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ルーティーン

「お前なぁ、公爵の娘を下僕にするとか・・・殺されるぞ?」

「えっ?殺されるような事なの??」


僕はフレイの方を向く。


「私から申し込んだ決闘で負けたので、大丈夫だとは思いますが。むしろ、軽率な行動だと私が勘当されるかもしれないですね。」


あの決闘から数日がたち、放課後にアモンに呼び出されたのだ。


「ところで、質問をしてもよろしいでしょうか?」

「あ?なんだ、かまわんぞ?」


フレイは少し考えてアモンに質問をした。


「スイはなんなんですか?学園長とも親しげですし、セリスさんともただならぬ関係のような気がします。なにより、スイが使う魔法は聞いたことも無い魔法です」


アモンは少し悩み答える。


「俺とセリスは、こいつの育ての親だ。こいつが何者なのかも、魔法に関してもよく分からん。

ある日突然、俺とセリスの前現れたんだよ。どこから来たのかも覚えてないらしい。」


フレイは僕を見てくるので、僕は笑顔を返しておいた。


「まぁ、僕は何も困ってないから気にしてないよ。気にしても、なにも解決しないしね」

「ところで、お前ら…なんだか仲良くなってないか?」


アモンがそう言ってきた。


「どうなの?フレイ」

「な、なんで私にふるんですか!」

「フレイの口から聞きたくてね」

「はぁ。どうしてそういった質問をしたのかよくわからないので、黙秘します」


アモンは僕を睨む。僕はそっぽを向き口笛を鳴らして誤魔化した。


これ以上は話をしても意味が無いとの事で、帰っていいと言われたので帰る。

2人で寮に歩き帰る。


そのまま食堂へ行きご飯を食べる。

最近は、ずっと2人で行動している。

周りからは二人の関係を探るような視線や、フレイは直接どうなっているのか聞かれるらしい。

フレイは

「決闘の約束なので仕方ない」

と言ってるらしいんだけれど、女生徒からは地味に僕の評判が悪くなり続けていた。


ご飯を食べ終わり部屋に戻る。

僕の部屋には、着替えと本しかなかった。

僕は部屋に帰ると、夜の訓練のために着替える。

フレイは最初、僕がそんな事をやっていると気がついていなかったけれど、最近は一緒に体を動かすようになった。


寮近くの公園まで行き、新しい魔法の為のイメージトレーニングを開始する。

僕が使うオリジナルの魔法は、イメージがとても大切で、頭の中でイメージをしてか魔力と融合させて発動させる。

これが地味に面倒で、魔法を作ったとしても実戦で使うにはイメージを定着させる必要がある。

それを瞬時にこなせるようにするためには、毎日のイメージトレーニングがとても大切だった。


僕がイメージトレーニングしている間に、フレイは柔軟体操をしてから、レイピアで動きの確認とかを丁寧におこなっている。

フレイ曰く、型をしっかりと体に覚えさせるためには毎日の基本が大切とのこと。

剣術も魔法も、基本練習が大切ってのには変わりわないみたい。


僕のイメージトレーニングが終わると、最近はフレイに近接の稽古をしてもらっている。

全然戦えるレベルではないけれど、少なくとも自分自身は守れるようになりたくお願いした。


その代わりに、フレイには魔法のイメージトレーニングの方法を教えているので、フレイは部屋に帰ってから寝る前にトレーニングしてるみたいだった。

一般的な魔法もイメージは大切で、あやふやなイメージで詠唱すると威力が極端に落ちたりする。

僕が使う意味の分からない魔法は、いったいどんなイメージをしているのかと聞かれて教えたのがきっかけとなった。

フレイは僕の教えたトレーニングをすると、魔法の威力が上がったとのことだった。


こうして寮の門限近くまでトレーニングをしてから寮に帰る。

寮に帰ると、シャワーを浴びてから本を読み、日が変わるころに寝るのがルーティーンとなっていた。


朝、日が出る前に起き、僕は着替えて日課であるランニングに出かける。

この日課にもフレイは参加するようになった。

早い時間もあり人のほとんど居ない学校の敷地を走る。1時間ほど走って戻りシャワーを浴びて登校の準備をする。

準備ができたら食堂で合流して、一緒に朝食を食べる。


フレイは僕がこれだけ体を鍛えているのにびっくりしていた。


「ほんとになんでFクラスなの?」


なんて言われた。



学校でもお昼休憩となるとわざわざ、僕の所へ来て一緒に学食へ行く。

こんな生活がしばらく続き、僕の中でもフレイの存在が生活の一部になり始めた。

少しずつ2人でやる訓練も成果をだし、フレイは学年でもトップランクの実力を身に付けていく。


ある時、僕はフレイに聞いた。


「フレイは胸元の呪印のアザは隠さないの?」


フレイは制服の時はしっかりと着こなしているのに、私服は大胆な服装をしていて、胸の谷間が見える服をよく着ている。

なので僕がつけた印が丸見えになっている。


「えっ?なんだかカッコよくない?私、わりと気に入ってるんだけど?」


なんて言われた。カッコいいのそれ?


僕は社交的な性格をしていなかったし、フレイと過ごす生活スタイルが気に入っていたってのもあり、友達が増えることもなく夏休み目前となった。


しかし、人生は残酷であった・・・。


「夏休み前に全員参加の合宿があります。近くの森までモンスターを退治しに行く野外実地訓練になります。

原則として、パーティーを作ってもらっての行動となり、クラスは問いませんので3人以上のパーティーを作ってください」


なんだと・・・フレイが居るから1人はいいとして、あと一人どうすんだよ。

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