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アクセサリー2

投稿再開記念

 身に沁みついた、いや、魂に染み付いた動作というものは、意図的に変えるのが難しいようで、


「失敗した……」


 あれから他のデザインのアクセサリーを2種類作ったが、気が付けば、それらにも身体保護と身体能力強化、サイズ調節の付与をしていた。


「これは手順から見直した方がいいかもしれないな……」


 今回、商品として出す物は付与後の物になってしまうが、これから作るものは別の手順作るべきだろう。同じ手順でやっていると、どれだけの付与を余計にしてしまうかわからない。

 ちなみに、サイズ調節の魔術はそれほど万能ではなく、作った指輪を少しだけ拡げたり、縮めたりするだけだ。それも、初めに買った人の中指の大きさになるので、調節は一度きりだ。中指なのは、装備品として付けるときには中指が一番多かったからだ。ちなみに、別の指に付与魔術のついた指輪をしていると、魔術同士が干渉し合い効果が消える。

 今はまだ魔術や魔法を広める予定はないので、不用意な情報の流出は避けたいが、採取出来た銀も残りが少なくなってきた。

 もう少し量があると思っていたが、ネックレスと指輪を1組ずつ作ると、材料の消費が結構激しい。


「仕方ない。この時代ではあまり使用されていないが、いつもの合金にするか」


 残っている材料を見ると、トーピ合金と呼ばれていた合金が作れるので、それを作ることにする。この合金は、軽く、錆びず、オリハルコンよりかは弱いが、そこそこの強度がある。欠点はそれなりに高度な技術か、魔術を使わなければできない事だが、わざわざ買ったアクセサリーを分解するような者はいないだろう。

 この世界だと、実際に登場するのは当分先だろう。

 俺は2種類の合金を作り、それをさらに混ぜ合わせた。


「専門の設備がないと、合金は面倒だな……」


 設備さえあれば手順を短くできたので、少しもったいない気もするが、大量生産する気はないので急いで設備を作る必要はないだろう。

 俺は完成したトーピ合金をマジックボックスにしまった。



◇◆◇◆◇◆◇



 アクセサリーを先生に渡し、数日後、無事売れていたという電話が来た。

 それと、最終金額の確認をしてほしいという事で、家に呼ばれた。


「先生いますか?」

「あ、出てきていいよ~」


 リビングの方から先生の声が聞こえてきた。

 扉を開けると、PCの起動音が聞こえた。


「こんばんは」


 先生は左手をクイクイと動かし、こっちこっちと呼んでいた。


「どうしたんですか?」

「いいから、これ」


 先生はモニターを俺の方に向ける。

 そこには、オークションの最終結果が表示されていた。


「なるほど、これは……」


 自分でも少し驚いていた。

 まさか、タダのアクセサリーが1セット15万弱にまで上がっていたのだ。

 銀で作られたアクセサリーとなれば、合計しても高くて10万ほどだが、それがこの値段だ。原材料費も人件費も一切かかっていないので、ボロ儲けと言っていいだろう。


「ヤバいですね……」

「ええ、これは正直驚いたわ。これでも買取希望者の評価値がマイナスの人は外してあるから、デザインが凄いんでしょうね」

「他の世界で売れたデザインを持ってきましたから、売れないことはないと思っていましたが、これほどとは思ってませんでしたよ」

「そうね……」


 この世界における付与などの性能を考慮した金額としては少し高いくらいだろうが、その情報は出していないはずなので、驚きだ。


「注目ランキングに入ったってメールが来た時に、話しておくべきだったかも」

「なるほど。それでですか……」

「一応、銀粘土で作ったアクセサリーってことにしてあるけど、大丈夫か心配になるわね」

「ですね。このデザインは当分、封印します」


 合計で45万。 話し合いにより、売れた金額の3分の1を先生に渡すことになった。俺の方には30万ほど来る予定だ。確定申告などの申請が必要かと思ったが、貴金属のアクセサリーなので、特に申告は必要なさそうだ。

 心配なのは余計な注目を浴びないかどうかというものだが、さすがに3セットしか出していないので、細かいところまでは注目されないだろう。

 次回出すものはトーピ合金を使う予定だったが、普通の金属にしたほうが良いかもしれない。とりあえず、残っている素材を使い切ってから考えよう。

みなさんこんにちはyoshikeiです。

今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。


毎日の投稿が出来るかどうかはわかりませんが、再開記念としてもう一話投稿しておきます。


今後ともよろしくお願いします。

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