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リンドバウム王国記~転生王ユーヤ~  作者: 三ツ蔵 祥
第2章 ―戦神のダンジョン編―
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第弐拾七話 三層ボス戦

 ライガはグっと力を込めて三層のボスの扉に手を掛けた。

 後ろに並ぶパーティーメンバーも、握る拳に力が入った。


「行くぞ!」


 ただ一言だけライガは告げた。

 ―ギギギギギギギィイイ

 扉から光が漏れ、次第に内部の風景が視界に入る。広い空間の左右に幾つもの柱が並び、奥に向かって中央に青い絨毯が敷かれている。どういった仕組みでフロアに照明が灯されているのか判らないが、内部はとても明るかった。


 周囲を確認しながら一行は絨毯の上を歩む。最奥に辿り着くと、その地面に描かれている魔法陣が光り出した。


「来るぞ!皆構えよ!!」


 ライガの叫びとほぼ同時に、地面から四メートルはある巨大な熊のモンスターが現れる。その周囲には狼型のモンスターが二十体出現した。


 ライガとブランが先行し、その後ろをエレーナ、ロイエル主従が走る。

 ウテナ、ヒッター、ジードは周囲の狼型モンスターを狙い撃つ。

 聖女ハンナは全員に防御力向上の魔法を唱え、それが済むとすぐさま攻撃力向上の魔法を唱えた。


 ライガが狼二体を大刀で吹き飛ばしつつ巨大熊の前に辿り着くと、巨大熊は立ち上がり、その鋭利な爪をライガに向けた。

 それをライガは大刀で受け止めた。遅れてブランも参戦する。


 エレーナとロイエルは狼に阻まれ、まだ前に出れずにいた。そこへジードの魔銃が吠え二人をアシストする。


「うーん。狼が多すぎるみたいね。」

「ああ、5~6匹くらい俺らが倒してもいいだろ。」


 王室夫妻が動き出した。

 まずは、マリオンの招雷波でまとめて数匹を感電させたところへ、ユーヤが斬りつける。そして瀕死になった二匹をエレーナとロイエルの前に蹴り飛ばした。


 エレーナとロイエルはパスされた二匹の狼に斬りかかり、エレーナは頭部から尾までを一刀両断し、ロイエルは槍を胸部に突き刺して止めを刺すと、そのまま巨大熊の方へと前進した。


 ウテナは五匹の狼と格闘していた。右の手に自らの小刀を閃かせ、左手には苦無(くない)で応戦していた。


 ―もっと早く。もっと早く動かなきゃ!


 そんな彼女の想いが力へと変換されたのだろうか?ウテナはその身体を青く光らせると、一つ、二つと影を作り、気付けば五人のウテナ(・・・・・・)がそこにいた。


 五人のウテナ(・・・・・・)は各々に狼に斬りかかり、その喉笛を斬り裂いた。


 ―影分身


 魔力により己の影を自在に操り、本人と同様の姿をした影達が敵を斬り裂く。

 子を身籠り、その防衛本能から生じたのであろうか。

 ウテナの新たなスキルの発現だった。


「ふふふ、これでウテナの防衛が楽になったんじゃない?」

「ああ、ウテナの母様(かかさま)との約束が守り易くなったな。」


 ユーヤとマリオンは微笑みながらウテナの勇姿を見守った。


 ライガ、ブランが防衛ラインを引く中、エレーナがユーヤから習った覚えたてのスキル『瞬光』で一気に間合いを詰め巨大熊に斬りかかるが、力が足りていない様子だ。それを見切った熊は、その爪を振りかぶりエレーナを吹き飛ばそうと襲いかかった。

 刹那、ロイエルの槍が光り、『三連突き』を浴びせてエレーナを救った。


「ありがとうロイエル。」

「いえ。油断してはいけませんよ、お嬢様。」


 意外に二人は冷静だった。


「まだまだーーー!」

 エレーナの紅の瞳が更に赤みを帯びて光った。


 ―烈光斬


 閃光斬が広範囲な技なのに対し、烈光斬は単体の敵に対し発動する技である。


「もう一丁ぉぉおお!」


 ―燕返し


 低空を飛ぶ燕の如き一閃である。この技は剣聖にしかほぼ発動できない技と言われている。つまりこの瞬間、エレーナは発現したのだ。剣聖の称号が。


 巨大熊はその一撃に圧されズドンと後方に吹き飛んだ。

 それをロイエルが追走する。


 ―飛龍衝撃牙


 飛龍のように敵へ飛来し、その牙のように強烈な一撃を加える。槍聖技である。ここにもその名を残すであろう聖戦士が生まれた。


 グオオオオオ!!


 巨大熊がその痛みから吠えた。


「あともう少しってところか。ライガ殿!」

「ああ!行くぞ!小僧っ子共に負けていられるか!!」


 ブランとライガが猛進する。その前方に飛び出て来た狼達を薙ぎ倒しながら。


 ―重戦車爆雷


 タンク二人によるコンボ技だ。周囲の敵を炎を纏って薙ぎ倒しながら、目標まで猛進する特攻技である。

 巨大熊まで到達すると熊を更に弾き飛ばした。その弾き飛ばされた先に矢の雨が降る。ヒッターの『レインアロー』が炸裂した。周囲の狼達が次々に串刺しとなっていく中、それでも巨大熊は立ち上がる。


 しかし、それを狙う魔銃士が居た。

 ジードの魔銃にマナが集中し、空気を振動させライフルの先端に巨大な光の玉が形成されていた。呼吸を整え照準を巨大熊のどてっ腹に合わせた。


 ―波動衝撃砲


「ってえ!!」

 魔力の塊のようなその弾丸は、射撃と言うよりも砲撃であった。


 巨大熊の腹部に30センチ以上の大穴が開いた。そして巨大熊がその痛みに頭を下げるとウテナの分身達が襲いかかった。体中を斬り裂かれ巨大熊はのたうち回る。

 更にそこへエレーナ主従が駆け寄り、剣と槍の舞が繰り広げられた。


 ―竜鱗撃


 エレーナの竜の鱗をも破壊する連撃が巨大熊の下半身を捉える。そして負けじとロイエルが跳躍する。


 ―招雷牙


 雷を纏った一撃が、巨大熊の頭部に突き刺さった。


 あ”あ”あ”…。


 熊が完全に白目を剥く。そこへライガが大刀を一閃する。


 ―白虎斬真打


 熊の首が血飛沫を上げて宙を舞った。ボタっと云う音が辺りに響くと、巨大熊の首は床をコロコロと転がり、魔法陣の丁度中央付近で止まった。その直後、首は鳴動し光を放って消滅すると、そこには大きな宝箱が出現した。


「やったぞぉぉおおおお!」


 ライガが咆哮をあげる。

 そしてライガをパーティーの皆が囲んだ。誰ともなしに拳を突出し、お互いの拳を合わせてお互いの栄誉を称えあったのだった。


「さあ、ご褒美タイムですよお。」


 聖女の言葉に一斉に皆がライガの方に顔を向けた。

 パーティーリーダーであったライガが宝箱を開けるべきだと促したのだ。


 ライガは頷くと、その豪華な造りの箱に手を掛け一気に開けた。

 眩い光がフロアを包んだ。


 そこには黄金色の剣が一振りと、穂と石突きが水晶で出来た槍、そして赤色の盾が入っていた。他にも回復系アイテムやら、金塊なども見受けられる。


「陛下、分配はどうするのです?」

「ん?ああ、そうか。すまんライガ殿。全然決めてなかったっけな。金塊なんかの細かいのは全員で均等にして、装備品は今回のパーティーリーダーであるライガ殿が決めてくれ。」


「わかり申した。では、剣をエレーナに、槍をロイエル。そして盾をブラン殿。これでよろしいか?」


「え?!自分なぞにはこのような立派な槍勿体ないです!ライガ様がお使いになった方がよろしいかと…。」

 ロイエルが慌てて恐縮し辞退をしようとした。しかしライガは優しい表情でロイエルを諭した。


「いや、私は大刀使いであるし、槍聖となったロイエルにはそれにふさわしい装備が必要だ。これはお主が持つべきなのだ。」


「は、はあ。お師匠様がそう仰るのならば、従いま…ん?槍聖?え?私がですか?。いつの間に?!」


 師匠であるライガに諭されては、ロイエルも逆らえない。それに戦闘に夢中で槍聖の称号を手に入れていた事に本人が気付いていなかったようで、今更ながらロイエルが慌てて己の今持つスキルなどを脳裏に思い描いた。


「こ、これは!本当だ。槍聖の技がわかります!」


 エレーナにも、「試しにやってごらんなさい」とマリオンが言い、エレーナも脳裏にスキルを思い描くと「す、凄い!これが剣聖の技…。」と驚いていた。

 二人共戦闘中は無我夢中で、自分たちがそれぞれ称号技を発動していた事に気付いていなかったようだ。


 因みにウテナは『忍者マスター』になっていた。つまりこれで、実力と技に於いてはハンゾウと同レベルとなったようだ。


「さて、本来の目的地はまだ先ですよ。皆さん奥へ進みましょう。」

 聖女ハンナの声に皆が振り向き、フロアの突き当りに向かって歩み出す。


 フロア突き当りの壁には、確かに調査団の報告どおりに聖印が刻まれた扉があった。大きな扉で、並んで五人以上は通れそうなくらいである。其処彼処には古代文字が刻まれている。そしてその中央には、拳大くらいの青く輝く石が配置されていた。


「この石に手をかければいいんだな?」

 ユーヤがスタスタと扉に歩み寄って行く。


「さすがです。よくおわかりです。陛下がそのまま戦神様のお導きに従えば、扉は開くと思われます。」

 聖女がうんうんと頷きながら解説をしてくれた。要は体と心の赴くままにやれと。


 扉の前に来たユーヤは、青く輝く石を凝視した、そして皆の方を振り返る。目で「いいんだな?行くぞ。」と訴えた。

 その様子を見て、皆が静かに頷く。それを確認したユーヤは青石に手を置いた。


 青石が激しく輝き始める。その光が目を開けていられないほどの眩しさを放った時、扉からガチャリと音がした。


 ここからこそがユーヤの本来の試練の始まりである。

 ユーヤは心の内の決意を示すように、力いっぱい扉を押した。

あ、ここでこんなに強くしちゃって大丈夫なのかな?

と、後悔してます。


3ヶ月とは云え身重のウテナを守りつつ、思い描いているゴールに持って行くには

これくらい強くなってもらわないと、悲劇を描かなきゃならなくなるので

これで良いのです!


しかし


そう言いながらも、描き終わってみて矛盾に気付いた私がいます。

こんなボス相手に、どうやって教会員の皆さんはあれこれ調べられたんだろう?と。



………。

…うん。

きっとどこかのパーティーがボスを倒すのを待って入ったんだよ。

確か24時間でポップとか描いてたよね?


そうだ!


そうに違いない!!!


と云う、戦神様の神託を頂きました。(爆

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