第四話 クラス分け模擬戦闘開始!
先生の合図と共に、5組対12組の模擬戦闘が開始する!
それぞれチームを組み敵軍へ攻め込む。
しかし、リオとニクスだけはクリスタルの目の前から動かない。
ニクスは動かないリオを不思議そう見ている。
「ったく、どいつもこいつも頭使わねぇな。ニクス、俺を風の魔法でできるだけ高く飛ばしてくんねぇか?」
なぜだろうと、ニクス思うがリオを信じてみる。
「わかった、風の魔法だな、『ウラガーノル』ぐらいでいいか?」
『ウラガーノル』風の中でも中の上ぐらいで、風で物を切り裂いたりできる魔法だ、しかし加減をすれば人を浮かせる程の威力にすることができる。15才で使えるのならとても優秀だろう。
「『ウラガーノル』を使えるのか!?だったら心強い
、頼むよ!」
ニクスの優秀さに驚く。リオはこの学校が少しずつ楽しみになってきた。
ニクスはそのまま『ウラガーノル』の詠唱を始める。
「風刃よ、烈風の如く掻き切り裂け!」
ニクスが『ウラガーノル』を唱えるとリオが風に乗ってボールのように空高く飛んだ。
空中からは5組と12組の生徒が接戦を繰り広げているのが見える。
リオは12組のクリスタルを探して見つけた。
クリスタルは大きいので空中からだととても見つけやすい。
見つけるとすぐにリオは魔法を唱え始めた。
「紅蓮の炎よ、何事も穿つ矢となり、放て!」
火属性の魔法『フラムプファイル』だ。
人にはそれぞれ得意不得意の魔法がある。不得意な魔法を使えば通常より威力が弱かったり、得意な魔法を使えば通常より威力が強かったりする。
リオは火属性の魔法が得意だ、得にこの『フラムプファイル』は、得意中の得意な魔法だ。
リオの放った炎の矢は一直線に目にも止まらぬ速さで12組のクリスタルを砕いた。
無事一回戦は呆気なく終了した。
二回戦、三回戦とリオの『フラムプファイル』で砕かれ、遂に5組は決勝戦へと進んだ。
「うぉぉぉ!9組頑張れー!」
「5組も頑張って〜!」
決勝戦ともなると生徒の気勢は最高潮へと達した。
「なんか、決勝まで来ちゃったな!」
ニクスはとても嬉しそうにかつ楽しそうな顔だ。
「そうだな、また今回も『ウラガーノル』頼んだぞ!」
リオはニクスの肩をポンと叩く。
「おう!リオこそ、全力のフラムプファイルを見せてやれ!」
二人は今回も同じ作戦でいくようだ。
「これより、9組対5組の決勝戦を開始する!それでは........始め!」
先生の合図試合が始まる。
始まって直ぐに二人はいつもの作戦にでる。
まず、ニクスが『ウラガーノル』で、空高くリオを飛ばす。そしてリオが『フラムプファイル』を撃つ!
『フラムプファイル』は、そのままクリスタルを破壊する.....と思われた時だった、リオの放った『フラムプファイル』が、水属性の魔法で一瞬にして打ち消された。恐らく水属性の魔法の『ヒュドール』という防護魔法だろう。しかし、リオの放った『フラムプファイル』を打ち消せる者はそうそういないはずだ。
リオは落ちる前に空中で魔法を唱えたであろう人を探す。すると、クリスタルの目の前でこちらをずっと見てくる女子生徒がいた、『ヒュドール』を展開したのは彼女だろう。
そのまま落下し、床につく寸前で風魔法を使い衝撃を防ぐ。
「やったか!」
元気な顔で勝ったのが当然かのようにニクスが聞いてくる。
「いや、読まれていた流石にこの手は使い過ぎた」
「そうか、決勝戦だもんな!そう簡単に勝てるわけがねぇ!で、これからどうする?」
ニクスは明るいやつで、一見アホのように見えるが、切り替えは早い。
「俺が直接クリスタルの場所まで行く。ニクスはこっちのクリスタルの前で見張っててくんねぇか!」
「おう!了解だ!」
ニクスは指示に従い防護魔法を唱える準備をする。
「それじゃあ此処は任せたぞ!行くぞ!カリュー!」
腰にある剣を触れてカリューを呼び出す。
「......っん?なんだ...?主人?戦闘か?」
どうやらカリューは寝ていたようだ、とても眠たそうな声が耳に聞こえる。
「ああ、戦闘だ!鞘からは出さないと思うがよろしく頼むぞ!」
「おお!戦闘か!それなら私に任せておけ!」
頼りがいのある声が剣から脳へと聞こえる。
そのままリオは風魔法で身体を浮かせて空を通って向かった。
風魔法を維持して空中を移動するのはバランス感覚も必要で、とても難しいことだ。しかし、リオは騎士団時代に訓練をされていたため、誰もいない空中を一人真っ直ぐに突っ走ることが出来る。
やはり誰も空中移動をできる手段を持っていないようだ。
そのままクリスタルの近くまであっさりと移動することが出来た。
「カリュー、突っ込むぞ!準備はいいか!」
見張りは4人ぐらいだろうか?真ん中にたっている長い髪の女子生徒がさっきリオの魔法を打ち消した生徒だろう。
「おうおう!主人!こっちは準備万端だぞ!」
カリューは元気よく答える。
「よし、じゃあ突っ込むぞ!」
リオはクリスタルの元へと全力で走っていく。流石に気づかれたようだ、魔法がありとあらゆる場所から飛んでくる。しかし、リオはすべてを鞘から抜いていない剣で全部の魔法を打ち消す。
「あら、なかなかやるようね....みんな!私はタイマンでやりたいの!攻撃をやめてくださる?」
そう言って皆の撃つ手をやめさせる。
「俺も舐められたもんだな!それにしてもよくさっきの俺の魔法打ち消せたな。感心したぜ」
リオは剣を構える。
「あら?私には小さな火の玉位にしか感じませんでしたけど?」
相手の女子生徒は挑発してくる。
「そんなんで挑発のつもりか?いいぜ!その挑発のってやるよ!」
「主人!ゼンリョクでいくぞ!」
リオは凄い速さで、鞘に収まったままの剣で女子生徒に斬りかかる。
リオはかわす、と思ったのだが普通に鈍い音をたて女子生徒は飛ばされていった、そのまま木にぶつかり、彼女は動かなかった。
どうやら強がっていたようだ。
騎士団でほぼ毎日訓練して鍛えてきたリオの魔法を打ち消したのだ、流石に無理をしたのだ、彼女は魔力切れで立っているのが限界だったのだろう。
魔力が尽きそうになると、人間は魔力を回復させるため気絶する。
彼女はその寸前だったのだ。
よく、あそこまで演技ができたものだ。
演技の点に関しては満点だった。
吹き飛ばされて倒れている彼女を見た瞬間、他の生徒は凍りつき、誰一人動こうとしなかった。
リオはそのまま鞘から剣を抜きクリスタルを叩き斬って、呆気なくリオのクラスは優勝となった。
まぁ、いつも通りです。
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