第三章~異世界~
それでは...どうぞ!!
と、そんな昔の事を思い出しながら僕は銀河系をとてつもないスピードで駆け抜ける。
目の前が明るくなってきた。
気が付くと僕は街の中にいた。
そこは木造の屋台のような物が沢山並んでいた。今までの都会とは全くの別物だった。
「よーお兄ちゃん!!見慣れない顔だな!!どうだ!!さっき取れたファイアーバジリスクの串焼きだ!!食うか!!」
明るい声でこちらに話しかけてきたのは、たくさんの屋台の中のおじさんだ。
ガタイは良くて藍色をしたTシャツ…?と言うよりかは上着の様なものを羽織っている。
「すいません…お金持ってなくて…」
とても香ばしい匂いがする、唾が止まらなかった、僕は波のようにおしよせてくる唾と食欲をゴクリと飲み込んだ。
「ん?ポケットに入ってるのは金じゃねえのか?」
おじさんは僕のポケットに指の先を向けて言ってきた。
僕はポケットに手を入れた、ジャラリと音を鳴らして僕の手の中に入っていたのは大きな金のコインだ。それを見るなりおじさんの目付きがガラリと変わって僕の方へ走ってきた。
「兄ちゃん!!これ大金貨じゃねえか!!しかも20枚以上あるぞ!!」
大きな声を上げて僕の大金貨を覗く。僕のコインを持っている手の下におじさんは手を置いた。
ギリギリ触れない距離でおじさんの手の温かさを感じた。
ブルッと体が震えた。
僕は動揺しながらもおじさんに聞く。
「これってそんな凄いものなんですか…?」
僕が質問をするとおじさんの目がまん丸になりながら僕に言う。
「凄いなんてもんじゃねえ!!1枚で城が買えちまうぞ!!」
そ、そうだったのか、僕はそんなものを何枚も持っていた。
「兄ちゃん!!この大金貨1枚で俺の店の飯食い放題にしてやるよ!!後俺のやってる宿に泊まっても良いぞ!!」
おじさんは僕の大金貨にしか目が無いようだ。
まあこれから食には困らなくなるのか。
「分かりました、あとそれとギルドの場所を教えて貰えませんか?」
ギルドへの場所が知りたいので聞いてみる。少しばかり怖いがこのおじさんなら大丈夫だろう。そう思った。
「おう!!ギルドか!!それならここを真っ直ぐ言ったところに王国立大図書館があるからそこを左に曲がればギルドだぞ!!」
おじさんは爽やかな笑顔で僕に教えてくれた。
と、その時僕のお腹からグウと大きな音が鳴った。
「お!!なんだ兄ちゃん!!腹減ってんのか!!俺の店で食ってけよ!!」
それは嬉しいな、ぜひ頂いておこう。
同じ場所で立っていたので少し痺れていた足を動かす。
僕はおじさんに連れられ屋台の中へ入った。
中に入ると少ししょっぱそうな匂いが鼻を通り全身に広がった。
そこで食べた料理はファイアーバジリスクの串焼き、エアロリーフのサラダだった、ファイアーバジリスクの串焼きはピリ辛でとてもジューシーだった。エアロリーフのサラダはシャキシャキしていて甘かった。
料理は文句なしだ。とても美味しかった。
「ありがとうおじさん!!めっちゃ美味しかったよ!!」
自然とお礼の言葉が出てきた。
「おう!!俺はガンダルフ・アレックスってんだ!!この辺りで俺の名前を出せば意外と優遇されるぞ!!アレクとでも呼んでくれ!!」
アレクか、覚えておこう。
「ありがとうアレク、僕の名前は神道海だよ。よろしく頼む。」
「シンドウカイか、良い名前だな、よろしくな!!」
僕とダルは互いに手を伸ばし握手をした。
その時僕の目の中に変なものが浮かんできた。
«ガンダルフ・アレックス»
種族.人間
Lv.82
職業.魔拳士
HP.1900
MP.1500
攻撃力.230
守備力.180
スキル
攻撃力アップ(小)
魔力アップ(中)
破壊神の加護
これは…ステータスか?
それにしてもなんで今なんだ…
僕はステータスの下の方に青白く光るコピーというボタンがあるのを見つけた。
僕はそれに手を伸ばした。
ボタンをタップするとシャラランという綺麗な音とともに自分に力が溢れてきたのが分
かった。
ただ今はそれがなんなのか全く分からない。
「じゃあカイが良い冒険者になることを願っているぞ。」
少し低い声で僕に声を掛けてくれた。この世界で初めて喋った人だ。仲良くして行かないとな。
「あぁ!!アレクも頑張れよ!!俺の大金貨でも使ってな!!」
冗談混じりに僕は声を大にして言った。
「はっはっは!!面白いな!!」
僕は軽く手を振りアレクの店を出た。
(来た時は金以外なんの取り柄もなかったやつが俺と握手した途端俺くらい…嫌…俺以上の魔圧があったぞ…)
看板には「Σฅド▒▂ターの串焼ڡ屋」と書いてあった。
汚れているところは上手く読めなかったが後で聞けばいい事だ。外に出ると屋台には行列が出来ていた。
次もお待ちしております!!