準備完了
手に入れた30万で、人形たちを各地に送り、それぞれの場所に転移用魔法道具の設置も終えた。予算のほとんどが残ったが、そっちは貯金しておけば問題ないだろう。
日本の来たから南まで縦断をしたわけだが、その間はコピー人形に出席させていた。
なんだか周りからの圧力が弱くなったような気もするが、特に気にする必要もないだろう。
「さて、これで警戒態勢は整ったわけだが、どうするか……」
俺としてはシード化した人を戻す方法を見つけておきたいのだが、戻すもなにも、シード化した動物が周りにいないので、実験すらできない。
ツリーが出現するまで待つしかないが、そこまで悠長に考えているわけにもいかない。
俺が生まれた世界では、時間をかけすぎたせいで世界が滅んだのだから。
自分の持っている記憶をもう一度整理し、役に立ちそうな情報がないか探ってみる。
「そういえば、もうすぐで2ヶ月か」
あの世界では初めのツリーが報告されてから、2ヶ月で次のツリーが報告されていた。
ほかの場所で発見されていたり、ツリー化した生物はその体内でベクドが増えるために生命力を吸われることもあり寿命が短いので、自然に死んでいたりする可能性もなくはないが、そろそろ次が出てくると考えてもいい頃だろう。
「人間への被害が出る前だと楽なんだが……」
ベクドの脅威は憑かれる前の生物によって変化する。
先日の犬の場合は、生命力も強くないので短命だ。虫がツリー化した場合なんかは、大抵半日でその生物は死に至る。長くても1日といったところだろう。
その反面、ラグやツオ、この世界だと象や亀などの大型だったり長寿の生物がツリー化すると大変だ。象や亀の移動速度は遅いが、ベクドが憑いたことによる身体能力の上昇により、数倍の速度で移動し始める。
シード化だけでも被害が大きいのに、ツリー化すると生物を優先的に襲い始めるため、大変なことになる。あの世界では、シード化したことが確認された生命力の高い生物は、すぐに殺された。
「そういえば、誰かが生命力によってシードの期間が違うとか言ってたな」
虫の場合はシードの期間が数日なのに対し、人間の場合は長いと数年シードだったということもあった。
ラグやツオの正確なデータはないが、おそらく人間よりも長いだろう。
「ベクドに憑かれた時期が分かるかもしれないな」
そんな推論を立てつつ、この世界の犬の平均的な寿命を調べ、生命力を算出してみる。
その結果、ツリーの期間は長くても4年という事が分かった。
4年前と言えば、俺が小学校6年生の時だ。
「そういえば、小6だと修学旅行があったな」
あの修学旅行は忘れもしない。あの時は香里を使って変なものを召喚しようとしていたのだ。
魔術的な防衛手段を持った今の香里では生贄にされるなどありえないことだが、あの出来事から関係が始まったと言ってもいいのだから。
みなさんこんにちはyoshikeiです
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
やっと臨戦態勢が整った感じですね。
続きを早く投稿できるように頑張ります。
今後ともよろしくお願いします。
出来れば次話を今日中に投稿したいです