第二章~過去~
さぁ二章目も投稿です。神道の壮絶な過去について今回は触れていきましょう。
「おらジュース買ってこいよ。」
学校が終わり帰ろうとしている僕に鋭い威圧的な目を向けているあいつは谷部だ。
僕をいじめているグループのリーダー格だ。
谷部は何かと僕に突っかかってくる。
小学校から同じだがずっといじめられている僕を見て笑っていた。
僕はこいつだけは許せない。短めの黒い髪にカラーコンタクトを付けている所謂不良と言うやつだ。
先生も手を焼いていたらしく、助けを求めるも先生がなんとかするから、と一言言っていつも逃げるようにその場を立ち去る。
谷部の次に嫌いなくらいだ。
「ほらー神道くーんwww早くしないとこの本捨てちゃうよーwww」
「なんだこいつwwwキモイ本読んでんなーwww」
この甲高い声をした人をイラつかせるのが天才な奴らは谷部の取り巻きの彦文と春姫だ。
彦文はいつも僕の私物に手をかける。染めた青髪にリング型をした金色のピアスは頭からな離れない。僕のラノベをいくつ捨てられたことか…
春姫は僕の事を殴る蹴るなどはしない。
ただ間接的に僕をいじめてくる。ものを隠したり椅子を屋上から落としたり。そして人一倍口が悪い。黒い胸元まである長い髪の毛をしていて、外人のような高い鼻は魅力的だ。何もやらなければモデルになれそうなほど容姿端麗だ。
この3人が谷部率いるグループのメンバーだ。
「か、買ってきたよ…」
何かやられると思いながらびくびくしてジュースを渡す。がっちりとした彦文の手が僕の手に当たる。
その途端僕のお腹に強烈な痛みが走った。
彦文が僕のお腹を膝で蹴ったのだ。
「なあ、汚ねえんだけど。」
顔はとても笑顔だ。窓から入ってきた風で彦文の髪の毛が靡く。
どうやら僕の指が当たったのが気に食わなかったようだ。
僕は痛みに耐えきれずその場に倒れ込む。
谷部はそれを見た途端に僕の頭を踏む。
「なあなあ、汚ねえんだけど、慰謝料払ってくんね?」
「後で床そーじしなきゃねーwww」
谷部が慰謝料を請求しながら横で春姫が余計な言葉を付け足す。
「分かったから、足、どけ…て…」
最後の気力を使い何とか声を出す。
「うるせえよ」
今度は谷部が僕の足首を上から踏みつける
少し足首と地面の隙間が無理やり閉じられているようで尋常じゃないほどの痛みが走る。
「ちょっとやめなよ!!」
ドアがぴしゃりと開き背の高い女の子が現れる。
歡崎だ。歡崎はいつもいじめられている僕の味方に付いてくれている。
「ちっ、良いところだったのに...」
谷部は少し苦笑いをしながら2人をつれ逃げるように教室を去る。
いつも僕は助けられていて自分の力でなんとか出来ない自分にうんざりしている。
いつかこの恩は返そう、そう思いながら何年も年月が経っていた。
「大丈夫だった?先生に言えば良いのに。」
こちらに顔を向けて歡崎は言う。
大丈夫では無い、ただ自分の情けなさに絶望しながら僕は下を向く。
先生に言ったら、親に迷惑がかかるかもしれない、それが怖くて仕方がない。僕はそのことを小さな声で歡崎に伝える。
「ふん、あたしだったら先生に言う前にあいつらぼこぼこにするけどね。」
女の子らしくない言葉を使っているが確かにその通りだ。
胸を張ったときに女の子らしく少し膨らんでいて目のやり場に困ったのは言うまでも無い。
「僕も歡崎みたいになりたいよ...」
大きなため息をつきなが僕は歡崎に言う。合わせる目なんてなかった。
いつかあいつらに復讐してやる...絶対にだ...
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