ゲームの中から?
平成元年東京都、俺、小学五年の【鈴木進】。どこにでもいる平凡な……。
「先生!」
「はい? えと」担任の小林が困っている。それは。
昨日。
「進ー、宿題やったのー?」
五月蝿いなぁ。お母さんは何かと宿題宿題宿題宿題、まぁいいや、スーファミやろう。
「ぐははは、勇者よ、よくぞここまできたな!」
「当たり前だ! お前を倒し、世界を平和にする! それが勇者の役目!」
このゲームは面白い。勇者が異常に強いパーティー五人編成だが、はっきり言って勇者だけでいい。
「やるな勇者よ!」魔王の捨て台詞だ。あぁもう終わりか……。
「お前がいると、闇の眷属が謳歌できない! お前を異世界に飛ばす! 喰らえ我が秘伝の魔法【ドンブラコ】!」
「うわー!」と、叫ぶ勇者。
「うわー!」と、叫ぶ勇者。あれ?
隣に勇者がいる!
「ハァハァ、なんとか生きてるみたいだな。なんだここ? 仲間達は?」
俺の眼の前に勇者がいる!
繰り返す、俺の前に勇者が現れた!
「勇者さん?」
いや、落ち着け俺! ただの不法侵入だろ多分。格好は確かにゲームと同じだから、そうだ! コスプレイヤーか!
「お母さーん! 変なひ……」むぐっ! 叫ぶ途中で口を塞がれた。そして小声で「君はここの人だね? いくつか質問に答えて欲しい。さもなくば、この伝説の剣で殺す」殺すって! これは言う事を聞くしかないじゃん! どうせ剣は作り物だろうけど。大人の腕力なら俺は殺されて容易い。
ガチャ。
俺の部屋の戸を母が開ける。
「あら? そちらは?」
「あ、あぁ、近所の兄さんだよ? 見てわかると思うけど、外国人だけどね……」
「どうもです。勝手に上がってすみません」
「はぁ?」母は混乱してるみたいだ。
「【ドカーン】!」え!?
「私は貴方の子供! 私は貴方の子供! 私は貴方の子供!!!」
ええ? 催眠術? 三回唱えるってお星様かよ!
「二人とも! お風呂入っちゃいなさい!」ほらきた!
「はぁーい」こいつ! すっかりその気か!
「ふぅ、君の名前を聞いてなかったね。教えてくれないか?」
「まずは自分の名前を教えるのが普通だろ?」
「そうか。私は勇者【ドカーン】、さっき見たろ? 名前を発すると魔法が使えるんだ」
魔法〜?