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リンドバウム王国記~転生王ユーヤ~  作者: 三ツ蔵 祥
第3章 ―ラウズ大陸動乱編―
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第五拾八話 動乱の終局

2000PV突破しました。

ありがとうございます。

これからも、こけない程度に頑張ります。



「これは不味いですね…。」

「そう言うなよ。せっかく用意したフルコースなんだから。美味しいと言って欲しいな。」


 プテラスは四方を囲まれた形となり、焦りを顕わにしていた。ユーヤの挑発に乗ってしまい、気付けば動乱を治めるべく集まった英傑達に囲まれてしまっているのだ。


「何を焦っておる。元々貴様らは鳥人族で、鳥頭であるのだ。仕方があるまいよ。」


 クーガーが皮肉を込めて告げるのを、苦々しくプテラスは睨んだ。それをクーガーは正面から睨み返す。


『隙を作る為に超音波砲を放っても、逆にアレはアレでアクションがわかり易くてこちらが隙を作ることになる。御し易そうな相手はいるにはいるが、どいつもこいつも二人以上のペアになっている。どうするどうする…。』


 プテラスは隙を見せないようにグルグルと視線を這わしながら思考していた。だが、妙案が浮かばないようで困惑しているようだった。


「ふむ、そちらからは動けないようだな。それじゃあ、俺から行くぞ!」


 そう言うとユーヤは瞬絶で間合いをゼロ距離に縮め、居合の一撃をその腹部に当てた。スパン!と乾いた音が鳴り響く。しかし、ツルツルの腹部は意外に固く、表皮に傷をつけただけに止まった。


「うおお!ビックリさせるな!」


 それを正に皮切りに、テンゴウが跳躍して上段から斬撃を、ゼフィールドが低く構えて下段からの燕返しを披露する。既にユーヤは瞬絶で後方に戻っていた。


 プテラスの黒い羽毛が幾つも舞った。しかしどれも皮一枚といったところのようだ。プテラスはそのまま二人に反撃を試みるも、後方からクーガーとライガの斬撃が迫り、慌てて真上に跳躍をした。


 その跳躍した頭上には、サクヤがそれよりも高く跳躍をして待っていた。無数の苦無がプテラスの体中に突き刺さる。「こ、この小娘が!」と、空中でサクヤに対して前肢を振るうと、その腕にドキュン!と云う音と共に痛みが走った。


 ジードの魔銃による射撃である。


「い、痛いではないか!この!」


 と、ジードを睨もうと反転した処へ、エテリナとミハイルが同時に斬りかかる。


「ひ、ひぃ!」


 避けきれずにまともに二人の攻撃を受けて、プテラスが跳ね上がった。そこへ更にジードは容赦なく魔銃の連射を浴びせる。片手にライフル、もう片手にはピストルを携え、正に『全弾発射』の状態であった。


「おお、たまやー。」

「かぎやー。」


 ユーヤの呟きにサクヤが瞬時に反応した。他のメンバーは二人が何を言ってるのか理解していないようである。


「…やっぱりサクヤ姫も正室枠に入るつもりなのかしら。」


 そうマリオンが二人を見て呟くと「いえ、愛人枠がいいとかなんとか仰ってました。」とエテリナが呟く。


「それよりマリオネート様は参加なさらないのですか?」


「うーん。なんかゴチャゴチャしてて入り辛いわ。それに今テンポもいいし。」


 マリオンの言うとおり、テンポ良くリズミカルに攻撃は続く。


 銃撃を受けて落下して来たプテラスを、テンゴウとゼフィールドがまたも空中に弾き飛ばし、そこへまたサクヤの苦無の雨が降り注いでいた。


「ひゅ、ひゅーひゅー。」


 プテラスが息も絶え絶えになっている。しかし、ボロボロになってはいるがプテラスに大きな傷を与えられてはいない様子である。さすが翼竜を始祖に持つ者と云ったところであろう。


 プテラスは天井を仰ぎ見た。誰もが観念をしたかと思って様子を見る。するとプテラスはクチバシを大きく広げた。


「不味い!全員退避!距離をとれ!」


 ユーヤが指示を飛ばすと、一同は防御態勢を取りつつ後方へと下がる。


 だが、プテラスはユーヤ達に対してではなく、天井へと超音波砲を放ったのだった。


 ズゴゴゴゴと天井が崩れ、木材やレンガ、そしてガラス等が降り注いだ。そして見上げると、そこには夕日で赤く染まった空が見えていた。


「しまった!」


 ユーヤの叫びに一同が上空を見ると、そこには前肢を羽ばたかせたプテラスの姿があった。


「十五年もかけた計画でしたが、こうもやられてしまっては私も退くしかないようです。」


 プテラスは忌々しそうにユーヤを睨み付けている。


「逃げ出すのか?鳥だけにチキンレースには強いと思ってたんだがな。」


 プテラスの額に青筋が走る。冷静さを保とうと必死なようである。クチバシでなければギリギリと歯軋りをしていそうな様子だ。


「その手には乗りませんよ。戦神の分身が!勇者王、次はオーガ大陸でお会いしましょう。その時までに首をよく洗っていてください。それでは、失礼いたします。」


 激しい風が吹き荒れ、瓦礫を飛ばしプテラスは更に上昇して行った。ユーヤ達に追う術はなく、風に煽られるのを防ぎながらそれを見送るしかなかった。


 ザンバード城の大広間が静まり返ると、空は夕闇に染まって行った。


「取り逃がしましたな。」


 テンゴウが呟く。ユーヤは黙って頷いた。


 辺りは瓦礫の山と化していた。ガンプの三剣はブランが盾で守り、怪我はないようだ。ゼフィールドは額に瓦礫を受けたらしく血を流していた。


 サクヤはマリオンの風魔法のシールドにちゃっかり便乗していたようで、ユーヤ達の横で何やらポーズを決めている。ライガとクーガーは二人で大刀に気を注いで防御フィールドを展開していたようだ。


 救護を受けていた者達は、カスバドの結界陣によって守られていた。ベルドは満身創痍であったはずなのだが、いつの間にか起き上がりカリギュラスを抱きしめていた。


「このバカモノが!バカモノが!」


 そう言いながら、ベルドは両の目から涙を溢れさせていた。カリギュラスは自身を取り戻したらしく「父上…すみません。すみません…。」と、やはり涙を流しながら、うわ言のように呟いていた。


 その横でロンも、流れる涙を拭きもせずに親子を見守っていたのだった。




「復興に時間がかかりそうですな。魔王にしてやられたと云う処です。」

「ええ。オーガ大陸に攻め込むには、更に時間が必要になってしまいましたよ。」


 ユーヤとテンゴウは、破壊された天井を見上げていた。その痛々しい城の姿は、正に今の帝国の姿そのものと云ったところであろう。


 周りでは救護班が走り回っている。陣頭指揮をソーウンがしていた。主家に付き従っておカジさんも走り回っている。


 ヴァルキュリア諜報隊も、メルティの指揮の元に行方不明者などの捜索に走り回っていた。サクヤ姫は…マリオンと瓦礫に腰かけてお茶をしている。その方が色々とメルティ的に助かるとの事で、マリオンが誘ったらしい。


「マリ姉様は兄君と、どれくらい以前からお知り合いなのですか?」


「…(危険だわ。危険な匂いしかしない。)そ、そうですわね。10歳くらいからだったかしら。」


 不穏な空気を感じて、ユーヤはそちらから視線をはずした。サクヤがマリオンにまで『マリ姉様』呼ばわりしている姿に、自身への危機感を感じたらしい。


 チラリとテンゴウはユーヤの顔を見ると「アレクソラス閣下も大変なご様子ですな。色々と。」と、肩を揺らしていた。


 城の外で兵達と待機していたヨーンも、ようやくユーヤ達の許へやって来た。


「天井が吹き飛ぶ様子を見て、そこから現れた魔族に魔導砲撃を行ったのですが、避けられた上に魔導戦車を一台破壊されてしまいました。面目ありません。」


「仕方がないさ。七大幹部の一人だったんだし。よくやってくれたと思っているよ。」


 肩を落とすヨーンにユーヤは笑顔で応えた。ヨーンもまた、ユーヤの笑顔に笑顔で返す。


「ところで陛下、復興のプランなのですが明日にもリンドバウムに早馬を送り、フェルナンド建設大臣を招集してはいかがでしょうか?」


「ああ、そうだな。ベルツ地方復興大臣を兼務してもらうしかあるまい。議会への通達も頼む。」

「御意。」


「よーし、皆ご苦労様!今晩はもう休め!大仕事は明日からだ!休まないと減棒にするぞ!!」


 ユーヤのお告げにリンドバウム陣営は素早く反応した。メルティも焦ったように諜報員に召集をかけている。ジードとエテリナも即座に騎士団の点呼を始めた。


 テンゴウやカイザーブレードの面々はそれを見て「リンドバウムって…。」と呟いている。


「オラ!元帝国軍も休め!お前らも連合の一員になったんだから、うちの方針に従えよ。働き方改革だ!」


 ブランに言われて帝国兵達も急いで点呼を始めて、その後は設営班が設営してくれてあったテントへ皆走った。走る必要はないのだが、その場の勢いと云うやつであろう。


 給仕の受け持ちの班は、既に食事の用意に取り掛かっていたようで、テントの周りに良い匂いが漂っていた。街に出る事は一応禁止としてあったので、皆大人しくテントに戻ったようである。


 そして、ユーヤからは各師団に酒の入った樽が支給された。

「二日酔いにだけは気をつけろ。」との伝言付きで。これに各師団は沸きに沸いた。リンドバウム、帝国、皇国の兵達による酒宴は夜遅くまで続いたようであった。


 会議用のテントでは、幹部クラスによる簡素な(・・・)酒宴が開かれた。


 『簡素』である理由としては、『嫌な予感』しかしない王家夫婦が警戒して、二人共水で乾杯をしていた為である。これにサクヤとおカジさんは舌打ちをしていた。ユーヤの『王の酔拳』の噂は、既に他国にも広まっていたようである。


 ジードやクーガーなどはこれを見て、笑いを堪えていた。カイザーブレードはミハイルから訳を聞いて笑い転げる。またも包帯だらけになったベルドに至っては「欲は身を滅ぼすと云うしな。」と謂いながらニヤついていた。


 そうして、その晩は王と王妃以外は盛大に盛り上がっていたようである。ユーヤは皆が酒を酌み交わすのをみて、ひたすら自棄食いしていたようであった。

やっとザンバード戦が終わりました。

しかし、次の章にどこで移そうか悩んでおります。

復興編を4章にすべきか

オーガ大陸進行編からを4章とすべきか…。


悩む…。どうしよう…。


うん。もう寝る!起きてから決めよう!!(爆

(↑以上は書き終えた際のコメです。外伝のあとで4章~復興編~となります。)


☆17時より外伝Ⅲ投稿されます。よろしくです。


※追記


一昨日、八拾九話まで書き上がって―

などと書いてましたが


寝惚けて打ちこんでいた為か、誤りです。


七拾九話です。


寝ようとしたところで気付いて、一昨日の午前九時半に訂正しましたが

その時には70人以上の方が閲覧された後でした。。。


本当に本当にごめんなさい。m(_ _)m

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