町2
おひさ
「ここだ」
そう言って案内された場所は平均的なベッドが二つあり荷物をいくらか入れられそうなタンスがあるくらいの部屋であった。
「ありがとうございます」
そうエレユオがお礼を述べる。
「また何かあったら先程の事務所に来れば居るから来ると良い」
そう告げて彼は出ていった。
久方ぶりに一息つける場所にこれたことで、つい深いため息が出てしまった。
「確かに今までは野宿でしたからね。少しの間ゆっくり休んで下さい」
「そうさせてもらうね」
そう言いながらベッドに横になった所でエレユオがドアに向かったので
「どうしたの?」
私はエレユオに聞いた
「少し周辺を見てきます」
そう一言応えて彼女は出ていった
私はその後ろ姿を見送って天井を眺めながらぼーっとしていた所で一つのことに気が付いた。
「そういえば一人っきりになるのは初めてだなー」
この世界...私が誕生してから彼女はずっと私のそばにいた。
私に色々な事を教えてくれて時には助けてくれた彼女
「エレユオの事何も知らないんだな」
気になる事は沢山あるがもう少し彼女と交流と言うか絆を深めても良いだろう。
私は立ち上がり窓から外を眺める。
青空から日が差し道を人々が行き交う、その顔には笑顔がうかがえ活発に生活している。
これが私の生み出した世界...
実感なんて無い、ただそこには確かに私が創造したという事実がある。
あの人々も私が生み出したということか...
またねー