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シードと魔術

 ベクドの試験に使えそうな部分がなくなるまで続けたが、新しい情報は特に得られず終わった。


「一つでも探し出す方法が見つかればよかったが、やはりシード状態で感知することは出来ないか……」


 シードを探し出す方法も、シードからベクドを取り除き元に戻す方法も、調べる対象がいなければ実験もできず、進むことがない。

 あの山にいた動物には悪いが、シード化した動物がいることを願うしかない。

 俺の生まれた世界には存在しなかった調べ方も、今の俺は知っているのだ。手を尽くせば見つかるはずだ。


「待っていろベクド。世界を滅ぼした代償を払ってもらうぞ」


   なんとしてでも、ベクドを根絶やしにする方法を見つけるのだ。


 俺は心にそう誓った。



◇◆◇◆◇◆◇



 狸の亡骸を見つけてから1週間が経とうとしていた頃


『シードと思われる個体を発見しました』


 連絡が入った。

 前回と同じ山で発見されたのだ。


「すぐに向かう」


 そう返事をすると、捕獲用のゲージと防具一式を取り出し、転移した。



「シードはどこだ」


 俺は人形にそう聞いた。


「はい。ここから北北東に40mほど進んだ場所にある巣穴に入っています」

「分かった。お前はシードに触れてないか?」

「他の動物を目的もなく襲う、といった行動はしていなかったので、監視のみにとどめてあります。現在もルプによる監視を続けています」


 あの世界では魔術的な人形は開発されていなかったので、人形たちにどのような影響があるかわからないことから、警戒の意味で聞いたのだが、通じていないようだ。

 まあ、触れていないなら問題はないだろう。インフルエンザのように飛沫感染するようなものではないのだから。


「今から捕獲に行く。お前は他のシードを探せ」

「了解しました」


 俺は監視を続けているルプの方へと向かった。



「あれか」


 俺の魔力を持った物が空間に浮かんでいる。ステルス機能により目には見えないが、俺の魔力で動いているので、見つけるのは容易だ。


「という事は、あの下あたりだな」


 俺は探査魔術を使い、動物を探す。


「ん?」


 巣穴でねていたのであろう動物を見つけることはできたのだが、なぜか探査魔術があたった時から体を起こし、こちらに向かってきていた。

 俺としては好都合だが、普通の動物に魔術を感知することはできない。

 中に潜んでいたのは(いのしし)だ。感覚が鋭く、人間を見ると逃げ出すらしいが、こいつはむしろ向かってきている。

 それに、巣穴の方が隠れやすいのだ。臆病な動物の行動とはとても思えない。


   シード化すると性格が変わるのか?


 そんなことを考えつつ、のそのそとこっちへ移動してくる猪をじっと待つ。

 少し経つと巣穴から全身が現れ、俺の方をじっと見てきた。

みなさんこんにちはyoshikeiです。

今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。


この作品のブックマーク件数が50件を突破しました!(投稿時51件)

ありがとうございます!!

記念として、もう一話投稿する予定です。


今後ともよろしくお願いします。

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