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必ず何かが起こる入学

今日から僕は新入生!

頑張るぞー・・・なんて気は起きない。

ダラダラ歩いていく。

学校には何回も来ているので、迷子になることもなく入学の受付を済ます。


「はぁ・・・3年も通うのか。気が重い。寝ていたい」


時間ギリギリに教室に入る。

僕のクラスはFクラス。

クラス分けは成績で分けられる。

在校中もテストの成績でクラスが途中で変わることもある。


僕は、椅子に座りながら机に突っ伏してダラける。

周りの子達は、近くにいる人や知り合いと一生懸命友だち作りに励んでいた。

僕はATフィールドを展開して1人の空間に入り込む。

ズボンのポケットに突っ込んである右手は、どこかに行ってしまっている。

一体何なんなのかと思ってもみるが、何も感じなく、ただ別の場所手がいっているだけって感覚なのだ。


先生が入ってきた・・・セリスじゃないのか・・・。

男性の教師は、自己紹介をして今後の授業の説明をしはじめた。

僕は秘魔法「霧隠れ」を発動

これは、僕が作ったオリジナル魔法だったりする。

この魔法は、僕の存在感を薄れさせてくれるので、周りから認識されにくくなる。

授業を聞き流しながら適当にうけてすごす。


今日は初日なので、午前中で授業は終わるので、終了後に寮に向かう。

今日から寮に入ることになっていて、寮は狭いながらも個室になっている。

僕は寮まで歩く。

他の学生達が、早くも友達との交流を始めていた。


「青春だねぇ」


僕は年寄りみたいな事を言いながら寮に入る

かなり大きな寮で、娯楽ルーム、食堂、フィットネスルーム、プールなんかまである。

まぁ僕は興味全くないんだけれどね。

指定された部屋につく。

部屋にはベットに机と椅子があるだけだ。

僕の私物は着替えくらいしか持ってきていない。

本は、基本的に1度読むと覚えてしまうので、持っては来なかった。

ベットに倒れ込む・・・寝ようかな・・・グゥ〜


しまった。寝てしまって晩ご飯を食べ損ねてしまった・・・。

しかたないのでシャワーを浴びて再度寝た。


チュンチュンと鳥の声で目が覚める。


「あぁ〜・・・おはよう」


誰もいなかった・・・セリスが居ないの寂しいなぁ。

僕は制服に着替える。

朝ご飯くらいは食べておくかな?っと食堂を目指す。

・・・人いすぎだろ。


この寮はA~D棟の建物で別れていて、十字の形をしている。

ABが男子寮。CDが女子寮となっている。

その真ん中の部分が、四棟の共有スペースになっているので、人がここに集まる・・・。

絶対にこんなのおかしいよ。なんで、食堂1つなんだよ?確かに広いけどさぁ・・・

僕は朝ご飯を諦めた。


早めに学校へ行きセリスの元へ向かう。


「セリスおはよー」

「スイおはようございます」

「セリス〜。僕昨日から何も食べてないんだけど。なんか食べるものない?」

「寮に食堂あるわよね?なんで食べてないんですか」


セリスは、「はぁぁ」っとため息をつく。


「あんなに人が多いのとか、僕は入ったら死んじゃうよ」

「死にはしないでしょう」


それはそうだ。死にはしない。


「これをあげます」


そう言って、セリスはパンをくれた。

「ありがとうセリス!大好き!」


またセリスは「はぁぁ」とため息をつく。


「授業はどうでしたか?」

「・・・うん。すごいよね!」


セリスが僕を睨む・・・あぁゾクゾクするよ。


「寝てないねしょうね?」

「寝るわけないじゃん。ちゃんと受けてるよ」

「そうですか。今日の魔法の授業は、私が担当なんで楽しみにしててくださいね」


セリスはそう言ってウインクをする。

ウインクをする三十路で・・・可愛すぎる。

朝食にありつけた僕は、教室に向かう。


魔法の授業では、セリスがやたらと僕に振ってきた。

無難に答えてやり過ごす。

あまりにも当ててくるので、秘魔法「霧隠れ」を使った。

とっても便利な魔法なのだ。


明日から実技練習が始まるらしい。

剣、槍、斧、弓、などの武器を使用した戦闘訓練。魔法を主体とした戦闘訓練。

日によって違いはあるが、交互に行うらしい。


ここの生徒は、いろいろな人がいる。

平民、貴族、王族、ごく稀にほかの国からの留学生なんかもいたりする。

僕はただの平民だから、変なのに目をつけられないように気をつけないとね。


お昼をどうするか悩みながら、とりあえず食堂へと向かう。


「うげぇ〜。やっぱり人だらけじゃん」


僕が入るかどうか悩んでいると、並んでいる列で叫び声がした。


「みんな並んでるんだから、割り込まないで並びなさいよ!」

「はぁ?うっせー女だな!俺がなんで待たなきゃいけないんだよ」

「あなたには常識というものがないんですか?あーやだやだ、これだから一般市民は嫌なんですよね」


あの言葉から察するに、女の方は貴族になるんだろうか?

スタイルもよく、胸も大きい。セリスの方が大きいけどね。


「はっ!俺様を、そこいらへんの奴らと一緒にすんじゃねぇよ!」


なんだかヤバそうな雰囲気がするな・・・巻き込まれたくないから逃げよう。

僕は昼ご飯を諦めて、教室で寝ることにした。

教室で寝てると、食事から帰ってきたクラスメイトが噂をしている。


「さっきの大丈夫だったのかなぁ」

「男の人達に連れていかれてたよね」


僕はウトウトしながら考える。

くっころ!なの?覗きに行きたい!


「でもさ、あの男の方って大公家の先輩じゃなかったっけ?」

「そうなの!じゃあ、王家の血筋じゃん!」


ふむふむ。貴族同士の争いか。

あの女の方は、相手が大公家だと気付かずに突っかかっていったんだな。

てことは・・・連れていかれたって言ってたし今頃お楽しみ中かな?


僕はのそりと立ち上がる。

ぜひ、お楽しみを覗きたい!

僕は、捜し物を見つける秘魔法「矢印くん」を発動させる。

この魔法は、目的地まで僕にしか見えない矢印で案内してくれる。


「ふふふん〜ふふん」


僕は足どし軽やかに目的地へ向かう。

目的地は校舎の隅にある部活動の部活みたいだな。

入口には見張りらしき人が立ってるので、「霧隠れ」を使い近づく。

ドアの近くにいくと、


「やめて!触らないで!!」


叫び声が聞こえてきた。

僕はこっそりと窓から室内を覗いてみると、そこには男3人が1人の女を囲んでいた。

上半身は制服を脱がされブラだけにされ、下はスカートを履いていた。


(ちっ。早く脱がせろよな)


僕はイラつく。早くしないと先生来ちゃうだろ!

男2人が、女の手を掴み固定する。

残りの1人が、スカートに手をかけた・・・ゆっくりとスカートを下ろしていく。

すると、物凄い勢いで部屋のドアをぶち破り乱入した男がいた。


「おいお前ら。おイタが過ぎてるんじゃねーか?」


あちゃー。アモン来ちゃったよ。


(お前らがのんびりしてるからだぞ!)


僕は心の中で叫ぶ。パンツ見たかったな・・・。

アモンがこちらを見た・・・あれ?バレてる?

僕はこれはまずいと思い逃げようとしたが・・・


「お前らには事情をしっかりと聞いて、罰を与えるからな!あと!スイ!!!」

「はいはい。」

「お前見てたんだろ?お前も話を聞かせろ!」

「わかりました」


とりあえず、脱がされた制服を拾い女生徒に渡す。ほんとはもっと見てたいんだけれどね・・・。


応援に来た先生も加わり、各自事情を聞くとのことで僕は指導室にいる。


「で?なんでお前が居たんだ?」

「えーっと・・・野次馬的な?」

「で?助けもしないで覗いてたのか?」

「まぁ、僕が飛び込んでもやられて終わりだしね」


ゴチン!っと僕の頭に拳が降ってくる。


「いたい!なんで僕が殴られるの!」

「お前は悪い奴ではない。しかし、人に興味が無さすぎる」

「そんなことはない?女がセリスだったら、相手は関係なく助けてた」


アモンはため息を吐く。


「お前はどんだけセリスの事が好きなんだよ・・・」

「セリス最高じゃん!あの胸!尻!」

「・・・確かに」


なんとなくアモンが認めると腹が立つ。


「ところで、あの男達と女はどうなるの?」


アモンは少し考えて話す。


「男子生徒はな・・・3年の大公家の者で、今までも問題ばかり起こしててな。今回のことで、親に報告が行くからしばらくは大人しくするかもな」


ふむふむ。子供は問題児だが、親はちゃんとしてるパターンか。


「女生徒は、今年入った公爵家の者で正義感が強いのはいいんだかなぁ・・・」


女生徒の方は、おてんば娘みたいだ。

なかなかに、いい胸だったなと思い出す。


「で、お前は2人から目をつけられた可能性があるから気をつけろよ」

「なんで!?僕何もしてないよね?」

「何もしてないからこそってのもあるだろ?」


それから少し話をして僕は解放された。

午後の授業には遅れて参加する事になり、少し目立ってしまった。


この一件以降、僕は最低なヤツと影で言われるようになった。



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