって、ブチギレた時に地球を破壊する時じゃありません?争いごとは確かに一方的に終わらせるので実質起こしていないことになるのかもしれませんが……これ間違ってますわよ。上っ面だけいい顔してみんなの便利屋になってくれますが、勝手に癇癪起こして地球すら破壊するんですから。17番目の性格に"情緒不安定な爆弾持ち"が必要ですわ」


「西香さん、今は少し嬉しい気持ちだったので怒らないであげますね」


 衣玖が真凛の声音の変化を察知して、口早に次を促した。


「ルー、次はっ?ルーの番?それともこの子にやってもらう?」


 この子ことあの子はいつもどおりみんなのことをニコニコ見守りながら、最初から会話に参加している。


「いやいや、この子は多分、17番目の性格で"女神"とか実装されないと表現しきれないと思うからさ。あたしの結果を出すよ」


 その言葉にみんなが納得する。あの子はそんなことないよと言わんばかりに首を振ったのだが、みんなは「この子は女神以外ありえない」と言ってはばからなかった。


「あたしのはこれ。実は真凛と同じのが出た。真凛と違うのはESFJの"T"ってとこだけかな」


「へぇ~!でもわかりますよぉー!留音さんもみんなの面倒見るお姉さんって感じですもんね~!」


 真凛はぴょこんと飛び跳ねるように言うと、留音とハイタッチを決める。


「読んでみると、Aタイプはお気楽肌、Tタイプは思慮深いってイメージみたいね。……ルー、回答盛ったんじゃないの?思慮深くはないでしょ」


「いやいやいや、あたし結構色々考えてるよ?みんなに脳筋だのおとこ女だの言われて少しだけ傷つくくらいには」


 留音がそう言うと、つまらなさそうにスマホを見ていた西香がこんな締め方をする。


「まっ、ありふれた没個性的な性格って意味では当たってますわね。たまに突然メンタルブレイクしてめんどくさいですし。それにしても……人口の10%超えって。ぷぷぷー」


「そうよね。ぷぷぷー。やーい一般人~!17番目の性格いらないタイプ~!」


 衣玖もそう悪乗りしている。留音はたしかに自分には17番目の性格が思いつかないなと少しだけ傷ついた。


「言っとくけどお前らが突き抜けて変人なだけだからな?あたしは良識を持った常識人なのっ」


 そんなこんなで、この集まりは次第に解散となっていった。


 みんながわいわいと満足した裏で、あの子は一人になってからスマホでブラウザを起動する。検索ワードは16性格診断。そこでポチポチと質問に答えていき、出た性格タイプは「擁護者(ISFJ-T)」であった。性質として心から他人を優先し、他人に愛を与えることでより多くの愛を得るというタイプである。これをもう少し女神的に特化させた部分に、真のこの子の性格が出てくるのだろう。


 ……という、日常会話回、終わり。


こういうのって、その時の気分や状況で少し変わったりすることもあるそうです。

この子達の性格も時と場合で大きく変動する可能性は多分にあるでしょうw


ちなみに筆者はINFP-T型でした。昔やったときはINFJだったので、少しだけ変化したようですね。

と言っても大きくは変わらず、想像力豊かな作家肌ということには変わりないようです(自己暗示)


読んでくださった方はどういうタイプでしょうか。きっとこういうサイトを利用しているという時点でI、N、F、Pのどこが2箇所くらいは同じ結果になって、内向的なT型の方が多いような気がします。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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