第二話 初めてのクラス初めての友達
「この学院生の一員として、今後の3年間頑張ってくださいね。以上です。」
最後の生徒会長、ネイシー・フォースの話で入学式が終わった。
入学式が終わり、自分のクラスに戻っていく。
どうやらリオのクラスは全クラス15組の中の5組のようだ。
リオはそそくさと自分の席に座った。
周りの人は皆仲良く話している。
「のうのう...主人、もしや、人見知りしてるな...」
ジトーっとカリューがリオのことを見つめる。
「人見知りするだろ!俺、学校とか何年ぶりだと思ってんだよ!」
リオは実際10才で、学校を辞め、それ以降は騎士団に所属していたのだ。なので、友達の作ることは今のリオには難しいことだった。
「そんなことより、カリューは本当に周りの人に見えていないんだろうな」
心配そうにリオが聞く。
「おう!周りには見えないし声も聞こえないぞ!まぁ、剣霊を宿した剣を持っている人は別だかな」
「へぇー、そうなんだ.....って、他にも剣霊っているのか!」
驚き、つい大声を出してしまう。
大声を出したせいか、一瞬でクラスの目線がリオへと向かった。
沈黙が走る....
今度は小声で続ける。
「なあ、カリュー以外にも剣霊っているか?」
「ああ、いるぞ!剣霊って言うのは、魂を宿した剣のことだからな、他にもいてもおかしくないだろう?」
「お、おう、確かに...」
「最も、剣霊は普通の剣より膨大な力を発揮するからなぁ!戦ってみればすぐわかるぞ!」
「さあ!全員席につけ!今から出席をとるぞ!」
話をしていると、先生がクラスに入ってきた。
何処かで見たことあるような顔だ。
だが、リオは思い出せない。
そのまま教卓の前に立ち、出席をとると、何やら黒板に書き始めた。自己紹介だろうと、リオは思う。しかし、
て、す、と?
テストォォォォォォォ!?
「こらこら、そんなに驚くな!凄いうるさかったぞ!」
カリューはリオの考えたことが、声のように聞こえてしまうのだ。
すまん、カリュー!
心の中で誤っておく。
「今度は気をつけろよ!」
しかし、入学試験の筆記テストとは別にテストをやるなんて、聞いたことがない、いや、聞き逃したのか?
案外周りは驚いてはいない。
「入学試験の筆記テストとは別に実技テストを開始する。これによってクラスを分けるので、皆集中して取り組むように!それでは、全員!学院内の林へ集合!」
言われるがままに、5組(仮)のみんなは学院内の林へ移動する。
移動中、周りはもう仲良く話していた。
「のうのう、しゅじん〜、友達は作らなくていいのかぁ〜、このままだとぼっち確定だぞ〜!」
リオはビクッと肩を震わせるがそのまま無視する。
そんなリオに1人近づいてくる背の高いがたいのいい茶髪の男子生徒がニコニコしながら話をかけてきた。
「よう!実技テストってどんなのだと思う?俺はランニングや魔法の威力とかを試すんだと思うなぁ〜!」
名前も知らない人がいきなり話をかけてきて、リオは少々戸惑った。
「そ、そうだね。そういうのだったら俺は得意だからいいかもね」
友達の作り方なんて分からないので、とりあえずこう言っておく。
「おっと!名前言い忘れてたな!俺はニクス・ローエンスト!ニクスでいいよ!」
とても明るいやつだ。リオは最初にそう思った。
「俺はリオ・ファミエ。リオでいいよ、お互いテスト頑張ろうな!ニクス!」
少しリオの緊張が解れた。
ニクスの明るい性格のおかげだろう。
「おう!頑張ろうぜ!リオ!このクラスが変わっても同じクラスだといいな!」
この国に来て初めての友達ができた。
この国に来て3年間カリュー以外の話し相手がいなかったのだ。だから少しだけ嬉しかった。
「おうおう!主人!友達が出来てよかったなぁ!」
カリューも嬉しそうに言う。
暫く経つとやっと学院の林に着いた。
どんだけ広いんだよ!この学院!
校舎から歩いてここまで、1時間ほどかかった。
15才の子供が歩いて、1時間だ、相当広いのだろう。
途中、広い草原やわけのわからない遺跡のような物もあった。
「よし、全員来たな!」
リオのクラスに来た先生が上空で人数を確認して地上に降りてくる。
周りにはたくさんの生徒がいる、恐らく学年全員だろう。林の前の広場が生徒全員で埋め尽くされている。
先生が大声で叫ぶ!
「これから!実技テストを行う!テストの内容は..........戦闘だ!この林の中で10分間、模擬戦闘を行ってもらう!」
次回!初めての戦闘シーン!剣霊の力が明かされる!
今回はこのへんで終わらせたいと思います。
読んでくださりありがとうございました。
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