第 2 章 いざ、街道へ。
GM「で、お昼になります。いつも通りみんなミソカツ亭に集まってくるんだね。
ユーリーはそこで依頼の話を聞くよ。」
ユーリー「え? なに? その依頼はもう契約したの?」
トモリ「ええ、ですからこうして前金もいただきました。」
ユーリー「私の意思は?」
シャチホコ「ないですけど(笑)」
ユーリー「なぜメンバーの一人である、私の意見も聞かずに依頼を受けたのです?」
シャチホコ「簡単だったし。」
ユーリー「確かに今お金困っているからいいんだけど……とぶつぶつ言っている。で、前金をもらうわけね。1人このくらいになりました、と。」
GM「じゃ、今日は買い物や旅支度で1日過ぎていくんだね。」
ユーリー「その、3c余分が出て分配したって言う細かい話はないんでしょ?」
メアリー「前金で必要なものを購入して残ったお金を分配しました。その際3c余りました。
余った3cは私と金シャチ、ユーリーで分けることになりました。」
ユーリー「じゃ、その話を聞くんだったら。私、余分に貰うわけにはいきません。
同じパーティなんだから平等に配るべきでしょう。
そう考えるならトモリだけ少ないのはどうかと思います。
ましてやトモリの所には病気の祖母がいて薬代を稼ぐために働いているという話ですから、彼女に余分に渡すべきだと思うのですが。と言う提案をするよ。」
トモリ「私の方は大丈夫です。前回の報酬で薬代は何とかなりましたし、生活費もパパやママが帰ってきたときに置いて行ってくれています。
それなりに何とか生活できていますから大丈夫ですよ。」
ユーリー「……なんか、忍びないね。この時代募金箱って言う手もないしね。じゃ、とりあえず今回は受け取るわ、と。」
GM「『そうしてください。』と、トモリは言うよ。で、後他に何かする人はいる?
ちなみにね、技能を習得したり技を習得したりするには1週間ぐらい時間がかかるからね。
今回、みんなたくさん習得していたので、1か月かかったことにしました。」
ユーリー「アイテムなら別なんだけどね。」
GM「そう。だから1個ぐらいの技能や技の習得なら1週間で済んだんだけどね。
だけどみんないっぱい成長させたから今回1か月かかった。と。
さて、その後何事もなければ翌日の朝ですね。」
ユーリー「いつ出発だったの?」
GM「翌日じゃなかったの? 依頼受けた当日は旅支度をしていたでしょ。」
ユーリー「至急の仕事だったの?」
GM「いや、至急と言うわけじゃないけれど、早いうちに届けてほしいと。」
ユーリー「届ける荷物は何?」
GM「届ける荷物は、今で言うところの宅配便や手紙のようなもの。
後、ギルドの定期連絡の親書。を届けてほしいという事だよ。」
ユーリー「荷物の量は多いの? 荷馬とか出してくれるの?」
GM「そこまで多くないよ。定期的に連絡のための交流を行っているので、その時に届け物があれば一緒に届けるみたいな感覚。君たちで担いで持っていけるような量だよ。」
ユーリー「ミドリックの誰宛てとかあるの?」
GM「ギルドに届ければ後はギルドの方でその荷物は届け先に届けてくれる。
君たちが行うのはあくまでギルド間の間の荷物や手紙を運ぶ仕事だよ。」
ユーリー「ギルド宛てね。じゃ、ギルドに顔だしてこのたびこの荷物運びます。
みたいな報告しなくていいの?」
GM「うん、依頼書受け取っているよね?
荷物はミソカツ亭のおやじさんから出発の時に渡される。
向こうについたら依頼書と荷物を引き渡せば依頼終了だよ。後は?」
ユーリー「以上。」
GM「え~翌朝ですね。ミソカツ亭のおやじさんから荷物を受け取ると、ミドリックに向かって西門から街道に出ます。
君たちは意気揚々と出発するわけだね。さて1日目日中は何事もなく進んでいくよ。
だんだん日が暮れてくるので、このあたりで野営しないとね。という事で野営の準備を始めます。
日暮れまでには野営の準備が整って、夕食をとることになるんですが……。」
シャチホコ「僕はテント張ってる。」
GM「で、野営の順番とかどうする? 夜中見張りたてるでしょ?」
シャチホコ「グーグーグー。」
ユーリー「じゃ、金シャチとトモリのコンビ。メアリーとユーリーのコンビでいいんじゃない?」
GM「2交代ね? 前半どっち?」
ユーリー「なんか真っ先に寝ている人いるから、こっちが先でいいよ(苦笑)」
GM「じゃ、楽しいワンダリングチェックだ(笑)。前半何もなし。後半組は起こされるよ。
で、交代して後半うん、何事もなく夜明けを迎えた。
みんなが揃ったところで朝食を済ませて、また街道を西に進むわけですね。
さて、2日目の日中だ。(コロコロ)……も、何もなし。」
ユーリー「順調だ。」
***予備知識***
集落や都市の外の世界は、危険がいっぱい。
モンスターがうろついているからです。
今回は先ず整備されている街道を西に3日間移動するので、よほどのことがない限りモンスターと遭遇することもないでしょう。
また、その後街道から外れて整備されていない道を2日間進むことになるのですが、この時はモンスターとの遭遇率も上がります。
モンスターも、森の中だけではなく一面広がる草原に身を隠していたり、土の中にいるかもしれません。
そんなモンスターとの不意の遭遇を判定するのが、ワンダリングチェックです。
状況に合わせて振るサイコロの個数が決められており、そのサイコロの値が1以上であればモンスターと遭遇します。
当然危険度が高いほど振れるサイコロの数は増えていき、遭遇する確率も上がっていくわけです。
このワンダリングチェックの判定は、日中1回。野営の見張りごとに1回ずつ。
つまり今回2交代なので、各見張りの時に1回ずつの判定を行うわけです。
***予備知識終了***
GM「え~、日が傾きかけてきたので野営の準備を始めて、初日と同じように日が暮れたころ夕食をとりますね。見張りは前回と同じでいいの?」
シャチホコ「うん。」
GM「じゃ、前半だ。(コロコロ)何もなし。前日と同じように後半組と交代して後半……も、何もなし。」
ユーリー「ずいぶん平穏ですね(笑)」
GM「そうだね(苦笑)。」
シャチホコ「動物とかもいないのか、残念。」
GM「動物がいるってことはモンスターだと思うよ。家畜以外の動物ってほとんどモンスターだから。
さて、3日目。君たちは順調に街道を西に進んでいますね。(コロコロ)お?」
ユーリー「お?」
GM「3日目の昼ごろちょうど冒険者の一団と出くわすね。街道を東に向かっている冒険者パーティだ。
ちょうどお昼時という事もあり一緒に昼食を取りながら情報交換をするね。
その冒険者はミドリックの集落から来たそうだよ。」
ユーリー「ああ、じゃ、ちょうど行くところなんだね。」
GM「うん。彼らはダイナゴヤの方に向かう途中だそうだ。」
ユーリー「ミドリックは今どういう状態でした? みたいにそれとなく聞いてみよう。」
冒険者A「平和なもんだぜ。いつも通りだ。発掘作業を行っていたぜ。なんせ考古学者の集まっている集落だからな。」
ユーリー「ここまでの道中何事もなかったですか?」
冒険者A「ああ、特に変わったことはなかったな。」
ユーリー「今回は何事もなく仕事が終わりそうですね。」
冒険者A「まぁ、人通りの多いこの街道沿いでは、モンスターに遭遇することはめったにないからな。街道ではモンスターに出くわす心配なんてほとんどないしな。」
GM「ちなみに、草原は広がっているからね。大破壊以後、地表は草原に覆われてしまっているんだ。
そこを開拓して集落や都市を造ったり、街道を造ったりしていったわけだけど。
草花は寿命が短いものが多いため、モンスター化しなかったものがほとんど。
逆を言えば一部はモンスター化した草花もいるってことだからね。」
シャチホコ「薬草知識。」
GM「薬草知識で何をするの?」
シャチホコ「どんな草なのかな? と思って。」
GM「街道は地面が露出しているけど、その周りは草原が広がっている。
その草は雑草がほとんどだよ。ま、食べれる草もあるだろうけど……探すなら探しても良いよ。」
シャチホコ「探す。知識と知覚だったよね?」
メアリー「野外系の薬草知識って専門だよ。」
シャチホコ「専門? ガーン」
GM「似ている草とかもあるからね。専門の知識がないと見分けられないよ。」
ユーリー「キノコだって毒キノコと食べれるキノコを見分けるには知識が必要でしょ?
それで食中毒起こしている人いるでしょ。現実にも。」
GM「じゃ、昼食も終わってちょっと名残惜しいけど、その冒険者集団と別れて君たちはさらに西に進みます。
で、日は大きく西に傾いたころ野営の準備をして夕食を済ませます。
見張りはまた前回と一緒でいいの?」
ユーリー「はい。」
GM「じゃ、先ず前半。特に何事もなく時間は過ぎていきます。で、交代して後半何事もなく朝を迎えるよ。」
ユーリー「ずいぶん平穏だね(笑)」
GM「うん、平穏だね。」
シャチホコ「逆に怪しい(笑)」
GM「で、ここから北に向かって整備された街道ではなく踏み固められた細い道が続いているよ。ここを道沿いに北に進んでいくとミドリックがある。後、2日の工程だね。」
シャチホコ「森とかはないのか。シュン。」
ユーリー「大分来ましたね。」
GM「森はこっからさらに西に向かって3日~4日歩いたところにケイバーと言う森があるよ。」
ユーリー「でも、今回そこに行かなくっていいんでしょ?」
GM「君たちの現在の依頼はミドリックに荷物を届けることだね。と言うわけで街道を外れて細い道を北に向かうわけだね。
4日目の昼何もなし。野営の準備をして夕食を済ませて、前半何もなし。交代して後半何もなし。」
一同(笑)
GM「と言うわけで翌朝……。」
メアリー「なんかものすごい……。」
GM「この後何事もなければ、今日の夕方にはミドリックにつくだろうね。そんな感じだね。
君たちもこういう徒歩での長旅は、訓練以来久しぶりのことだから、そろそろベットが恋しい感じかな?
と言うわけで5日目のお昼何もなし。
で、夕方ごろ竹の柵に囲われた集落が見えてくるよ。」
ユーリー「やっと着きましたね。」
トモリ「そうですね。ベットが恋しいです。」
ユーリー「早くギルドに届けましょうか。」
トモリ「そうですね。急ぎましょうか。日が暮れる前に。」
ユーリー「ギルドはすぐにわかるんだよね?」
GM「うん、すぐわかるよ。」
ユーリー「じゃ、そこへ行く。」
GM「じゃ、君たちは日が沈むころミドリックに到着するよ。」
ユーリー「門は開いているんでしょ?」
GM「閉まっているよ。でも門番がいるよ。自警団の人だね。言えば開けてくれる。」
ユーリー「じゃ、こうこうこういうわけで届け物をお持ちしました。みたいに話すよ。」
GM「じゃ、『ご苦労様』と言って通してくれるよ。で、このミドリックは先に少し触れたように、大破壊以前に神社があったらしい痕跡があって、その調査のために15年ほど前にダイナゴヤから調査隊がやってきたのが起源。
で、学者たちの生活の為に人が集まってきて集落の形になったのは10年ほど前だ。
歴史の浅い集落です。」
ユーリー「集落の中を見渡してみるけど、村人……学者たちがうろうろしているの?」
GM「あ、今の時間帯はさすがにいないね。日も暮れて暗くなっているからね。」
ユーリー「だよね。」
GM「このミドリックの北には湖バケンと言うのがあります。
さらに西、徒歩2日ほどの位置に20年ほどだと思われる若い森ケイバーと言うのがあります。
この集落は人口60人ほど、住人の大半は考古学者です。
集落の中心には小高い丘があり丘の上には社が祭ってあります。
で、丘を中心に円形の広場が広がっており、昼間はそこに露店が軒を連ねています。
で、南北に大通りがありその先に門があります。その大通りで区画がわかれています。
大通りの東側の区画には田畑や家畜小屋、食料庫があって西側には住宅街が広がっています。
で、ギルドが経営している宿屋兼酒場チケハン亭もここにありますね。
君たちは日も沈んで、家々に明かりがともったころこの集落に到着した、と。で、チケハン亭の方に行くわけだね?」
ユーリー「うん。」
GM「そうすると、この集落は小さいから宿屋は1軒しかないからすぐわかるよ。で、チケハン亭についたけど……。」
ユーリー「じゃ、そこで荷物渡せばいいんでしょ?」
GM「うん。」
ユーリー「じゃ、こうこうこういうわけで荷物を運んできました。」
GM「チケハン亭のおやじは『おう、ありがとう。待ってたんだよこいつを。』手紙もあるしね。
『ところで親書は?』と聞いてくるよ。」
ユーリー「こちらです。と言って渡すよ。」
GM「チケハン亭のおやじは受け取って『ウム、確かに。』じゃ、後金……350cか、を払ってくれるよ。」
ユーリー「じゃ、ついでに食事もここで食べれるでしょ?」
GM「うん、食べれるよ。」
ユーリー「出してもらおうか? 出してもらう?」
シャチホコ「ノー。」
ユーリー「ノー?」
トモリ「ここで食事しましょうよ。どうせ宿屋もここしかないみたいですし。」
ユーリー「そうそうそう、野宿するとか言い出しそうだし。ここ(金のシャチホコを指さす)。」
シャチホコ「いや~、野宿して自然に触れ合おうと……。」
ユーリー「で言うか、保存食とか瓶詰食を食べるくらいなら普通に食事した方が安上がりだとると思うんだけど。」
GM「いや、そうでもないよ。保存食は2日分で3cだからね。」
ユーリー「ああ、そうか。一人当たり87c。で、2c余る。」
シャチホコ「87cで、2c余る。87c足しておこう。」
GM「で、ここで食事をとるわけだね?」
シャチホコ「うん、一人は瓶詰!」
ユーリー「さっきはこっちがもらったから、この2cはトモリがもらっておいてほしい。って言う。」
トモリ「いえ、私は特に……。」
ユーリー「今回はトモリがもらっておいてほしい。次回端数が出たらその時また考えましょう。他の2人は?」
GM「いい? じゃ、トモリはありがたく貰っておくよ。」
ユーリー「で、それぞれ部屋代と食事代を出せばいいでしょ?」
GM「うん。そうだね。」
シャチホコ「野宿!」
ユーリー「そういう人もいると思うから、あえて割ったのよ。」
GM「大部屋だったら5cだよ。しかも朝食と夕食付だから。」
ユーリー「だから5c払えばいいだけね?」




