第八話 日常とその後
比良沢の一件のあと、俺の周りで変わったことがいくつかある。
まずは比良沢の告白についてだが事件の後に俺のところへ比良沢が来て
「私はまだ、あなたの隣に立つ資格は無いみたい・・・・だから、私がんばるね!」
そんなことを言って走り去って行った。
がんばるって何をがんばるんだろう?
まあ、返事をする必要が無くなったことでよしとしよう
次に比良沢兄についてだが、俺のことを気に入ったらしく
妙に馴れ馴れしく接してくる。
今日の朝も仲間を引き連れて
「おう、兄弟!送ってくぜ?」
「いや、結構なんで帰ってください」
いくら問題校といっても一応高校である。
暴走族に送られていけば騒ぎになるに決まってる。
それは俺にとっては死ぬよりも苦痛だ。
というよりそんなことをして困るのはこいつ等だと思うのだが・・・・
とにかくそんな感じに仲良く(?)やっている。
そして、何よりも変わったのは稀沙奈だ。
朝、俺が起こすよりも早く起きて朝食の準備をしたり
異常なまでにまずいのだけど
意味も無く俺の名前を呼んできたり
なにかと思って顔を向けると満面の笑顔を向けてくる。
「気持ち悪い」って言ったら殴られた。
理不尽だと思う
だってそうじゃないか?
急に変わったのは稀沙奈なのに
俺がそれに追いつけないことも悪いかもしれないけど
変わるのが急すぎるよ
俺は初めてお前の気持ちを知りたいと思った。
この学校には人の心の声を聞ける奴もいるらしいけど
そんなのじゃなくてお前が何を思っているのか
俺は知りたいな。
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