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神道027 -鬼とアマビエ-

 今流行りのアマビエについてである。

これは諸説あるもののアマビコの聞き違いであろうと思われる。

アマビコというのは、まあ海幸彦アマサチビコが思い浮かぶだろう。

前に語ったように、これは山幸彦の兄ではない。


 海を統べる王といえば、そうスサノヲである。

スサノヲとの戦争で一旦、山幸彦勢は敗北したと思われる。

スサノヲは、神話の中で疫病をまき散らしてもいる。

アマビエが疫病を予言しているというのも、この関連であろう。


 ちなみにスサノヲは牛頭天王であり、牛の角に虎の顔をしている。

丑寅ウシトラの方角、すなわち鬼門である。

支那にも蚩尤シユウという牛頭の鬼神がいる。

この辺りの話も以前してきたと思う。


 新羅王子の天日矛アメノヒボコという人が嫁の阿加流アカル姫を追って日本に来ている。

都怒我阿羅斯等ツヌガアラシトという名前であり、そのまま角がある人であろう。

この辺りも上記鬼のイメージソースであろう。

下手するとこの人こそがスサノヲのモデルである可能性もある。

記紀では垂仁天皇の時代に来訪したことになっているが。


 ここまでで何がいいたいかというと、鬼の初代はスサノヲだということだ。

鬼が荒魂を浄化して、和魂として人の役に立つ存在に変わる設定も。

これにより薄くではあるがアマビエの疫病退散話につながって現代に生きている。

日本鬼子と支那人に罵られても一向堪えない理由も、この辺りである。


 この後、様々な歴史上の人物が鬼といわれて恐れられた。

桃太郎の項でも吉備の鬼、温羅が退治された話をした。

蘇我入鹿は、鬼もしくは怨霊となった。

菅原道真、安倍晴明や小野篁、崇徳上皇などなど。

鬼といわれた人は枚挙にいとまがない。

大抵天然痘なんかの疫病が蔓延して、祟られたと騒ぎになる。


 気づいたと思うが、大抵神社に祀られていて、天神様といわれる。

天神様は属性としては雷で、罰を当てるおそろしい存在である。

雷神ゼウスとか牛頭天王エンリルとかが、イメージの大本である。

ちなみにポ〇モンのピ〇チュウは、子年の雷神ゼウスがイメージ元である。


 節分では、鬼は外と追い出されてしまう。

密接に疫病のイメージと結びついているせいである。

でもだからこそ、疫病退散にもご利益があるのである。

ウイルスとワクチンの関係に似ている気がするのは自分だけだろうか。


 この後に登場する純粋に抵抗勢力としての鬼は、武士勢力に討伐されていく。

酒呑童子シュテンドウジだのヌエだの、源頼光やら坂田金時やら渡辺綱に討伐されてしまう。

坂田金時というのは、クマに乗り、マサカリ担いだ金太郎である。

渡辺綱の一族は、いまだに鬼に恐れられているそうである。

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