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第1章 恋文?

GM「じゃ、本編を始めます。君たちは前回の冒険から1か月が経過しています。


その間君たちは技能の習得や技の習得などをして、次の冒険に備えていたわけです。


……と言うわけで、この1月分の生活費を皆さん減らしてください。」


シャチホコ「テントで寝ていました。」


GM「まず、この街に自宅がある人は、1日3食で3c。薪1日分で3c。で計6c。これを28日分……計168cかかります。」


ユーリー「足りません(苦笑)」


GM「足りない人はバイトでもしていてください。」


ユーリー「そんなにかかるんだ。」


GM「かかるよ。」


メアリー「200cぐらい……。」


GM「1か月そのまま遊んでいるわけだからね。」


ユーリー「そうだけどね。」


GM「それ以外の人は、宿屋に泊ることになるので……。」


シャチホコ「宿には泊っていません。」


メアリー「野宿なの?」


シャチホコ「うん。」


GM「まず宿に泊まっている人ね。大部屋で5c。で、朝晩の食事つき。


昼だけは自前で食事をするから1日6c。28日で168cかかります。」


メアリー「足らない。」


GM「足りない人はバイトでもして、働いてください。え~、野宿している人?」


シャチホコ「はい。」


GM「食費は必要だから……。」


シャチホコ「瓶詰!」


GM「瓶詰使うの? なら、1日3食×28日で、84個減らしておいてよ。」


ユーリー「前もって言ってほしかった、こんなにかかるなんて……。」



***予備知識***


生活費、冒険者が新しく技能や技を習得する場合には、経験値やお金の他に習得するための時間が必要となります。その期間は平均1週間ぐらいです。


今回、PCたちはたくさんの、技能習得や技習得を行いました。


結果、1月ほどの時間を費やすこととなったわけです。


日中は習得のための訓練などで時間を費やすことになります。


よって、バイトなどは時間が限られてきます。


今回バイトの内容など、細かいところには踏み込みませんでしたが、前回トモリが1月のバイト代が150c。


と言っていましたので、大体日当で5c。時間給で1c。と言うところが相場と言えるでしょう。


バイトの内容によってはもっと割のいいものもあるのかもしれません。


そのあたりはGMと相談して決めてください。


***予備知識終了***



メアリー「マイナス124c……。」


GM「0まででいいよ。後はバイトとかして何とか食いつないでいるってことで。」


シャチホコ「という事は残り16食?」


ユーリー&メアリー「0にしておけばいい?」


GM「うん。」


メアリー「これバイトしてなかったら、借金抱えることになる。」


GM「さて、君たちはこの1月間、ギルドに行って訓練しているわけなんだけど、昼はミソカツ亭に集合してそれぞれの近況報告をするという生活をしています。


で、ある日いつも通りミソカツ亭で昼食をとっていると、ミソカツ亭のおやじさんが君たちの方にやってきます。


そして、金のシャチホコに向かって『手紙を預かっている。』と言って封筒を渡すよ。宛名は確かに金のシャチホコ宛てだ。


『金のシャチホコ様』ハートマークって書いてある。」


ユーリー「ラブレター?」


GM「裏を見ると蝋で封印されていて、ハートマークの刻印が押されている。」


シャチホコ(笑)


GM「で、開けてみるんだね? 開けてみるとだね、え~と……


『明日の正午、南西地区の恋が池のほとりで待っています。大事な話があります。一人で来てくださいね。』


と書かれている。」


ユーリー「え~、それって覗いていいの?」


GM「覗くなら覗いてもいいよ。」


ユーリー「南西地区の……。」


GM「南西地区の恋が池って言う池があるんだけど……。」


ユーリー「恋が池?」


GM「え~と、そこに来てくださいねって書いてある。ちなみにその恋が池って言うのは……もともと南西地区って言うのは、食料を作っている農耕の地区。


恋が池と言うのは、そこにある農業用のため池のことなんだけど……。」


ユーリー「ああ、そういう池。」


GM「そう、なんだけどその池って言うのは結構人目につかなくって隠れたデートスポットになっている。ちなみに手紙にには送り主の名前は書いていない。」


ユーリー「え~、堂々と見ているの? ミソカツ亭で?」


シャチホコ「コクリ」


ユーリー「じゃ、後ろからチラっと覗いて、ふ~んみたいな感じかな。」


メアリー「時間的に…。」


GM「みんな一緒に昼食をとっている時間帯だよ。」


メアリー「じゃ、覗く。」


トモリ「金シャチさん。誰なんですか? 相手は?」


シャチホコ「知らないよ。」


ユーリー「詮索するのは無粋ですよ。トモリ。」


GM「『は~い。』とトモリは言って、しゅんとしている。


まぁ君たちは前回の冒険で多少は名が知れ渡った。だから知る人は知っているかもしれないね。」


ユーリー「キャラクターの中では唯一の男になるんだ。金シャチは。」


GM「そうだよ。」


シャチホコ「そうなんだ。」


ユーリー「金シャチだけなんだ~ラブレター来たの、と考えたら男って金シャチだけだなって。」


GM「さぁ、で、どうする? 金シャチは?」


シャチホコ「行くね。なんだろうと思って(笑)」


メアリー「じゃ、追跡。」


GM「翌日の正午だよ。」


シャチホコ「うん、翌日に。」


GM「え~、じゃ、このあと何かする人いる?」


メアリー「え……と、シャチホコを追跡……。」


GM「明日だよ? それは。」


ユーリー「明日だからそれは、今は今日この後何かするか? とGMは聞いているんだよ。」


GM「何もない? 誰も。」


ユーリー「何もすることないし……。」


GM「じゃ、それぞれバイトしに行くんだね。」


ユーリー「うん、バイト。お金ないし。」


GM「じゃ、翌日。え~と、お昼。(金のシャチホコに向かって)待ち合わせ場所には、ミソカツ亭に集まっていくの? それとも、そのまま直接行くの?」


ユーリー「て言うかミソカツ亭に泊まっているんでしょ? だったら……。」


GM「ミソカツ亭に泊まってないんだって。」


シャチホコ「野宿しているの(笑)」


ユーリー「野宿しているの!」


メアリー「どこで野宿しているの?」


GM「まぁ、野宿できるところ言えば南西地区になるね。


その農業地帯くらいしかテント張れる場所がない。


後はまぁ、北西地区のお墓とかは地面が出てるからテントは張れるけど……。」


ユーリー「公園とかもないの?」


GM「石畳だから、杭が打てないの。」


ユーリー「ああ、そうか。」


GM「で、金のシャチホコはどうするの? 直接行くの? それともみんなと一緒に行くの?」


シャチホコ「直接。」


GM「直接行くのね。」


ユーリー「直接行くのか、ミソカツ亭でお昼食べてから行くのか?」


シャチホコ「ううん、こっちで済ませて行く。瓶詰で。」


GM「じゃ、他の人はどうする?」


メアリー「追跡。」


ユーリー「いや、普通の日常。ミソカツ亭に来て、それでバイトして……みたいな。特に何もなく。


ミソカツ亭に行って皆に顔を出して、そのあとバイトして日常を過ごすよ。ってこと。」


GM「トモリはもともと……。」


メアリー「追跡する。」


GM「追跡する? じゃ、金のシャチホコは危険感知。」


シャチホコ「うん、わかった。危険感知、危険感知。」


GM「で、メアリーは……。」


ユーリー「野外系技能、追跡隠密。」


GM「そう、隠密。」


メアリー「隠密?」


シャチホコ「危険感知、知識と知覚。」


メアリー「あ~低いな。」


シャチホコ「(コロコロ)1、2、3、4……」


ユーリー「そしてさらに野外系技能が1Lvあるから5。七つ道具はないけど。」


メアリー「(コロコロ)追跡隠密の技がなくても、野外系技能Lvは足せるの?」


GM「足せるよ。」


メアリー「だったら2。」


GM「2? え~と、金のシャチホコは?」


シャチホコ&ユーリー「5。」


GM「バレバレ。見つかっているけど、どうする? 後からこそこそって着いてきているんだなあって……一人だけ。」


シャチホコ「わかっているよ~(笑)」

ユーリー「声かけるの? (メアリーに向かって)いるんでしょ。


わかっているよ、みたいな声かけられるって。」


シャチホコ「場所も分かっている?」


GM「うん。場所も分かっているよ。」


シャチホコ「じゃ、そこに行って。いるのわかっているよって(笑)」


メアリー「驚く。」


GM「で、どうする?」


シャチホコ「そのまま向かう。テクテクテクテク……。」


GM「メアリーは?」


ユーリー「バレてもなお追跡する? それとも諦めて帰るか。」


メアリー「諦めますよ。諦めてミソカツ亭に行きます。」


GM「じゃ、行くわけだね? じゃ、ミソカツ亭の方。トモリとユーリーがいるわけだけど


『おかしいですね。2人とも来ないですね。』と、小首を傾げるよ。」


ユーリー「じゃ、金シャチは昨日手紙貰っていただろ? って言って。」


トモリ「そう言えばそうでしたね。」


ユーリー「そこに向かったんだと思いますよ。メアリーはきっと今頃、追跡でもしているんじゃないでしょうかね? っと。」


トモリ「デバガメですか?」


一同(苦笑)


ユーリー「彼女の性格的にしそうな感じですけどね。と。」


トモリ「メアリーさんってひょっとして金シャチさんのことを……。」


GM「と言って、話をしているところにメアリーが店に入ってきます。」


トモリ「あれ? どうしたんですかメアリーさん。暗い顔して。」


一同(笑)


メアリー「追跡失敗しました。」


ユーリー「やっぱり追跡していたのね! 無粋なことをしないようにと、昨日トモリにも言っていたでしょ。罰が当たったのよ。」


GM「まぁ、そんな話をしているわけですね。じゃ、一方金のシャチホコ。


このダイナゴヤの知る人ぞ知るデートスポットの恋が池。農業用の貯水池なのだが眺めも良く、人目もあまりないことから隠れたデートスポットとして恋が池と言う異名がつけられている。


金のシャチホコは手紙の相手がどんな人なのか? 想像しながら指定の場所にやってきました。


そして正午、人の気配はありません。ま、遅れているのかと思い少し待つことにした金のシャチホコ。


周りを見渡せばきれいな景色が目に写る。デートスポットだというのも頷ける。


え~、そんなことをして景色を眺めていると……え~、危険感知をしてください。」


シャチホコ「危険感知? さっきもしたから……(コロコロ)3。低い。」


ユーリー「さっきのが良かったんだと思うよ。逆に言えば……そんなもんでしょ。」


シャチホコ「せめて5は出したかったよ。こういう時こそ。」


GM「金のシャチホコいくつだった?」


シャチホコ「3。」


GM「3か、3という事はちょうどみつけたなぁ。


金のシャチホコがきれいな景色を眺めていると不意に殺気を感じます。


このままじゃまずいと思ってとっさにその場から離れる。


そうするとドカッという音とともに先ほどまでいた場所に黒いローブを羽織りフードを深くかぶった戦士風の男が、剣を鞘ごと地面に突き立てています。」


ユーリー「その剣はどのようなモノ?」


GM「片手剣だよ。剣は鞘に収まったまま地面に突き刺したって状態かな。」


シャチホコ「ふんふん、危ないな~って、超重量剣を抜く。」


GM「抜く? そうするとその戦士風の男は、剣を地面から抜くと鞘に入ったままの剣を金のシャチホコに向けるよ。


で、君が戦闘準備ができるまで待っている感じだね。」


シャチホコ「フムフム。」


GM「というわけで、不意打ち判定は無しです。で、ちょっと特殊な状況になっています。


相手は金のシャチホコが戦闘準備が整うまで待っていたんで、お互いカウント1からスタートします。


カウント0の時に身構えている状態ね。さて、金のシャチホコの方の基本LTいくつ?」


ユーリー「タイマンだ。」


GM「基本LTじゃなかった。金のシャチホコはどうする? 相手は一人。


黒いマントに身を包んだ戦士風の男。」


ユーリー「逃げるか戦うか?」


シャチホコ「戦う!」


GM「戦う? うん、いいよ。」


シャチホコ「え~と、何メートル離れている?」


GM「今の状態だと、近接戦闘範囲内。」


ユーリー「とっさに避けただけだから十分武器が届く範囲内だよね?」


シャチホコ「なら、足払い。」


GM「技攻撃LTはいくつ?」


シャチホコ「6。」


GM「え~と、相手の方はそのまま切りかかってくるよ。攻撃LTは4だ。」


シャチホコ「攻撃LTは4? ちょっと痛いかな~。」


ユーリー「まずは避けないとね。」


GM「まずカウント1はお互い技の予備動作だね。2もそうだね。3もそうだね。


4、相手の戦士風の男の攻撃。(コロコロ)あ、惜しい、クリティカルじゃない。攻撃命中達成値は6。


で、回避値いくつ?」


シャチホコ「(コロコロ)1、2!」


GM「それに回避値足して?」


シャチホコ「回避値1だから3!」


GM「3? という事は命中。で、え~と戦士風の男は鋭い剣さばきで君ののど元に、シュンと。


寸止めだけどね。剣を振り下ろす。で、そこで止まるよ。」


ユーリー「あらら……。まぁ、鞘を付けたままだとそういう事だろうね。


実際に危害を加える気はないみたいですね。」


GM「そうするとですね。金のシャチホコの方は九死に一生を得たというべきか、背中に冷たいものが走る。


で、黒づくめの男が口を開くよ。


『相変わらずだな。金シャチ。全然腕が上がっていないじゃないか。』」


一同(笑)


ユーリー「どうやら知り合いっぽいよ。」


GM「そう言ってフードを外すよ。君がホッカイドからダイナゴヤに来る途中のトーホク地方で、一緒に旅をしていたショッツルって言う冒険者集団のリーダー、ハタハタさん。」


ユーリー「ハタハタ?」


GM「うん、ハタハタ。で、え~と隠れていたんだと思うけど、他に3人が姿を現すよ。


『久しぶりだな、金シャチ。』」


シャチホコ「なんでこんなことするの? そっちの方から先ず聞く。」


ハタハタ「たまたま依頼で来ることになってな、この街に来たときにお前の噂を聞いたんだよ。


なんか、モンスターを倒したんだって? そんな腕でよく倒せたな。ものすごい活躍だと聞いていたが、全然成長していないじゃないか。」


ユーリー「ひどい言われよう(笑)」


シャチホコ「当てることもできなかったので。メアリーという人が、2人ほど巻き添えにしてイノシシを倒して……。」


ハタハタ「ま、積もる話もあるだろう。とりあえず、飯でも食いながら話そうぜ。


どこかいい場所はあるか?」


シャチホコ「ミソカツ亭に行く。」


ユーリー「え? 他のメンバーもいるよきっと。それでもあえてミソカツ亭に行く?」


GM「え~、ミソカツ亭に行くとですね。いつも通りみんないるよ。


それで、トモリが気が付いて


『あ、金シャチさんどうでした?』


で、金のシャチホコの後ろの人たちに気が付いて、あれ? って顔をしているよ。」


ユーリー「じゃ、ミソカツ亭のおやじに言うよ。おやじ、金シャチに手紙を持ってきたやつってどんな奴だった?」


おやじ「子供だったぜ。」


ユーリー「じゃ、後ろにいる人みて『……。』って。誰だろう? 


って、きっとお使いで持ってきたのだろうけど、その子供って言うのは、頼まれて。金シャチ、後ろの人たちは? 


例の手紙を差し出した人たちとは到底思えないんだけど。」


GM「ちなみにパーティ構成は20歳ぐらいの人間の男が3人と、猫種……人間に近いほうのね。


その猫種の女性が1人の4人パーティだね。」


ユーリー「人間に猫耳尻尾が付いたような方の猫種だね。金シャチ、後ろの人たちは誰ですか?」


シャチホコ「ここに来る前にお世話になっていた人たちです。」


トモリ「え? 金シャチさんがここに来る前にお世話になっているんですか?」


ユーリー「じゃ、金シャチの後ろの人たちに近づいていくけど。始めまして、と。


金シャチと今一緒に仕事をさせていただいているユーリーという者です。」


ハタハタ「そうか、俺はハタハタ。このパーティショッツルのリーダーをしている。


で、こっちはクオンブだ。彼は魔法使いだ。そしてこの猫種の女性はセリ。ヒーラーだ。


そしてこっちの超重量剣を持った鎧の男はエノキだ。じゃ、君は今の金シャチの仲間なんだな?」


ユーリー「はい。」


ハタハタ「同席いいかな? 積もる話もあるから。」


ユーリー「こちらこそお邪魔していいんですか?」


GM「『ああ、かまわない。』と言って、君たちのいる円卓の椅子に座るよ。


そしてウェイトレス姿のトモリに『適当に食い物と酒を持ってきてくれ。』と言って


『今日は俺のおごりだ。懐かしいなぁ。半年ぶりくらいか?』と、金のシャチホコの肩をバンバン叩いて喜んでいるね。


しばらくして、トモリがお酒を持ってくると、ハタハタたちはジョッキを掲げて『再会に乾杯!』と言って、ごくごくと喉を鳴らしながらお酒を飲むよ。


『この街に来たときに聞いた噂はすごかったぜ。何でもモンスターをバッタバッタと切り倒したとか。』」


ユーリー「脚色されていますね。」


ハタハタ「そんな話を聞いたから、少しは腕が上がっていると思ったんだが、あの時と全然変わっていないな。」


メアリー「まぁモンスター倒していないので。ボソって言う。」


ユーリー「あなたたちはよく、金シャチさんとパーティを組んでいて犠牲者が出なかったようですね。」


ハタハタ「あのころの金シャチは修行中の身でな。戦闘には参加していなかったんだよ。」


ユーリー「なるほど。」


GM「『一緒に旅した時も話したが、金シャチ。先ずパーティの役割って言うモノを考えないといけないぞ。』


お酒を飲みながらだいぶほろ酔い気分みたいだね。


『お前の場合破壊力のある武器を持っているんだから、欠点はその扱いづらさにある。


先ずはいろんな技能を習得するのではなく剣術に絞って鍛練を積むことだ。


どんなに破壊力があっても当たらなければ意味はないからな。


それと、超重量剣特有の攻撃時間。ここもしっかり押さえておく必要がある。俺のお勧めは“突き”だ。』……。」


ユーリー「あの、金シャチは何であなたのパーティを抜けたのですか?」


ハタハタ「パーティを抜けたんじゃなくて、たまたま移動していた期間一緒に旅をしていたのだ。」


ユーリー「ああ、そういう事なんですか。じゃ、旅をする方向が変わったので別れたと。」


GM「あの~ショッツルたちは依頼があって仕事に行って、金シャチはその頃冒険者じゃないから、連れて行くわけにいかないのでそこで別れた。」


ユーリー「ああ、そう言う感じなのね。」


ハタハタ「“突き”は、磨けば磨くほど攻撃時間が短縮できる。


攻撃時間が短縮できると言うことは攻撃する機会が増えるという事でもある。


超重量剣を扱うお前なら先ず剣術の腕を磨き、“突き”を極めることだな。


他の技能は他の奴に任せておいても大丈夫だ。


パーティは仲間なんだ。1人で戦っているわけじゃない。」


ユーリー「正論ですね。」


GM「『足りない部分は補えばいいんだ。特に戦士は前線で体を張って後衛を守る必要があるんだ。


鎧も早くそろえた方がいいな。』ハタハタは冒険者談義を延々と熱く語っているよ。」


ユーリー「おかげさまで、私は習得しなくてもいい技能を習得しましたよ。」


シャチホコ「まぁ、犠牲者も2人出ましたしね。」


GM「さて、君たちがそんな感じで談笑しているとですね、ショッツルさんたちは明日の朝にはこの街を出発するそうです。また、別の依頼があるそうで。


『まぁ、お前の顔を見られるのも明日の朝までだからな。』ガハハハとハタハタさんは上機嫌だ。


『今日は心行くまで飲もうぜ。』と言っているね。」


シャチホコ「そうだね。」


ユーリー「私は遠慮しておきます。せっかくの再会に水を差すのもなんですのでこの辺で席を外させていただきますわ。」


ハタハタ「そいつは残念だ。まぁ、こいつ(金のシャチホコを指して)はこんな奴だが、磨けばきっと輝くダイヤになる……かな~と思う。」


一同(笑)


ハタハタ「まぁ、鍛えてやってくれ。」


ユーリー「私にできる範囲なら。」


GM「『あんたたちもよろしく頼んだぜ。』メアリーやトモリにもそう言うね。


トモリはそのまままたウェイトレスの仕事に戻っていきます。


で、メアリーは一緒に飲んでいます。で、え~と飲みながら


『あの時はあんなことがあったな~こんなことがあったな~。』と言っています。


『お前がエノキに憧れて、超重量剣を持つって言い始めた時はどうなるかと思ったけど、まさか本当に持つとわな。』


そんな話をしながら日が暮れて夜も更けて。あの~夕食まで奢ってもらいながら……。」


ユーリー「すごい金額になるぞ(笑)」


GM「さすがに酒場の店じまいの時間になる。おやじさんが『そろそろ店を閉めたいんだが……。』と、言いに来るよ。


ハタハタは、『すまねぇすまねぇ、すっかり話し込んじまったな。おやじさん部屋は空いているかい? 一部屋借りたいんだが。』と言うと、おやじさんは『ああ、空いているぜ。』と言うね。


『お前たちはどうするんだ?』とハタハタが聞いてくるよ。」


シャチホコ「僕は野宿しているところに行く。やっぱりテントが一番なんで。」


メアリー「……(今晩の宿のことで悩んでいる)」


GM「一応今日の宿代ぐらいは持っているからね。別で泊まるのね? 翌朝見送る? 金のシャチホコは?」


シャチホコ「見送る。」


メアリー「私も見送る。」


GM「ユーリーは?」


ユーリー「いや、見送らないよ。」


GM「トモリも一緒に見送ろうかな? じゃ、翌日の早朝まだ朝霧のかかる中、君たちは東門の前にいた。


ショッツルパーティたちは君たちに『金シャチのことを頼む』と言い残すと、門を出ていった。


君たちはショッツルパーティの背中を見送りながら、いつかあんな冒険者になれるよう心に誓うのであった……ほんとかよ(苦笑)」


一同(笑)


GM「その後早めの朝食を取りにミソカツ亭に行きます。で、どうする? 


みんな。え~、ユーリーがいないだけか、今。」


シャチホコ「また、瓶詰で済ます。」


メアリー「朝食を食べます。」


GM「え~、ミソカツ亭で、メアリーは朝食をとっているんだね。


その横で金のシャチホコは瓶詰を食べているんだね。トモリは軽く食事をしているよ。


で、そんなことをしていると、ミソカツ亭のおやじさんが君たちの方にやってくる。


『お前たち、ちょっとした依頼があるんだがやってみないか?』


ここ最近掲示板を眺めていた君たちだったけれど、高レベル向けの冒険ばかりで自分たちができそうな依頼は見当たらなかった。


そんな時におやじさんから依頼の話が来たね。」


ユーリー「先こされちゃったよ。聞きに行く前に……。」


メアリー「それはどんな依頼なんですか?」


GM「『ここから西に行ったところにミドリックと言う集落があるんだが、そこへの届け物だ。


ギルドの定期連絡の親書も一緒にな。報酬は500c。前金は150c。


後金はミドリックのギルドで受け取ってくれ。そんな依頼だがお前たち、懐が寒いんだろ? 


簡単な依頼だが受けてみたらどうだ?』」


ユーリー「ミドリックまでの荷物の届けね。前金が150c。で報酬の総額が500c?」


GM「そう、だから後金は350cだね。で、ユーリーはこの街の出身だから知っているか。


『ミドリック、住人のほとんどはこのダイナゴヤ出身の歴史の浅い集落。


ダイナゴヤから街道を西に3日ほど行って、そこから北に2日ほど歩いた場所にあります。


15年ほど前に、大破壊前の神社らしき構造物があるという事で、考古学者が調査を始めたのがきっかけでそこに集落ができました。


ミドリックのさらに北にはきれいな湖バケンがあります。


で、ミドリックのさらに西には比較的新しい森ケイバーがあるね。人口は60人ほどの集落です。』


まぁ、そういうことでおやじさんは依頼用紙を見せてくれるけど、どうする?」


メアリー&シャチホコ「受けます。」


GM「『そうか、それならば昼までには準備を整えておくから、また昼になったらここに来い。


お前たちも旅支度があるだろうからな。』と言っているよ。」


メアリー「あの……前金はいつ?」


おやじ「昼に来たときに渡すぜ、準備もあるからな。ほら依頼用紙。」


メアリー「金シャチや私ってユーリーの家って知っている?」


GM「教えてもらっているなら知っているだろうけど……教えてもらっている? 


トモリもこの街の出身だけどトモリは聞けば自宅の場所を教えてくれるよ。」


メアリー「じゃ、トモリにユーリーの家はどこにありますか?」


トモリ「う~ん、そう言えばどこに住んでいるんでしょうね? 


聞いてみないと私ではわかりませんね。ユーリーさんは今頃バイトをしているころだと思いますけれど……。」


シャチホコ「じゃ、僕は木を伐ってこようかな?」


GM「この世界の木ってモンスターだからね。木を伐りに行くには森に入らないといけないんだよ。


で、この街には森はないよ。」


シャチホコ「うん。」


メアリー「だから、街の外に出ないと……。」


シャチホコ「うん、いっぺん街の外に出るの。」


GM「一番近い森でも、歩いて2日かかるところだよ?」


シャチホコ「え~、じゃバイト(笑)」



***予備知識***


樹木。


この世界の樹木は大破壊の際、負の感情に干渉された魔素を取り込みモンスター化したモノがほとんどです。


かろうじて寿命の短い草花はモンスター化を免れた種もありますが、木々はモンスター化しています。


そのため、人間・獣人たちとは生活圏がわかれています。


現在、自然も戻りつつあるものの、あちこちに森が点在している状態です。


人間・獣人たちの生活圏である集落や都市も街道でつながれてはいますが点在している状態です。


大破壊前のように、自然を身近に感じることはできない世界なのです。


このあたりは、金のシャチホコのプレーヤーにはちょっと理解でき辛いところですね。


***予備知識終了***



GM「『そういえばお前たち文無しだったな。じゃ、旅支度するにも金が要るだろう。


先に前金の150cを渡しておくよ。ちょっと待ってな。』


そう言っておやじさんはカウンターの奥に入っていった。しばらくして金貨の詰まった袋を持ってきてくれるよ。


『これで旅に必要なものをそろえておけ。今回の依頼は5日間の旅になるから、ちゃんと保存食なんかも忘れないように揃えておくんだぞ。』


と、念押ししてくれるよ。」


シャチホコ「まだ、16食分残っている。」


GM「『夜中火を起こすんだったら薪も必要だからな。ちゃんと準備するんだぞ。』


まるで、子供を送り出す父親のように心配してくれているね。


ちなみに前金の150cは全員でだからね。1人当たりじゃないからね。」


こうして、前金でミドリックまでの5日間の保存食を購入と薪、その他必要な買い物をしました。


その後、残ったお金を4人で分けました。一人当たり28c、あまりが3c。


ユーリーがミソカツ亭に来るまでに残りのメンバーで話をして、トモリ以外は29c。トモリは28c。の分配となりました。


ちなみにユーリーはパーティのメンバーに自宅の位置を教えることは拒否しました。


まぁ、妹のランを失っているパーティですからね。教える気にはなれないようです。





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