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第二話 洞窟

 ダウザは自分が裸なのに気づいてはいたが、気にはしなかった。

 毎度のことである。


 主腕と副腕で足を抱き寄せている体勢に飽きると、張り付いている部位を引き剥がしにかかる。

 まずは面積が小さい部位……。主腕の指から。

 副腕には指と呼べるものがないので後回しにされた。


 ゆっくりゆっくりと、時間をかけてそれは行われる。

 

 若くて卵還りの経験が浅いトアグレース人は気が焦り、拙速に行おうとすることがままみられる。だが、それは明らかに悪手であった。

 大抵は皮膚が裂け、血が流れ出したのを見て、初めて自分の愚かさを学ぶのだ。

 大人達からのおせっかいの正当さを知り、感謝と共になんでもっと強く忠告してくれなかったのだと悪態をつく。


 だがしかし、ベテランのダウザは焦らない。三度目の卵還りで無駄だと悟っていた。

 先んじて嗅覚視覚等の感覚も取り戻し、手足の神経が繋がる感覚も得ていたダウザはじっくりと時間をかけて退屈な作業に取り掛かった。


 二本の主腕。主腕にそれぞれ四本ずつの指。二本の副腕。副腕に指はない。主腕の半分ほどの長さの足二本。足の指も四本。

 大きな目が二つ、その斜め下にはそれぞれ一つずつの小さな目。

 頭の横に開いた穴である耳。顔の中央にちょこんと小さな突起物にも見える鼻。丸い口、その中にある二本のストロー状の針二本。


 まだ完全ではないが、今のところダウザは問題が起きた箇所がないことに満足した。


 手足にある程度の自由が得られたと確信するとダウザは。



 よっ……と。



 十全とはいえなくとも、動かせるようになった手足を使いゴロンと反転した。


 背中側は十分に水分を吸収し終えたので、次いでお腹に水が当たるようにしたかったのだ。

 だが覚醒したばかりでは繊細な動作は難しく、思った位置とはズレてしまう。

 仕方なく体をくねらせ微調整を余儀なくされることとなった。


 一仕事終えた安堵に息をつくダウザ。


 視界が変わり、顔が上を見るようになると暗闇しかなかった世界にも変化が訪れた。

 金緑色の発光……。


 ゴツゴツとした岩石の天井の一部をわずかだが金緑色に染めていた。

 ダウザに上にはつらら石があり、先端から水を滴り落としている。

 そのつらら石を中心に点々と張り付き発光しているのはヒカリゴケ。


 ダウザは頬をぷくぅーと膨らませた。怪訝を意味する表情である。


 ヒカリゴケはトアグレース人にとって卵還りを行う場所の指標になっているコケとして重宝されている。

 暗く湿った場所を好む性質は卵還りと相性が良く。また、覚醒したときには帰り道を知らせる道標としても利用できる。……はずなのだが。


 ヒカリゴケは道標となるほどには明らかに量が足りてるようには思えない。

 本来なら洞窟を覆い尽くすとはいえなくとも、暗闇を見通す力のないトアグレース人でも歩くには支障がないほど金緑色の光で道を照らしている。

 ダウザが百年前に卵還りをしたときは少なくともそうだった。


 ダウザは顔を動かし壁や地面に目を向けると……少なくとも彼の目では暗闇としか映らなかった。

 これでは動くことはできず、すごすごと卵還りをまたするしかない。


 だがそれは、ようやく訪れた転機をふいにする可能性があった。

 ダウザは自分の中にもう一人いるという状況をとても面白く感じ、少したりとも逃す危険性はおかしたくはなかった。


 実は自分の頭がおかしくなっただけで、本当はただの妄想の産物だという可能性も考えたが。

 そうだとしてもダウザは構わなかった。

 変化がない世界で生き続ける事と自分が狂うこと、その両方に大きな違いを感じなかった。

 

 それに問題もある。

 卵還りも万能ではない。”ラシアン草”と呼ばれる植物を体に取り込まなければいけないのだ。

 仮に、摂取せずに卵還りを再度行おうとしようものならば、それは緩やかな自死と同義であった。

 外に出さえすればどこにでも生えており、苦労せずに見つけられる。

 だが、洞窟には自生しないことはダウザでも知っていた。


 こればかりは流石に怒りを燃やすわけにはいかず、焦りのため呼吸が早まるダウザ。


 体力が無限にあれば、<因子>に刻まれた怒りから活力を得。どこまでもいつまでも暗闇だろうが歩き続けても良い。

 いつかは出られるだろう。

 覚醒を終えた間際、頭のネジが緩んでいる状態でならしていたかもしれない。

 しかし今の彼の頭の働きは正常と遜色なく、無謀とわかりつつ挑戦することは到底出来ないと判断を下していた。


 ダウザが選択出来ずに悩んでいる間にも、体は順調に本来の機能を取り戻しつつあった。


 背中側はいち早く水を吸収したこにより肌の色艶が戻っており、感覚もまた鋭敏に。

 地面と接している部分からはひんやりと湿り気を帯びた感触を伝えるようになるまでに戻っていた。


 正常になりつつ証に、ダウザがいる場所では暗く判別もつきそうもないが、明るい場所で見たならば体の前と後ろでは色や質感が異なっていた。

 まだ卵還りの影響を多く残している腹側は白く岩のように硬質化した部分を残しており、正常な背中側は多くのトアグレース人がそうであるように柔らかな皮膚が薄紫色に染まっている。――背中に広がる傷跡を除いて。


 体内では、臓器や筋肉も柔軟さを取り戻しつつあった。

 喜ばしいことだが、お腹に当る水が体内へと吸収されるときにこそばゆいようなむず痒いようなものを残していった。

 ダウザはその度に体が跳ねそうになるのを抑えなければならなかった。


 その状態では答えがを出すのは難しく、一旦保留にすると。珍しくかつての友人達と外へと思いを馳せた。※1

 現実逃避だった。




 水が当たっても跳ねそうになる感覚が消えた頃、ダウザはようやく選択肢なんていうものは最初からなかったことに気づく。

 つい罵倒の言葉を口に出すが洞窟内に響くばかりだった。


 ヒカリゴケのような頼りない光ではなく、百年ぶりに全身を満たすほどの陽を浴びたくなったのだと自分を騙し。

 再度ダウザは主腕、副腕、足が問題なく動く事を確認し終えると。仕方なく、無謀な挑戦に赴こうとしたその時。


 音が聞こえた。


 なんの音か確かめるため、上半身を副腕で支え顔の横にあるぽっかりと空いた穴……耳に手を添えると。


 ざり……ざり……。


 添えた手は役目を十分に果たし、不明瞭だった音を少しだけ明瞭なものへと変化させていた。

 細かな砂粒の上を歩く音……足音が段々と大きくなってゆくのをダウザへ伝える。

 鼓動も比例して大きく、速くなっていった。


 しばし聞き耳を維持すると複数人がこちらに向かっているようだった。

 話し声まではしていないのか届かないが、軽く硬い物が地面の岩とぶつかる音と荒い呼吸音がしている。

 自分の呼吸音かと考えたダウザは呼吸を止めてみるが。依然、呼吸音は減することはなく。

 近づいてくる者達が出しているのだろう。とダウザは判断した。

 だとしたら体力がつきかけているのか、怪我や荷物があり負担になっているのだろうか。と思案する。


 ダウザはここまで自分は用心深い性格だったかと、怪訝にまた頬を膨らませた。


 耳に手を添える必要もない程、足音が大きくなった時。

 ヒカリゴケの金緑色の光ではない無色の明かりがダウザの目線の先に現れる。

 うねり曲がった通路の先に彼らがいることは明白だった。


 ダウザは今の姿勢で出迎えるのは、不用心に感じ立ち上がろうとした、がよろけてしまう。もう一度。今度はしっかりと二本足で立つ。

 だが自分が一糸まとわぬ姿だということはすっかり頭から抜け落ちていた。


 ……。


 通路の先の光が強くなるにしたがい、足音は更に大きくなっていく。


 隠す様子もなく堂々とした足音から人数は二人。ひとりは杖をつくような音を。ひとりはやはり重量があるのか。もう片方より明らかに大きな荒れた呼吸音と芯に響くような足音を立てていることがダウザには手に取るようにわかった。


 とうとう二人組と思われる者達が通路の先に現れたが。

 しかし、想定よりも強すぎる明かりで姿を隠していた。


 一瞬、逃げようかと思ったダウザだがそれには少しばかり遅すぎた。

 明かりを持った者から逃げ切れるはずもなく、逃げ切れたとしても待つのは死だけである。


 二人組からも彼の姿が見えているはずだが、声をかけられることもなく。ダウザ十歩程の距離を残し、足を止める。


 相手からはダウザの姿は視えているだろうが、ダウザからはやはり視えない。

 一声かけようにもきっかけが掴めず、相手の出方を待っていた。

 不安の野郎はしつこく、また存在を誇示しだす。が、ダウザはこれ幸いと薪にしてくべた。そうすると活力が得られた。


 明かりを持っている者が足を止めたことに気づかないのか、そもそも頓着していないのか。歩みを止めずに明かりの前へ出てくる者がいた。


 ひと目見た瞬間。

 ダウザはヒュっと息をすばやく吸い、前かがみになり、腕を地面に着け……警戒の体勢を取る。

 前に出てきた者はダウザより頭2つ分は大きく、屈強な体つきを持っていた。

 冷静に働いている思考では”敵”ではないことはわかりつつも、警戒せざるを得なかった。


 集中力が急激に高まったダウザは明かりの傍を通りすぎる間際。

 明かりで遮られ、体の前方が視えなくなるまでのわずかの間に、相手の情報をすばやく収集することができた。

 本来なら容易く見落とすあろう箇所であっても。


 大きな個体は卵還りに入っている者だと思われる丸い岩を軽々と主腕の右肩の上に乗せている。


 顔は下を向き見えない部分が多かったが、分厚く丸みを帯びた唇から二つの口針を覗かせていた。

 普段は口の奥にしまっており、食事をするときに使うものだ。――または、空腹や疲労が限界に近いとき。

 ダウザは相手が弱っていることを知り、ほんの少しだがホッとする。


 上半身には一般的なアーサ服を着ている。植物の繊維を編み込んだ服で乳白色をしていた。

 破られたように荒く裂かれている袖から生えている主腕は太く、ダウザの標準的な主腕とは比べると倍以上もある。

 主腕と腰の中間にある副腕でやっと、ダウザの主腕と同程度だった。

 衣服から黒ずんだ肌を晒しているお腹は前に突き出ており、それが脂肪だけではないことが明らかだった。


 下半身には申し訳程度に腰蓑を履いており。

 主腕の半分の長さだが丸太のような足を二本生やしている。右足の指は、4本のうち一本が欠損していた。

 洞窟で失くしたんだろうか、とダウザはチラリと考えた。

 あるき慣れない内はそのような事故が起きる事も珍しくはない。


 一般的なトアグレース人とは明らかに逸脱してる個体との戦いになると、ダウザの負けは濃厚だろうことは子供でもわかる。

 弱っているとはいえ、ダウザは分が悪いのを感じ取り気圧けおされていた。

 しかし、近づかれるのはもっと嫌だった。

 注ぎ足したばかりの怒りに突き動かれるようにダウザは……挨拶をした。


「ンッンン……。ょ、よう、俺ぁダウザってんだ。あ……あんたらは?」


 ダウザの声は少し掠れていた。

 警戒態勢を取りつつの挨拶は相対する者にとても奇妙な感覚をもたらしだのだろう。

 返事まで少し時間が開いた。


「ボティ……」

「これっボティ! ちゃんと[管理者]見習いのボティと名乗らんか。わしゃあ、[管理者]のオッペじゃ。まあ、あんた。起きるの早いのう。それと、あんまり年寄りをびっくりさせんでおくれ」


 咳払いをし、喉の調子を整える気遣いをみせるダウザに対し。

 厚い胸板を上下させながらも平然と答えるボティと疲れてる様子はあまり見せず[管理者]饒舌なオッペ。

 ダウザの警戒体勢はボティに対して、あまり脅威を与えることは出来なかったようだ。


 ダウザはなにか引っかかるものを覚え、思案する。



 [管理者]ってぇと……ん? あれ? ……なんで忘れてたんだ。洞窟に卵還りと来たら[管理者]じゃねえか……。



 ダウザは体の力を抜き、警戒体勢を解くと立ち上がる。

 そのまま恥ずかしさを誤魔化すために主腕の両手を後頭に置き、そのツルリとした頭皮を撫で付けた。

 ボティの頭もツルリとしていた。暗闇で見えないがきっと、[管理者]オッペの頭も。

 トアグレース人に毛を持ち合わせていない者が多い。


 [管理者]だから害はない、ということではない。[管理者]じゃなくとも多くのトアグレース人は無害だった。

 ダウザの警戒は全く的外れであり、無意味なものでしかない。

 邪悪で危険な者たちは[知られざる穴]に封されているのだから……。


 安心したダウザは先程までの反動か、大きな荷物を持って呼吸を乱しているボティを見て。

 見事な体躯を持っている割に根性がないやつだ。と、評価を下せるまでの余裕を得ていた。


「あの……。もう動けるなら。そこ。……いい?」

「あー、すまない。邪魔するつもりはなかったんだ。……ッ」 


 ボティはダウザの返答があるとすぐさまドカドカと大股でダウザに近づいてくる。

 つらら石から滴り落ちる水の下に起きたいのだと察したダウザは、後ろにズレようと動く。と、彼が思っていたより洞窟は狭く、背中を壁にぶつけてしまう。

 荷物を置いたボディは壁にぶつかったダウザことなど気づかずに、荒れた呼吸を整えながら明かりの元へ帰っていった。

 後ろ姿からは上がった体温を冷ますための蒸気が立ち上っていた。


 だが、一仕事終えた後にはその評価が下るものだ。

 それが早いか遅いかは、その者を扱う立場にいる者の胸三寸である。

 [管理者]オッペは早い方だった。 


「コラッ バカモンがッ! 起きたばかりの者はッ あれほどッ 動かしちゃなんねえとッ 教えたじゃろがッ!」

「でも。勝手に。……ごめんよオッペさん」

「謝るのはッ 儂じゃないじゃろがッ!」


 驚くべき素早さと器用さで杖の上部にあった明かりを外すと副腕の上に乗せ。杖にしていたものを両手の主腕で持ち、ペシペシとボディを叩き始めた[管理者]オッペ。

 ダウザは突然の狂騒に驚き、止めようと体を動かしかけたがやめた。

 ボティには全く効いているようには見えず、堪えてるようにも見えなかったからだ。


 それもそのはず。

 揺れ動く明かりで断片的にだがダウザが見ることができた[管理者]オッペの姿は枯れた木のように細い手足に、色は違うが体液を吸いつくされたワームそっくりの薄っぺらい胸板をしていた。

 これでは[管理者]オッペが十人いたとしても、その気にさえなればボティは片手であしらえてしまう。

 ワームとはピンク色の細長い虫でトアグレースの主食のひとつ。


 それにしても道中でも失敗をしたのか、[管理者]オッペの恫喝と体罰は衰えるを見せる気配なく。しばらく止みそうにもなかった。

 長引きそうな気配を察したダウザは、面倒臭さを感じながらも頃合いを見て止めに入った。


「……もうやめてくれ、見てらんねえよ。迂闊だった俺も悪いんだ。気にしちゃいねえよ」

「ふぅ。ふぅ……。あんたがそういうなら今回はこんくらいで勘弁してやるかのう。……何回言っても聞かんバカタレには困ったもんじゃ」

「そんなことないよ。まだ三回しか言われてないもん」

「三回もじゃッ! まったく、お前と来たら……」


 ようやく振りかぶり続けていた主腕を止めた[管理者]オッペの呼吸は荒く、ここまで大荷物を担いできたボティよりも疲れているようだった。

 とうのボティはあれだけ打ち付けられてもケロリとしており、呼吸も通常に戻っていた。


 おそらくボティはまだ大人になって日が浅いんだろう。とダウザは考えた。

 底なしの体力と口調からは若さが抜けきれておらず。また、これも恐らくだが。体に栄養を取られ過ぎてて頭が残念になってるに違いないと。※2


 これからも続くであろう受難に[管理者]オッペを不憫に思ったダウザは、しかしやはり何も言わなかった。

 彼らには彼らなりの流儀があり、第三者が口をはさむのは介入しすぎのような気がしたからだ。

 仮に[管理者]オッペがもっとたくましく、ボティが華奢ならばダウザも流石に黙ってはいない。

 しかし、そうではない。ならばしばしの沈黙をダウザは選ぶ。


 [管理者]オッペの荒れた呼吸が整ったのを確認するとダウザは本題を切り出した。


「そろそろ外に出たいんだが、こう真っ暗じゃなあ……」

「ん? ……ああ。ああ、そんなら儂らの後を付いてくりゃええ。じゃが、歩みはゆっくりじゃぞ。儂は疲れておるでな」

「じゃあ、オッペさん。運んであげようか?」


 外へと続く道を歩く間、ボティは延々と叱責を受けるはめとなった。




 [管理者]オッペとボティの喧騒――主に[管理者]オッペだが。には、関わろうとはせず。

 ダウザは精神に勝手に住み始めた異住者いじゅうしゃへ何度か声を出さずに語りかけてはみた。

 けれども返事はなく。かといって消えたわけでもなく、閉じこもり続けている。

 これではお預けを食らっているようなものだった。



まあいいさ。何百年も待ったんだ。根比べならオレの方が上だろうしな。



 ダウザはそう信じていた。

※1

 卵還りを行わなければ60~80年を生きる彼らだが、それを行わない個体はほとんどいない。

 どの個体でも死ぬまでに一度はする、期間も一度に百年を超えることがざらにあった。

 彼らにとって卵還りはこの停滞した世界を少しでも刺激的なものにする一種の娯楽であった。

 1年……10年……では変化がなくとも100年も立てば、最初は小さな変化でも大きく変貌することがままある。彼らはそれを楽しむ能力にも長けていた。

 しかし、欠点もある。一度でも長期の卵還りに入ると友人に二度と会えない可能性が高いのだ。

 彼らはその悲しみを乗り越えよう……とはせず、受け入れることにした。人生60年。苦あれば楽あり、楽あれば苦あり。の精神である。


※2

 トアグレース人は交配をすると、その個体両方のどちらかの特徴、または理想の姿を引き継ぎやすいという特性がある。

 数千年数十万年と交配を繰り返すうち、最初は些細だった個性も顕著になっていった。

 だが、良いことばかりというわけにはいかない。欠点もある。

 簡略に語ると。頭脳明晰な個体は体が弱くなり、強靭な肉体を持つ個体は頭が弱くなってしまう傾向があった。

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