女の子になりたい男の子のための学校を(2)
引き続き前話からの流れの続きです。
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山田学園理事長の山田辰夫だ。
鳳鳴女子高等学校は文科省からの認可も下り、正式に開校することになった。
まぁ、多少のコネクションも使ったが…今流行りの言葉で言えば「忖度」になるのだろうか。
さて、来年度の一年生をどうするか。
特殊案件なので、表立っての生徒募集はできない。
そうだ、山田学園大学と提携関係にある、市船大学の附属病院にはジェンダークリニックがある。
この辺りのジェンダークリニックの中では中心的なポジションだ。
そこの紹介で入学を希望する生徒を探せばいい。
学校医もジェンダークリニックの先生にお願いしよう。
定期的なカウンセリングも必要になるし、そういうバックアップ体制も重要だ。
二年生のポジションとなる人材も集めなければ。
前にも言った通り、すでに高校を卒業した人が対象だ。
だが年齢が離れていると、一年生とのコミュニケーションを図るのが難しくなるかも知れない。
となると年齢差は極力少ないほうがいい。
来年4月1日時点で18歳以上20歳以下にしよう。
彼ら…じゃなくて彼女らは2年間の契約職員扱いにして給料も支給する。
そしてホルモン治療や性転換手術も学園の経費で落とす。
その代わり2年間は鳳鳴女子高のために色々とやってもらおう。
ここまで決まれば後は簡単だ。
早速、市船大学にアポを取ろう。
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よし、市船大学理事長、附属病院長、ジェンダークリニック医長からの協力を取り付けたぞ。
生徒募集についても協力を取り付けて貰えたことだし。
あとは二年生の募集要項を決めなければ…!