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リンドバウム王国記~転生王ユーヤ~  作者: 三ツ蔵 祥
第4章 ―復興編―
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第五拾九話 罪と罰

気付けばまたまたブックマークが…

こんなポンコツな作品に有難うございます。


いえ、寧ろすいません。

 トライデル城にて、動乱の際に活躍した者達への勲功授与式が行われた。


 ジードには(エテリナの功績も含めて)領地の大幅な拡充。ブランは爵位の昇格がなされ、子爵から伯爵となった。


 ヨーンは新たに帝国領アクエリオスを領地として拡充、姉夫婦を配下と云う形で迎え入れた。ヨーンの代官として義兄であるズィーゲ男爵が治める。本来ならばラウズ大陸の因習では、領地経営は伯爵からである。この破格の申し入れに、姉夫婦は泣きながらヨーンに感謝した。


 クーガーとヒューズは恩賞として、シアが8歳になった時のアルテイシア様指南役を確定させていた。これは二人からの申し出であり、ユーヤは苦笑いを浮かべていたそうである。


 ベルド元皇帝には、引き続きベルツ州として州知事を頼もうとしたが断られ、その代わりにカリギュラスを立て、その補佐であるなら受けると謂われ、問題はあるがベルドが補佐をするならとユーヤは了承した。


 ゼフィールドには侯爵位と領地の拡充をした。また、引き続き元帝国軍を纏め上げてもらう事として、ベルツ聖騎士団と名称変更のうえその団長となってもらった。ロンにはその副官として副団長の地位を与え、やはり伯爵位と領地として故郷であるザンバードの街を与えた。


 カスバドに関しては魔導ギルド総監と云う地位が、魔導ギルドの推薦により下された。これをカスバドは大いに喜び、その日のうちに着任予定の領地を配下の伯爵に任せて、戦神のダンジョンの工場区に引っ越して行った。勿論ユーヤに許可を得てである。


 そして、おカジさんはリンドバウム内及び戦地での要人警護の功績から、第三正室の権利を確定させた。これには主家であるホージョー氏の頭領ソーウンが喜んだ。ホージョー内での勲功授与の際に、オータ氏に更なる領地を与えたほどに。


 ライガはマジンゲル一帯三都市の長を兼任する事となった。これで将来三人の息子達にそれぞれ分配出来ると、ライガの奥方もホクホク顔であった。


 ミハイルには、本人の希望として協力してくれた各レギオンの長に準男爵位を授けた。ミハイル個人は「兄達の家の傍に、私も家が欲しいくらいですかね?」と云うので、ゼルグの街の駅に近い一等地を与えた。


 ゼルグの街の住民達は、また看板が増えた事に大いに沸いた。これによってゼルグの街に異名が付く。『三剣の街』と。


 エレーナには、ヴァルキュリアの第三大隊隊長と云う訓示が、そしてロイエルにも王宮騎士団槍部隊隊長の訓示がなされた。そして伯爵位とゲッタの街の領主に任命された。これにはロイエルの両親と兄弟達も跳び上がって喜んでいた。小さいながら領地持ちとなったのだ。



 そうして、勲功授与が進む中メルティの順番が回って来た。本人は既に勲功内容はわかっているつもりだった(・・・・・・)。ワクワクしながら待っていると、何故か家屋敷の授与とは関係ないはずの聖女がニコニコ顔で登壇した。


 メルティは自分の前に現れた聖女を見て『あれ?』と首を傾げる。聖女も一緒に『おや?』と云う様に首を傾げた。そして、その聖女の横にユーヤがツカツカと歩み寄ってメルティに告げる。


「メルティ・ラース、本日より貴公を新生リンドバウム連合国子爵として迎える。新たな貴族家の誕生として、ここに聖女からの祝福を受けてもらう。意義のある者はないな?異議なき者は拍手で迎えよ!」


 拍手喝采の中、メルティは茫然としていた。


『え?なにこれ?どんなドッキリ?』


 そして聖女による祈りの後に、爵位を示すメダルとトライデルの北門付近の一等地の邸宅の権利書を授与される。その時も未だにメルティはボーっとしていた。そしてウテナから「おめでとう!」と言われて初めて我に返った。


「あ、ありがとう。ねえウテナ。これって夢だよね?」


 そう云う親友の顔を思い切りウテナは抓る。大広間にメルティの「いったーーーーい!!」と謂う叫びが木霊すると、ウテナがメルティに抱きついた。メルティは泣き笑いをしながらそれに応えている。


「これで以前よりもメルティに堂々と会えるようになりました。」

「あんた旦那にそんな理由で余計な事言ったんじゃないでしょうね?!」

「当たりです。さすが私の副官なのです!」


「待て、その副官てなに!?」


 ユーヤが軽く咳払いをすると、マリオンがスススと静かにメルティの前に歩んで来る。そしてヴァルキュリア創設者は告げる。


「メルティ・ラース子爵、本日を以って貴公を後宮近衛団ヴァルキュリア諜報大隊臨時大隊長サクヤ姫の臨時副官から、ウテナ第二正室大隊長及びヴァルキュリア副団長の副官と正式にする。異議なき場合は敬礼を以って答えよ。」


「へ?は?はひ?」


 奇妙な声をあげながら、普段の騎士団の習慣からか、メルティは咄嗟に敬礼の姿勢をとってしまった。


『し、しまったぁああああ!!』


 彼女は心の中で絶叫する。本業のギルドの受け付けは引退するしかなさそうである。


『でも、ま、いっか。』


 楽天的な彼女は心の中で折り合いを付け、素直に訓示を受けた。横でウテナがニコニコしている。


 城内に再び拍手と歓声が湧き起こると、メルティは「この借りは返してもらうわよ。」とウテナに小声で告げた。ウテナはウテナで「いえいえ、借りではなく貸しですよ。」と笑って答えたのであった。


 後日、ウテナ主催でメルティの新居に於いて祝賀パーティーが催されたが、これはまた別のお話しと謂う事で…。


 因みに、今回活躍をしたはずのサクヤ姫に関しては、本人の希望によってトライデル城及びリンドバウム内の出入り自由の特権が与えられたが、本人が何処ぞに遊びに行っていて不在の為に、ウテナが代わりにメダル授与をされていた。サクヤがトライデルに遊びに来た際に、ウテナが渡すことになる。


「サクヤ姉様は私の双子の姉です。姿格好は私とほぼ同じなので、ちゃんと衛兵さん達は記憶するようにお願いいたします。」


 ウテナの宣言に一部から笑いが起こった。衛兵からすれば、要はウテナを見かけたらスルーしろとのお達しのようなものなのだ。宰相閣下もその笑いの意味に気付き、微笑んでいた。


「えー因みに、今回ご助力頂いた愛理須皇国四氏族方には、それぞれ金品の贈呈を致しております。また、スサノオ家筆頭であらせられるテンゴウ様には、サクヤ様と同様の特権のメダルをお送りいたしております。こちらに関しましては魔王対策の為、現在動けぬ身との事でご了承ください。そして―」


 セレモニーの司会が、この場に出席出来なかった人々に対する勲功の目録を読み上げていく。勲功授与式は、こうして閉幕したのであった。




 そうして気付けば夏になり、ヨチヨチ歩きのシア様の許に側付きとしてフェルナンドの長女セーラと、その補佐としてフェルナンドの妻ネイが着任する日となった。


「ひめさま、ほんじつよりそばづきとしてちゃくにんいたしましたセーラです。よろしくおねがいいたします。」


「陛下、そしてお妃様、この度の栄誉ある役職、誠に嬉しく存じます。」


 初日だけに二人とも非常に固くなっていた。そんな二人を(ほぐ)そうと、ユーヤとマリオンはお茶とお菓子を二人に勧めた。最初は固辞していたが、何となく空気を読んだセーラがお菓子を一口食べて「おかあさま、このおかしとてもおいしいですよ。」とニッコリ笑うと、ネイも「…では。」と、言ってお茶菓子に手を出した。


 そこからは緊張も解けて、普通にマリオンとネイは歓談をするようになっていった。


 ユーヤはそれを見届けると「じゃ、職務に行ってくるよ。セーラ、シアと仲良くやってくれ。」と微笑して席を立った。セーラはお辞儀をして「おまかせください。」と答えていた。


 ユーヤは建設局兼復興省に寄って、フェルナンドに声をかける。


「フェルナンドおはよう。」「おはようございます陛下。あのぉ…娘は…。」


「大丈夫。合格だよ。というか、出来過ぎだ。年齢と背格好を疑いたくなるよ。」


 ユーヤが答えると、娘が褒められた事に素直にフェルナンドは喜んだ。本来なら一緒にご挨拶に行きたかったようだが、復興大臣などと謂う役職を兼務してしまっている為に、そうもいかなかったのだ。


「済まんな。毎度大変な役職に就けてしまって。」


 ユーヤは心から詫びた。それに対してフェルナンドは「いえいえ、これもお国の為、そして民の為です。」と返していた。


「取り敢えず、今貴公が本来の役職に専念出来るように、ある提案を議会には提出してある。それまでは申し訳ないが耐えてくれ。」


「お心遣い感謝します。」


 ユーヤの提案とは、元帝国皇子カリギュラスに復興大臣を継いでもらおうと云う事なのだ。しかし、操られていたとは言えクーデターの張本人にこれを任せて良いのか?と議会は紛糾する事になる。


 そこでユーヤはカリギュラス本人を議会に召集する事にした。彼に思いの丈を語ってもらおうと。


 カリギュラス本人も初めは固辞していた。しかしベルドに「自分で壊した物を自分で直す機会を、王は与えてくれると言っているのだ。素直に受けるべきであろう。」と諭されると「わかりました。この命に代えてもベルツの復興に勤しみたいと思います。」と了承をした。





「確かに私カリギュラスは、自らの国を焼き、にも関わらず陛下の温情によってこうしてのうのうと生き延び続けて恥を曝しております。そのような者に復興大臣などと謂う役職が務まるのか?と謂う皆様の懸念に対し、私は本来答えられる身にはありません。」


「引っ込め売国奴!」「リンドバウムも焦土にする気か!」


 これらの野次を、唇を噛み締めながらカリギュラスは受けて立っていた。


『耐えろ!覚悟して乗り込んで来たのだ。本来ならば首が飛んでいてもおかしくない身だ。一度死んだと思って戦うのだ!!』


 そうカリギュラスは自身を奮い立たせていた。


「皆様の言う事は至極御尤もと認識している。しかし、だからこそこの咎人にチャンスを…いや、罰を与えて頂きたい!自らが壊し自らが滅ぼした街の再建と云う過酷な試練を!これこそがこの咎人に最も堪える罰とは思いませんか?」


 シンと静まり返る議会場に、カリギュラスは震えそうになっていた。


 元々認めてもらおうなどとは思ってはいない。ロクに裁判もなくお咎めなしと謂われて、逆に自らの罪に震えて来た日々だったのだ。これでどんな答えが出ようとも、少しは救われると思ってこの場に立った。


 今の彼は、断頭台の前に立っている咎人そのものと云った気分であった。


 ベルヌ宰相が立ち上がった。そしてカリギュラスを見つめる。カリギュラスは必死の形相で宰相を見つめ返した。


 宰相は不意に両手を胸の辺りにまで上げると、パチパチパチと手を叩いた。目から涙を零しながら。一国を治める宰相として、カリギュラスの姿に感じ入ったのであろう。


 そしてまた一人また一人と立ち上がり、カリギュラスに拍手を送る。

 気付けば議会場全体から拍手の音が鳴り響いた。カリギュラスは茫然としながら、大きく礼をした。


 全会一致で可決したのだ。礼をしたままカリギュラスは動けなかった。両の目から落ちる涙が止まらなかった。

 しかし、それを拭う事は罪のような気がして拭う事が出来ない。


 ただ最後に震える声で言葉を発した。


「ありがとうございます!この身命に賭けて、精一杯やらせて頂きます。」

カリギュラスに救いの手を差し伸べてあげたくて

今回このようなラストになりました。


演説シーンでの彼の声は

私の脳内では池田秀一さんの声で再生されておりますが


皆様は誰の声で再生されてらっしゃるのでしょうか?

気になります。


あと、迷いましたが復興編を第4章とします。

たぶん他のどの章よりも短くなるかとは思いますが(長くなりました)

オーガ大陸に渡る為の前章としてお読みください。


また恐らく、動乱編で戦闘行為を書き綴っていったストレス発散のため

お遊びに走る可能性もあります。

まだ元帝国領のダンジョンにも入っていませんし

皇国領のダンジョンも散歩程度しかしてないですしね。


そんな感じですが、この先もよろしくおねがいします。m(_ _)m

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