表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

チートは貰えなかったけど、ロリ魔王はゲット出来そうです

作者: 禊

初めての投稿なので、至らないところは有るかと思いますが、どうぞよろしく!

 目を開けると、そこは……自分の部屋でした。

 あれ? 何で部屋にいるんだ? しかも、ベッド有るのに、床に寝てるし。


 俺、今朝コンビニに行く途中で、ブラックホールみたいな、黒い穴に吸い込まれたはずなんだけど……。

 目を開けると異世界だったとか、けっこう本気で期待してたのに、何でだよ!

 まぁ、現実なんてこんな物か。

 ドキドキわくわくの異世界ライフが始まることは無いのだと思うと、床から起き上がる気力すら湧かない。


「唐突だが、お前は死んだ!!」

「うぇっ!?」


 唐突過ぎて、奇声を発することしか出来なかった。

 誰も居なかったはずのベッドの上に、筋肉むっきむきのオッサンが居た。

 俺は、ごくりと唾を飲み込み、告げた。


「えっと、とりあえず、俺のベッドから下りて下さい」


 俺のベッドに乗って良いのは、俺の他には美少女だけだ!


「ここ我輩が作り出した異空間だから、これは君のベッドじゃ無いし、ここは君の部屋でも無いから。そんなことより、お前は死んだんだよ」

「は? 異空間に俺の部屋再現とか、なんかキモい」

「起きたお前が、パニックにならないようにという心遣いが、キモいの一言で片付けられた!!」

「つまり、俺は異世界に行けるのか!?」


 がばりと起き上がり、オッサンを見る。


「あー、うん。もういいよ。魔力あげるから、とっとと異世界行きなさい」


 何で死んだかとか説明してあげようと思ったのに、などと呟きながらも、魔力をくれた。

 魔力の貰い方は、光るボームを無理矢理体に突っ込む(けっこう痛い)という、単純作業だった。儀式とか期待したのになぁ。



「あれ? そういえば、チートは?」


 気付くも、時すでに遅し、既に異世界だった。

 仕方ないか。人間、諦めも肝心だ。

 それにしても、何でこんな森の中なんだよ。しかも、獣道すら無い。

 とりあえず、魔力が有れば使えるという魔法を使ってみよう。 道を作るために、草吹っ飛ばすか。威力分からないけど、どうせ大したこと無いだろ。

 やり方を聞くのを忘れたので、手を前に突きだし力を込めてみる。


「とりゃっ!!」


ズドドドドドドーー。


 うん、威力ヤバイかも知れない。細い道を作るつもりが、一面更地になったわ。

 なんか、一つだけ、吹っ飛んでない建物が遠くに見えるし、行ってみよう。


 おぉ、表札が有る!

 文字が読めるか不安だったけど、どうやら読めそうだ。読めるなら話せるだろうし、良かった。


「えっと、魔王のお城……はっ!? 魔王城だと!」


 魔王を倒したら、英雄になれるのでは……? そしたら、姫とかと結婚出来るはず。そして、姫は美少女というのはお約束だ。

 よし、魔王を討伐しよう!


「おっじゃましまーす」


 その言葉を合図に、入口と思われる扉を、魔法で壊す。

 とっとと魔王倒して、お姫さまゲットするぜ!


「なんじゃ、お主は」


 最初に現れたのは、美少女だった。くりっとした大きな瞳に、長い白髪、何よりの魅力は成長過程に有るその体躯。つまり、何が言いたいかというと、白髪ロリ美少女だ!!

 綺麗か分からない姫より、この子が欲しい。一瞬で、覆った決意を胸に、俺は笑顔を浮かべた。


「お名前は? お菓子いる?」

「余は魔王じゃ。それより、お菓子とは、何なのだ?」

「まさかの、魔王かよ!?」


 そう叫びつつ、そっと魔法で作ったチョコレートを差し出した。チョコレート出でよ、って思ったら出てきたので、材料が何なのかは神のみぞ知る。まぁ、とにかく餌付け大事。

 あむあむとチョコレートを食べ始めた魔王。というか、魔王警戒心薄すぎるんじゃ……。俺ですら、何で作られてるのか分からないのに。


「これは、美味じゃのう!」


 魔王は、チョコレートがお気に召したようだ。どうやら、毒のような成分も入っていなかったようだし、一安心だ。もし、毒が入っていたら、姫攻略ルートに入るところだったぜ。

 この警戒心の薄さなら、取り入るのも簡単そうだ。何より、俺にはチョコレートという武器が有るからな!


「なぁ、魔王ちゃん。俺も、この城に住んでも良いかな?」

「それは、よい考えじゃ!……しかし、勇者が来たら、余は倒されてしまうのじゃ。臣下の者たちも、みんな殺されて……」


 魔王が目をうるうるさせながら、告げた。

 こんな可愛いロリを倒そうだなんて、勇者は熟女好きなのか……?


「よし、勇者は俺が倒してやるよ」


 さっと右手を上げる。そして、力を込めた。

 はい、勇者パーティー吹っ飛びました。


 こうして、俺と魔王ちゃんは平和を手に入れ、新たな勇者と戦ったりしながら、楽しく暮らしましたとさ。


読んでくださって、ありがとうございます!

コメントとかくださると、喜びます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 短いながらもテンポが良くて読みやすかったです。 まさかの勇者適当処理でちょっと笑いましたw キャラの掘り下げとか、世界観とか、オチとかを全部ポイっと処理してしまった潔さにポイントいれます(^…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ