アリさんの国
アヒルボートは嵐すら消し去る。
ぽん「あ」
やがて見えて来た大きな穴、あれはアリさんの国です。
ぽん「突入」
ぎゃあ!うおあ!ほげえ!
ぽん「到着」
九割崩落。
アリ「アリ!」
ぽん「がおっしゅ!」がおー
アリ「ここはアリさんの国です。ようこそ」
ぽん「ぷちきしょいかも」
アリ「こちらへどうぞ」
ぽんちゃんがアリさんの後についていくと、そこには大きな会社がありました。
アリ「僕達は引っ越し屋をしているのさ」
ぽん「どこに引っ越すの?」
アリ「他人の家」
ぽん「へー」
アリ「見学するかい?」
ぽん「ぷちなら」
アリさんの国を出て、様々な昆虫の国へ。
ぽんちゃんを先頭に列をなして、キリギリスさんのお家に到着。
キリギリス「何だ君達は!」
アリ「アリさんマークの引っ越し屋、略して蟻魔運送でえす!」
キリギリス「ああ……!」ぷるぷる
アリグモ「新人さん、引っ越し開始です!」
ぽん「おー!」
キリギリスさんを運び、荷物を運び、引っ越しは楽しく進みます。
ぽん「キリギリスさんはどうするの?」
アリ「安心して。その辺にポイするだけだから」
ぽん「あらまあ」
次にオケラさんのお家。
オケラ「アリさん!」びくっ
アリ「どもっす!」
ぽん「どもっす!」やあ
アリカツギツノゼミ「運び運ばれアリ人生♪」よいしょ
ぽん「アリとあらゆる困難もー♪」あそれ
アリ「さらっと乗り越えアリーのままーに♪」それそれ
二人「生きーてえゆくーのおさー♪」どっこいしょ
ダンゴ虫さんの家。
ダンゴ「断固として動かん!」くるり
ぽん「ありまあ」
アリ「こういう時は転がすんだよ」ひそ
ぽん「そっか!」なるぽん!
ダンゴ「!?」
ぽん「ころころりーん!」ころころ
ダンゴ「やめてえ!」
蝶々さんの家。
蝶「え」
アリ「花がたくさんあって、蜜もたくさんあるだろう」
ぽん「うん!美味しい!」ぺろり
幼ホソヘリカメムシ「それ運びだせー!」
ぽん「はーい!」
蝶「超アリえない!」
アリ「お前も運ぶよ」
蝶「助けて」
ぽん「飛んだら?」
蝶々さんは、ぽんちゃんを連れて飛びました。
ぽん「わあ!」きゃっきゃっ
美しい自然の中を、自由に飛びまわります。
蝶「生きてこそ、繋がる物語があるのよ」
ぽん「生きてこそ?」
蝶「そう。だから私達は、いつも生きることに必死なの」
ぽん「生きることってぷち大変?」
蝶「ええ。それはもう」
鳥にさらわれ、蝶々さんは涙を惜しんで去りました。
ぽん「うーん。確かに難しい」むむっ
ぽんちゃん、そろそろ次の国に行こうか。
ぽん「そうする」
ダイナミック自然壊滅。
ぽん「れりごー!」