第拾八話 ウテナの日記
今回はウテナの一人称回になります。
ウテナの日記より
○月×日
本日は陛下と姫様の婚儀一日目。前夜祭です。
朝から陛下も姫様も忙しそうにクルクルお着替え。
私は、お気に入りの紫のドレスに身を包んで姫様のエスコートをしたり、明日陛下たちと同時に婚儀をする、同僚のエテリナの様子を見に行ったりしていた。
エテリナからは、「いくら陛下が酔っぱらっても、この三日間は連れ込んではダメよ!いいわね?」と、しつこく言われた。
うるさいなぁ。どうせ酔ってしまえば、陛下の方から勝手に来るってばさ。
と、たかをくくって居たら、何やら陛下の周辺がおかしい。
ブラン副団長はわかるけれども、なぜにクーガー獣王区長まで?
何であの二人がずっと酒宴の間も離れないのよ?
クーガー獣王区長なんか、明らかに私を警戒してらっしゃいますよね?
これって、エテリナですか?エテリナの差し金ですか?
陛下にお酌をとお酒を持って行けば、横から「ご苦労。」と獣王閣下の手が伸びて来て、全部呑まれてしまいました。
陛下がおトイレに向かうのを拝見して、それに付いて行こうとすると「ウテナ様、こちらは男子専用です。女性はあちらへ。」とブラン副団長に止められる。
やっぱりエテリナの差し金ですよね?そうですよね?
とりあえずブラン副団長は私のキルノートに載せておこうと決めた。
クーガー閣下は…無理。返り討ちに合うのが関の山。
まぁいいわさ。あと二日あるもん!
○月△日
婚儀二日目。本祭。
今日は同僚のエテリナとジード団長、ヨーン参謀とヒューズ閣下のお孫さんのエリザベス様も陛下達とご一緒に婚儀。
まずは陛下と姫様が満面の笑顔で入場。ちっ
続いてヨーン閣下夫妻、その後にジード団長とエテリナが入場して来た。
いいなあ。ウェディングドレス。
どいつもこいつも幸せそうな顔しやがって。ちっちっちぃ!
それにしても陛下の白いタキシード姿いいわあ。あれで迫っていただけないかしら?
姫様は淡いピンクのウエディングドレスで、割と胸元を強調してらっしゃる。
きぃっ!どうせ私は強調するものがございませんよ!
そんなこんなで披露宴では、見事に飲み過ぎて泥酔しました。
不覚にもエテリナの花嫁姿を見て、思わずウルウルしてたらエテリナが「貴女も祝福してくれるのね。ありがとう。」って抱擁して来た。
そしたら酔ってた事もあって、私の涙腺崩壊。
ぶわわわわって出てくる涙を止められなくてエグエグしてると「ほら、これを使いなさい。」ってハンカチまでくれたし。
ごめん。
鼻チーンしちゃって。
買って返すわ。。。
なんか、同僚の幸せな顔見てたら、もう今日はお腹いっぱいです。
大人しくおうちで寝ます。
おやすみなさい。
○月○日
婚儀三日目。最終日後夜祭。
今日こそは陛下と抜け駆けるのよ!
と朝から気合を入れてお化粧しました。
しかし、朝陛下にお目に掛かろうとお部屋に侵入してみたけれど、陛下はいらっしゃらない。
まさかと思って天井裏から姫様の部屋を覗いたら、幸せそうに二人並んで寝てやがりましたよコレ!
かあああ!陛下の腕枕ーーーーーー!!!
しかも寝起きにちゅっちゅってコラー!
爆発してしまえーーー!!!
…ぜぇぜぇ。
気を取り直そう。まだ朝よ。
夜があるじゃないの!
てか、どこかから視られてるような気配が?
はて?
そうして、朝十時。パレードの護衛任務が何故か回って来た。
あれ?私この三日間は騎士団は非番のはずよ?
え?ハンゾウ様からの指令?パレードって、騎士団の仕事のはずよね?影の仕事じゃないわよ?
「なんか罰だって言ってらっしゃいましたわ。」と、普段は冒険者ギルドの受付をやってるくノ一仲間のメルティの弁。
てか、メルティもエテリナも、何で私の周りは皆胸が大きいのよ?
どうしたらそっちに栄養が行くのよ?
教えてよ。
てか、罰ってなによ?
心外だわ。
パレードにて前回の婚約の儀同様に、前衛左を任されました。
今回、右側はブラン副長。そして、今回は先頭にて先導するのはクーガー閣下。
とりあえず仕事なのでニコニコしながら沿道を見てたら、ベルヌ宰相が奥様とお子様達を連れて、ホテルの二階の観覧席らしき処から手を振ってらっしゃったので、手を振り返して差し上げました。
そしたら宰相閣下、大喜びされて二階から落ちそうになっておいででした。
様子を見ていらっしゃった陛下が、馬車の中から「ウテナ、お前また何かやったのか?」と仰られました。
心外だわ。心外だわ!
パレード終了後。
気を取り直して、気合を入れてお化粧をし直しました。
そして夕宴会の会場へ。
夕宴会の会場にはフェルナンド様がいらっしゃってて、建築ギルドや鍛冶ギルドの方々と歓談しておいででした。
その向こうではヒューズ閣下がヨーン参謀に絡み酒…。
…あれは近付いちゃダメね。飛び火が怖いわ。
暫くするとバックの演奏が緩やかな曲調になり、ジード団長とエテリナが仲睦まじくダンスを披露。いつ見ても二人のダンスはキレッキレで剣舞のよう。
うん。てか、あれ武器を持ってれば絶対剣舞だよね。
そこへ周りからせっつかれてヨーン閣下夫妻もダンスに参戦していました。エリザベス様はヨーン閣下の一つ下のまだ十五歳とか。
あの歳であのクビレ…。胸もふくよかではないけれど成長の兆しが…。
恐るべし!エリザベス!!
ヒューズ閣下はテーブルに突っ伏して寝てしまっているようです。それを奥様と、娘さんでありエリザベスのお母様であられるバローズ伯爵夫人とが仲良く微笑みながらお世話しておられました。
大きな拍手と共に陛下と正妻が、こちらも仲睦まじくダンスに参戦。私は羨ましいなと眺めていました。
数分すると正妻…もとい姫様がこちらをじーーー。
なんですか?なんなんですかぁ?
優雅にダンスをしながらも、姫様はじーーーーーー。
不意に姫様の手招きで、踊っている最中の二人の元に呼ばれました。
「悪いんだけどもウテナ、私お腹がちょっときついみたいだから代わってもらえる?」
え?嘘?いいんですか?
あれは姫様の御計らいだったのでしょう。姫様は席に着いた後もニコニコしてご覧になっていました。
私、あまりに嬉しくてトリプルアクセルまで披露してしまいましたよ。
姫様、ありがとう!大好きですよ。
陛下の次にね。
そんな事があったので、今晩は姫様達のお邪魔は止めようと誓って、真っ直ぐ帰りました。
おやすみなさい。陛下。
おやすみなさい。姫様。
……はて?
やっぱり誰か隠行で見張ってる?
どうしても気になって、ベッドから不意にガバちょと起き上がったら、天井から「ひっ」と云う声が聞こえた。
あれ?ハンゾウ様?ハンゾウ様ですよね?
「す、すまぬ。あるお方からの依頼で…悪気はないのだ。」
そう言ったが早いかハンゾウ様は気配を消して逃走されました。
あー、エテリナだ。きっとエテリナだわ。
苦労性で気が利いて、何かと手回しが良い私の幼馴染であり元同僚のエクステリナですよね?
三日間ずっと見張りをつけてたわけね?
ちぃっ!と舌打ちをしたけれども、なにかおかしくてニヤニヤしてしまった。エテリナめ。
とりあえず、ハンゾウ様の名は私の秘密のキルノートに記しました。
おやすみ。そしておめでとう。
私の悪友、エクステリナ・A・ガンプ殿。
婚儀の演出どうしようか…と少し考えてたら
パっとウテナ嬢が頭の中に現れまして、今回このような描き方になりました。
ユーヤ、ウテナと一人称をやったので、次やるならマリオンかなぁ…などと企んでいます。




