名前と名前?2
バカでかい門ー美少年がそう表した門は本来はオートロック式の門らしい。何でも彼が抜け出すためにわざと電源を落としたのだとか。運が良かったなと笑みを含んだ声にバツの悪さを感じる。
「…で、お前は誰なんだよ?」
あれから家の中を案内され、青年は美少年の自室にいるらしい。というのも、何の部屋なのか聞かされていないからだ。ここに至るまで美少年は名前を明かしていない。
「助けたのこっちなんだから、名乗るのはそっちが先じゃないの?」
ぐ、と青年は息を詰めた。正論だ。
美少年は飄々と返す。
「…ま、いーよ。ひろきってのが君の名前なんだろうし。オレだけ知ってるのはフェアじゃないもんね」
2人は、床に敷いたラグマットの上に座布団を置きローテーブルに向かい合わせに座って話をしている。
美少年はおもむろに自分の髪を掴んだ。
「お、おい…!」
バサッ
「私は紺堂灯。訳あって男のフリをしてる。その時の名前は光」
目の前にいたのは、長い黒髪を持つ美少女だった。
やっと名乗った‼︎
青年と美少年打ち間違えそうなんですよ…やっと片方名乗ったよぅ。だが、まだ青年が名乗ってないのである。フルネームが分かるのはいつになるやら。気長にお待ちくださいませ。
次回も乞うご期待‼︎