魔法
進は理解した。だってテレビから出てきたから。受け入れるしかない。そして、魔法。どうやら、名前を叫ぶ事で発動するみたい。と。
それで今どこにいるかと言うと、通学路を進とドーンが歩いている。進には何か考えがあるみたいだ。
「あ、いたいた! おーい【豚須田】!」
「俺は【須田】だ! おい! てめぇなに調子こいてんだ!?」
「ドーン、コイツ、悪いヤツなんだボコボコにしてやってくれよ」そういう事か。
「……。勇者として、それはできない」どうする進?
「ちょっ!」
「誰が豚だって!?」
「たんま!」
「うるせぇ! 俺をバカにした覚悟できてるんだろうな?」
「ドーン!」すがる進。
「仕方ないか……。進には世話になるし」ざっ!
「お、なんだこの鎧ヤローは? 俺とやるのか?」
「貴様こそ、やるのか? この勇者の鎧に貴様の腕力でダメージが与えられると?」
うわー、引くわー。
「くそ! 覚えてろよ!」だっだっだっ。脱兎の如く。
ガラリンチョ! 進は教室のドアを開けた。するとホームルームの真っ最中。教師は怒り、進を叱る。
「ドーン、頼む!」
「ドーン! 進はここの王だ! 失敬だぞ!」
すると、教師は。
「ははー」と、跪いた。
「こりゃいいや!」と、上機嫌な進。
そこからしばらく、ドーンは魔法を使い続けて。
「すまん進、魔力切れだ……」
「えっ! どうすんの!」
「寝れば回復するさ。平気!」
「じゃなくて、それまでの間、不良とかに絡まれたら!」
進はだんだん事態を飲み込めた。
「剣を使うしかなかろう」
「ダメダメ! 剣は証拠が残るから、えーと、格闘技って知ってる?」
「すまん」まぁ当然だ。だが言い方を変えるだけで良かった。
「武道家の事だよ!」そう。
「あぁ、体術か! 無論、勇者だから、多少はできるぞ?」
「良かったぁ」