女の子になりたい男の子のための学校を(1)
エピローグ的な話です。
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私は山田学園理事長の山田辰夫。
関東地方で高校と大学を経営している。
高校は山田学園高等学校という男子校だけだが、新たにもう一校設置することにした。今度は女子校をつくろうかと思う。
校名は「鳳鳴女子高等学校」。
優れた人材を輩出したいという思いでこの名前にした。
ところで生徒をどうやって集めようか。
昨今は学校間での競争も激しい。
いくら山田学園高校で実績がある当学園とは言え、女子校としては初心者だ。
そういえば最近はLGBTへの理解が進んでいる。
だが教育機関での受け入れ体制はまだ整っていない。
中学生の頃から性に悩んでる子供たちも少なくはない。
そういう子供たちを受け入れる学校が必要だ。
まず1年目は女の子になりたい男の子だけを受け入れよう。
もちろん公には大きな声じゃ言えないが、彼ら…じゃなく彼女らの女子高生としての生活をサポートできる学校をつくろう。
そうすれば自ずと人が集まるに違いない。
2年目以降、普通の女子も受け入れていけばいい。
あとは…1年目だと人数が少ないし、先輩となる人物が居ないのは可愛そうだ…。
そうだ、すでに高校を卒業した人の中にも女子高生として生活を送りたかった人がいるはずだ。
そういう人たちをうちの高校で雇って、彼女らの先輩としてサポート役に就いてもらえばいいのか。
そうすればうちの高校に関わる人達がみんな幸せになれるはずだ。
よし、大まかな方針はまとまった。あとは細かいところを詰めていくことにしよう。