帰還
転移を終え、すぐに時計を確認する。
「よし。時間の問題もないようだな」
外はすでに明るく、1徹しているが仕方ない。幸い、大きな魔術を使わなければ、なんとかなるだろう。
確認を終えたので、あの世界の情報を少し書き換える。
内容としては、簡単な生物を生み出すだけだ。
それほど大規模な発生ではないが、時間さえあれば進化してくれるはずなので、問題はないだろう。
そして、加速用魔法陣の製作に取り掛かった。
世界を作るときにも使ったスクロールを取り出し、時間操作を行っていた部分をCADを使って書き出す。
今回はすぐに完成するとは思えないため、手直しがしやすいPCを使っている。
加減速に必要な関数も分かり、単一の魔法陣として作ることはできた。
これは術者が対象となる世界の外側におり、その世界の全容を把握できていないと使うことが出来ないので、使うのが難しい魔術になっている。
仕組みとしては世界間の相対距離を離すだけだったので、作るのはそれほど大変ではなかった。
それと、この魔術を使うにあたって、あの世界に"ベクト"と名付けた。研究用施設があるので、わかりやすくするために似た名前にした。
「これはもう少し回復してからじゃないと、使えそうもないな」
これほど大規模な魔術を使うのは、徹夜明けの体だときつそうなので、ひとまず寝ることにする。実を言うと、魔法陣が完成した時点で外は暗くなっていたためか、かなり眠いのだ。
俺はあくびを噛み殺しつつ、ベッドへ倒れこんだ。
◇◆◇◆◇◆◇
目が覚めると、10時を過ぎていた。今日は平日だが、学校に関しては人形が代わりに登校しているので、欠席にはならない。
一通り身支度を終え、昨日作った魔法陣の前に立つ。
ベクトの細部までを脳内に思い浮かべる。
そこから、魔法陣に意識を向け、ベクトの情報を流し込む。
そして返ってきた情報を元に、魔術を発動する。
ベクトの動きが止まった。
実際に調べてはいないが、そんな感じがする。
魔術が成功したのだろう。
さっきの魔術でこの世界とベクトの相対距離はかなり離れているため、時間の経過もベクトの方が最低でも数億倍は早いはずだ。
これくらいは早くないと、短期間で多様な生物を発生させることはできないだろう。
なので、数日はこちらの世界で待たなくてはいけないのだが、
「やることがない」
学校に行くにも、今は人形が登校中だし、平日なので香里も先生も学校だ。
人形たちになにかないかと聞いてみるも、特に面白いことも、重要そうなこともない。
アニメ等を見ればいいと思うだろうか。
アニメやゲーム、ラノベは俺の代わりをしている人形(現在、登校中のやつ)がやっているので、積んであるものはない。
ベクトから帰ってすぐに人形の持つ記憶を読み取り、日々のエピソードやアニメなどの内容を見ているので、すでに知っているのだ。よって、新しく読む本やアニメがないため、暇つぶしの材料が思いつかない。
そう言えば、当面は必要ないだろうが、金策もしておいて損はないはずなので、適当に面白そうなアニメを探しつつ、アクセサリの作成と情報収集を行っていった。
みなさんこんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。




