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ベクド

本日2話目

 数日後、岐阜の山奥に配置している個体から、ツリーの痕跡を見つけたと連絡があった。

 連絡によると、それは狸がツリー化し生命力が切れたことにより、死んだと思われるらしい。

 山奥となるとシード化した動物が多そうだったので、現地に転移し確認すると、その心配は少なそうに思える。理由は死骸が半分ほど残っており、ツリーになった狸も高齢だったということが分かったからだ。

 ツリーになると、憑いたベクドが成長するために母体の生命力が吸われ短命になるのだが、生命力が少なく、ツリーに成りきる前に母体の生命力がなくなることがある。その場合は母体となった生物の死骸がシード状態で残るのだ。

 そして、ツリーに成りきれていない状態だと、周りの生物を襲う事は少ない。

 そのため、多くの動物がシード化するという状態には至っていないはずなのだ。


「ここにルプを3機置いていく。シード化した個体がいないか探し、発見したら連絡。ツリーになりかけていたら即座に排除」

「分かりました。マスター」


 ルプとは自動で動く偵察用ドローンみたいなものだ。一応、魔法道具なので、人形たちも使うことが出来る。

 すぐにシード化しているかどうかを判別する方法はないものの、動物の場合は基礎体力の上昇によりほかの個体とは動きが違うはずなので、すぐに見分けがつくだろう。

 人間の場合は、自分の力を隠すことがあるので、巧妙に隠されると見分けることが出来ない。


◇◆◇◆◇◆◇


 俺は家に帰ってくると、持ち帰った死骸の解析を始めた。

 ツリーにはならなかったものの、シードの研究材料になるかもしれないからだ。


「さて、見つけやすくなっているとありがたいのだが……」


 俺の生まれた世界にいたシードと、どのように違ってくるのか。

 これを調べない限りは、同一のものと断定することはできない。


 実際調べたわけではないが、ひとまずシードとツリーの状態に関してはほぼ同じとみていいだろう。


「香里が倒してくれて助かったな」


 被害が出ていたかはわからないが、ツリー化後の状態がどんなものかを知ることが出来たことは、とてもありがたい。



 シードの解析が終わり、あの世界にきたベクドとほぼ同一種族が分かった。

 死んでからそれほど時間がたっていなかったのか、ベクドの破片のようなものが死骸の中に残っていた。そのため、ベクドの解析も少しではあるが出来たのだ。

 本当は違いがあるのかもしれないが、調べられる限りのすべての項目では完全に一致しているので、同一と言っていいだろう。


「やっぱりこいつらか」


 俺は自分の内側からふつふつと怒りがわいてくるのを感じた。


   いっそのこと、全て消し去ってやろうか


 ふと浮かんでき考えを、頭を振りすぐに頭の外へと追いやる。


「世界への被害を最小限に抑える。そのために転生した」


 自分の中に刻まれた存在意義(りゆう)を復唱し、動き出すことを決意した。

みなさんこんにちはyoshikeiです。

今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。

今後ともよろしくお願いします。

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