変化する環境
野外訓練以降フレイが僕に対する態度が変わった。
あまり変わってないようにも思えるが、少し僕との距離が開いた気がする。
「セリス聞いて欲しいんだ。フレイが最近、僕に対して冷たいんだ」
「この状況でそれを言いますか・・・」「・・・・・・」
セリスに話を聞いてもらおうと、フレイと共に来ていた。
セリスは呆れていて、フレイは顔を赤くしてプルプルしている。
「前は、もっと近かったよ?今だって隣に座ってるけれど、前より距離があいてる」
バシッ!っとフレイにしばかれた。
「べ、べつにそんなことないし!」
「夜の稽古や、朝のランニングも、前に比べると微妙に距離がある気がするよ!」
セリスは呆れながらに、
「最近、私の所にあまり来なくなったと思ったら、フレイさんとばかり一緒にいたんですね」
「えぇっ!そんな事ないよ!セリスとの時間も大切だよ!ずっと一緒にいたいくらいだよ!」
またバシッ!っとフレイにしばかれた。
「スイ、あんた何言ってんのよ!バカじゃないの!」
「スイにとってフレイさんは、どういった存在なんですか?」
セリスに聞かれる。
僕にとってのフレイか・・・前よりかなりドキドキする事が増えたかもしれない。
ここ最近は、ずっと一緒にいたから、居ないと寂しい。
あと、正直に言うと・・・最近はセリスのパンツよりフレイのパンツの方が見たい。
(・・・あれ?僕フレイの事好きなんじゃないこれ?)
僕はフレイを見つめる。胸の鼓動が少し早くなる。
「セリス、聞いて欲しいことがある」
「はい、なんですか?」
「僕はセリスに謝らなければならない。実は・・・セリスより、フレイの事が好きかもしれない!」
僕の突然の告白?に対して・・・
フレイは後ろから僕を殴り
「セリス先生に言わずに私に直接言え!」
セリスは前から僕を殴る
「なんで私が振られてるみたいになってるんですか!」
2人の攻撃により僕は意識を失った。
夕方の、保健室のベットの上で、僕は目を覚ます。
隣を見ると、フレイが僕の手を握り、ベットにもたれかかって寝ていた。
僕はフレイの頭を優しく撫で、髪を触る。
すると、「んっん・・・」とフレイが目を覚ます。
僕は撫でるのをやめようとすると、
「もうちょっと撫でて。・・・きもちいい」
僕は撫でながら話をする。
「フレイ、僕はね貴族でもなく平民なんだけれど、君の事が好きだよ」
「んっ」
フレイは小さく返事をする。
「そろそろ帰ろうか」
フレイのほっぺたをプニプニ摘む。
プレイは起き上がり「ん〜〜。」と背伸びをする。
「もうこんな時間なのね。帰りましょうか」
そう言ってフレイは立ち上がる。
僕も立ち上がろうとして、ベットの横に足を下ろす。
「スイ」
フレイは僕の名前を呼び、こちらを向く。
「私もあなたの事は好きよ。ただ、私は貴族の娘。いずれは親が決めた人と結婚することになるわ」
フレイは僕に近づいてくる。
「それでも今は貴方と居たい。そう思えているわ」
フレイに抱きしめられた。
「限られた時間を貴方と過ごしたい」
僕はフレイを見つめる。フレイも僕を見つめる。
夕焼けに照らされた2人の影の距離が自然と近くなり、2人の影は重なり合った。
(ああ、これほど幸せと思える時間があったんだな)
2人の影が離れると、お互いに顔を赤くして照れながら寮へ帰った。
夜の訓練も終わり、部屋に戻り寝ようとして今日の出来事を思い出し、布団に頭を突っ込み悶えた。
(フレイ可愛すぎだよ!)
その日夢を見た。
その夢の中で、僕はどこか知らない場所に立っていた。
目の前には、いつも僕の手が飲み込まれる暗闇が広がっていた。
頭の中に声が響く。
「なんで女つくっとんねん!」
聞いたことの無い声が頭に響く。
「もう、ありえへんで!うちが居んのに、ほんまありえへんで!」
この声はいったい誰の声だろか?
どこか懐かしくも思える聞いたことの無い声。
「やっぱ、放ったらかしにしたんがあかんかったんや。こうなりゃ、うちも行くしかあらへんで!」
なんだか、苦しくなってくる。
この人(?)は、何かに対してものすごく怒っていた。
しかし、どうすることも出来ずに夢の中の僕は手を伸ばす。
そして僕は、すごく手触りのいい何かを掴んだ。
パッと目が覚める。手に何かの感触がある。見てみると、
「なんだよこれは・・・」
女の子の膨らみかけの胸を揉んでいた。
(あぁ、小さいけれど柔らかさもある・・・なんて幸せな感触なんだろう)
「うーん、どこやここ」
僕の隣に寝ていた女の子が目を覚まし、そう呟く。
「えーっと、君だれ?」
「・・・・・・うち誰や? ってか、 なんでうちの胸揉んどんねん!」
女の子が飛び起きて、僕に殴りかかってきたので、拳を避けて女の子を捕まえる。
「ごめんね。胸を揉んだ事は謝るよ!ただ、なんで君は僕のベットにいるの!?」
「そんなん、うちしらへん!ってか、ここ何処やねん!・・・・・・」
暴れていた女の子が、急に動かなくなった。
「なんやろか・・・うち、あんたに会いに来たんやと思う。よく思い出されへんけど、うちはあんたに会いに来たんや!」
そう言って女の子は、僕に抱きついてきた。僕の背中へと腕を回し、抱きつく。
「あんた名前は?」
「・・・スイ」
「うちは凪って言うんや。名前以外は、よう思い出されへんのやけど、うちは・・・スイに会いに来たんや」
とりあえず、セリスとアモンに相談しよう・・・。