序章
まだ、試作的な作品なので、不定期な更新になります。
20××年。突如として、地球に13個の未確認物体が飛来した。形は様々であるも、いずれも地球上に存在する物質ではなく、隕石のように落下したのではなく、降り立ったように周囲に被害はなかった。
それから、27年。飛来した物体は《マグナ・クリスタル》と呼ばれ、近年、問題に成りつつあった汚染物質や地球温暖化に対して、解決策とは言えないものの、ひとまず先延ばしにすることができた。
このマグナ・クリスタル、通称《M・C》は一種の結界、もしくは聖域を作り出す性質を持っていた。
残念ながら《M・C》自体を動かすことはできなかったが、これに近い効果を生み出すことができるようになった。
しかし、それには莫大な資金と高度な技術が必要で、中国やアメリカがなんとか作り出すことに成功して、EU諸国は、これを経済的だけでなく国家的に統合することによって作り上げた。
《M・C》が飛来した場所は技術的・経済的以外にも軍事的にも発展した。
《M・C》の結界は結界内への負の感情に対して、過剰な拒絶を表した。これは表面的なこと以外にもささいな感情にも反応を示した。
よって、《M・C》が飛来した地域。正確にはハワイ・イギリス・日本・インドネシア・マダガスカル・ニュージーランド・キューバ・トルコ・カナダ北部のビクトリア島・ロシアの東側のベルホヤンスク・コンゴ・南極点・北極点の13の地域は外敵に怯える必要性がなくなった。
それに、8年ほど前に全世界規模で食料プラントが完成したために、世界的には食料の取引はされなくなったことも、外敵を気にする必要がなくなった要因でもある。